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廃墟に乞う

廃墟に乞う
By 佐々木 譲

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  • Amazon.co.jp ランキング: #480 / 本
  • 発売日: 2009-07-15
  • 版型: 単行本
  • 320 ページ

エディターレビュー

内容紹介
道警の敏腕刑事だった仙道孝司は、ある事件をきっかけに療養中の身。やっと回復してきた仙道に、次次とやっかいな相談事が舞い込む。

内容(「BOOK」データベースより)
13年前に札幌で起きた娼婦殺害事件と、同じ手口で風俗嬢が殺された。心の痛手を癒すため休職中の仙道は、犯人の故郷である北海道の旧炭鉱町へ向かう。犯人と捜査員、二人の傷ついた心が響きあう、そのとき…。感激、感動の連作小説集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
佐々木 譲
1950年北海道生まれ。自動車メーカー勤務を経て、79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。90年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞する。2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

ソフトタッチの警察小説4
私は北海道に住んでいます。仕事で訪ねた土地が多かったので、
舞台となった街の雰囲気や季節感をリアルに感じながら読みました。

作品は、連作短編集で
「オージー好みの村」、「廃墟に乞う」、「兄の想い」、「消えた娘」、
「博労沢の殺人」、「復帰する朝」の六篇で構成されています。

「消えた娘」で行方不明の娘を探しまわり、途方にくれる父親の切なさ
が印象的です。

満足できる出来でした。5
佐々木譲は長編小説も当然旨いが、本書のような短編連作警察小説を書いてもそれ以上に評価できる作家と思う。ここ数年国内ミステリー市場でも警察小説が脚光を浴びいるが、その分野では今最も油が乗った良作を書いてくれる人と思う。今野敏、黒川博行もいいが作品の安定度は彼が一番と感じる。本作は、休職中の北海道警察本部捜査一課 仙道孝司を主人公とした
作品で、各事件における犯人、容疑者の犯罪動機、心の葛藤等を冷徹な視点で描ききっている。何時ものごとく、文章に余分な味付けは無く、硬質で短めの文体、但し表現豊かな描写が
とても新鮮に感じる。まさにプロの仕事といって良い。短編6作の中でも作品のタイトルにもなった「廃墟に乞う」は秀作。終盤での仙道、犯人のギリギリの心情、よもやの結末が印象に残る。

「私立探偵」による推理小説5
北海道警の心の痛手を癒すために休職中の刑事仙道孝司を主人公にした連作短編集です。

著者は、日本でも「私立探偵」を主人公にした推理小説が出来ないかを試した作品であると語っています。
その点については、ある意味では成功しているし、ある意味ではやはり無理があると言うことでしょう。

主人公を休職中の刑事とした設定は成功しています。
刑事の視点を持ちながら、警察手帳を見せられないと言う制約の中、警察とは別のアプローチをすると言うことで、今までの「警察小説」にない新たな感触を持ちました。
しかも、精神的な病気療養中と言うこともあってか、非常に人間を見る眼が優しく、愛情に溢れた感じを受けます。
そのお陰で、非常に読者に訴えかけるものの多い作品になっているような気がします。

一方で、休職中とは言え、やはり警察組織の情報を入手せざるを得ないと言う意味では、完全な「私立探偵」足り得ないところが残念でした。
こうしたことは、先に、斎藤栄も試みていますが、そちらも警察OBと言うことでの情報入手を前提にしています。
そうした「情報」面での壁が破れない限り、日本での「私立探偵」による推理小説と言うのは、なかなか難しいのかも知れません。

いずれにしても、小説としては十分に堪能できる作品集でした。