生涯最高の失敗 (朝日選書)
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(19 カスタマーレビュー)
商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #26657 / 本
- 発売日: 2003-09-09
- 成分: Example Ingredients
- 版型: 単行本
- 240 ページ
エディターレビュー
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2002年にノーベル化学賞を受賞して時の人となった“田中さん”初の著書が上梓された。タイトルはノーベル賞受賞の発端となった実験上の失敗のことで、第1章の自伝「エンジニアとして生きる」、自分の研究を紹介する講演を書き起こした第2章、そして講演直後に行なわれた山根一真との対談の3章からなる。
とても誠実な本である。自分自身や研究内容を一般の人々に理解してもらおうと誠心誠意心を尽くしている。著者のそんな人柄がにじみ出た文章は非常に好ましく、素晴らしい。難しい研究を解説する第2章は簡単には読み進められないだろうが、それでも熟練のクライマーが絶壁を登るように一歩一歩着実に解説してくれるおかげで、理解に苦しむことはないはず。むしろ、高分子が壊れずに気化するレーザー光の当て方を、ある失敗から発見する経緯はとても興味深かった。やや残念なのは第3章。講演の聴衆を対象にしたために、山根一真による対談は第2章の内容をかみ砕くことに終始し、研究の深みを引き出すまでには至っていない。
一般読者にとって最も面白いのは第1章に違いない。「隔離室」に逃げ込んだ受賞の日や、のこぎりの目立て職人である父を持った家庭環境、島津製作所でエンジニアとして過ごした日々――。この自伝を読んで、「生涯一エンジニア」を貫く著者が実に魅力的な人間であることをあらためて思い知らされた。また、独創性と創造性についての考察は必読だ。「ネクラ」と呼ばれたこともある著者が、現場を支える理系の人々をもう少し尊敬してほしいと真摯に訴えるくだりには思わず胸が熱くなった。(齋藤聡海)
日経BP企画
生涯最高の失敗
昨年のノーベル賞受賞以後、いかに多数の「田中本」が発刊されたことか。それらは皆、取材に基づいて第3者が執筆したものだったが、ついに田中氏本人が書いた「田中本」が出版された。
本書を読み進むと、これまでの「田中本」の内容も含め、不特定多数にあまりにも生い立ちなどを知られてしまうことに、気の毒な気持ちもする。 報道が過熱して業務にも支障をきたしだしたため海外移住も考えた、と田中氏は本書冒頭で述べているが、それも納得だ。
本来なら、マスコミ関係の仕事をすべて拒絶してもおかしくない状況で、それでも田中氏が本書を執筆したのは「理系の人間は自分を理解してもらう努力が不足している」との課題に自ら取り組むためだ。科学に関わる全ての人に、本書を読みながらこのエピソードについても考えてほしい。
(日経バイオビジネス 2003/12/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
内容(「BOOK」データベースより)
「なんで私が?」…突然降って湧いたような授賞の知らせに驚く間もなく、はじまった「ノーベル賞シフト」。「43歳主任」の「変人」ぶりばかりを強調する報道に戸惑い、憤り、そっとしておいてほしいと念じてきた著者が、「理系の人間は、自分を理解してもらう努力が不足している」という自らの主張を実践するために、はじめて、エンジニアとしての人生を語った。ノーベル賞受賞が決まった日の混乱、授賞された発見の背景にあった「生涯最高の失敗」、励ましてくれた人たちのこと、ライバル研究者の公正な態度、企業のエンジニアとしてはたらくことの生きがい、チームワークの大切さ、独創性・創造性の源はなにか、など、はじめて明かされるエピソードと新たなメッセージを込めた、会心の一冊。

