マイマイ新子 (新潮文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #109753 / 本
- 発売日: 2009-03-28
- 版型: 文庫
- 345 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
新子は九歳。気持がざわざわすると、額の真上のつむじ(マイマイ)が立ち上がる。社会が未来への希望に満ちていた昭和三十年、空想好きでお転婆の新子は、友達と一緒にどこまでも野原を駆けていく。毎日が終わらない冒険だ。けれどもきらめく少女の世界の向こうから、もっと複雑な大人の世界が囁きかけてきて…。誰もが成長期に感じる幸福と不安とを瑞々しく描く、鮮度100%の物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
高樹 のぶ子
1946(昭和21)年、山口県生れ。東京女子大学短大卒。’84年「光抱く友よ」で芥川賞を、’95(平成7)年『水脈』で女流文学賞を、’99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
多くの人に読んで欲しい
雑誌クロワッサンに連載されていた作品であり、全340ページに26の短いエピソードが連なっている。
舞台は「もはや戦後ではない」といわれた昭和30年、山口県防府市。主人公は、頭に2つの「つむじ」(マイマイ)のある小学3年生の女の子。あとがきによれば、主人公の新子は「9歳の私自身であると同時に多くの日本人でもある」とのこと。
物語は春に始まり、次の春で終わる。元気がよく、感性の豊かな新子が、さまざまに、感じ、考え、行動したことをいきいきとした筆致で書いている。
私が特に感心したのは、新子がどの場面でも自分で考え一所懸命に生きていること。そして、戦争の名残や様々な大人の事情(ネタばらしになるので具体的には書きません)によって、1年のうちにずいぶん成長していくさまが書かれている。どのエピソードも、安易な納得や結論はなく、「ああ、そういえば、あの頃は、毎日がわからないことや納得のいかないことばかりだったなあ」と思い起こさせる。
戦後のまだ折り目正しい礼節のあった時代であり、新子の周りの大人や子供たちも、ちゃんとしっかりと生きている。私は、登場人物のそれぞれに共感しつつ読んだ。
ひさしぶりに、後味のよい、しみじみと共感できる本を読んだという感じがする。私のような年代だけでなく、多くの若い人にも読んで欲しい本である。
千年の魔法
『マイマイ新子』です。2009年にアニメ映画化されました。
昭和30年の山口県の田舎町を舞台にした、9歳の少女の成長物語、ということになると思います。全26個の短いエピソードの連続という形です。
なんといっても描写が細かく、豊かな自然、昭和30年という時代をノスタルジックに描いています。主人公が9歳の女の子ですが、非常に感性豊かというのが出ています。その主人公が周囲の環境の影響を受けながらも、自分で考えながら真っ直ぐに答えを出しつつ成長してゆく様がしっかりと描かれているのは良い部分だと思います。
文体も平易で、主人公と同年齢の読者を意識した、児童文学のような感じです。
ただ、この手の作品において、「豊かな自然描写」「ノスタルジーを前面に押し出した雰囲気」「子供の健やかな成長」というのは定番といいますか、こういう要素は宮崎アニメあたりがどうしても有名です。
それらの要素を備えた中で、上乗せとしてストーリーなどで面白さを出せるか、がポイントと思われるのですが。
本作は、26個のエピのそれぞれが、小学生の絵日記という感じでした。もちろん日記としては優れた描写でレベルは高いのですが、物語としては、「こんなことがありました」ということの連続なので、どうしても「だから何なんですか?」という思いを抱いてしまいます。つまりストーリーにおいてエンターテインメント的な要素が物足りないということです。宮崎アニメのような壮大なファンタジーや大きな山場があるわけでもないですし。
とはいっても雰囲気やノスタルジーを味わいたい人にとっては良いと思います。





