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太陽 [DVD]

太陽 [DVD]
監督: アレクサンドル・ソクーロフ

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おすすめ度:

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  • Amazon.co.jp ランキング: #15560 / DVD
  • 発売日: 2007-03-23
  • アスペクト比: 1.78:1
  • ディスク枚数: 1
  • 形式: Color, Dolby, Widescreen
  • オリジナル言語: 日本語, 英語
  • 字幕: 日本語
  • 実行時間: 115 分

エディターレビュー

内容紹介
「太陽」は、戦争という悪夢の中で引き裂かれる、ひとりの人間の苦悩と孤独、そして、彼の愛する家族をめぐる映画である。
悲劇に翻弄され、傷ついたひとりの人間。彼の名前は、昭和天皇、ヒロヒト。

ベルリンを始め各国の映画祭で上映され絶賛の声が上がるも、日本での公開は不可能と言われた"人間として昭和天皇"を描く衝撃作!多くのタブーを乗り越え奇跡の全国劇場公開!最終的には100館を超える超拡大ロードショー。2006年最大のヒット作品がついにDVD発売決定!!

【ストーリー】
彼の名前は、昭和天皇、ヒロヒト。1945年8月。その時、彼は庭師のように質素な身なりをしていた。宮殿はすでに焼け落ち、天皇は地下の待避壕か唯一被災を免れた石造りの生物研究所で暮らしていた。人は、彼を神の子孫だと言ったが、天皇は「私の体は君たちと変わらない」と言った。戦況は緊迫していたが、彼は戦争を止めることができなかった。その苦悩は悪夢に姿を変え、午睡の天皇に襲い掛かる。 うなされるように目を覚ます天皇の孤独。彼は「私は誰からも愛されない」と呟き、遠く離れて暮らす皇后と皇太子たちのアルバムに唇を寄せた。日本はまだ闇の中にある。やがて連合国占領軍総司令官ダグラス・マッカーサーとの会見の日が訪れる。彼はひとつの決意を胸に秘めていた・・・。

【商品仕様】デジパック+スリーブ仕様
カラー/本編115分/2005年/ロシア・イタリア・フランス・スイス/片面2層/16:9ビスタサイズ/5.1chドルビーデジタルサラウンド

【スタッフ】
監督・撮影:アレクサンドル・ソクーロフ
脚本:ユーリ・アラボフ
音楽:アンドレイ・シグレ
編集:セルゲイ・イワノフ
出演:イッセー尾形、ロバート・ドーソン、桃井かおり、佐野史郎、田村泰二郎、ゲオルギイ・ピツケラウリ、他

【映像特典】
オリジナル予告、劇場予告

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   ヒトラーやレーニンも自作の題材にしたアレクサンドル・ソクーロフ監督が、昭和天皇を主人公に、終戦の年、8月15日の前後を描く。空襲から逃れるため、地下室で生活する天皇(=ヒロヒト)が終戦を決意する苦悩に焦点を当てながらも、ヘイケガニの研究に安らぎを求め、訪れる米軍兵士に「チャップリンに似ている」と言われて喜ぶ姿など、人間としての天皇を映像化。日本人にとって興味深い仕上がりだ。
   イッセー尾形は、口をもごもごさせる仕草など、本人の癖を巧みに採り入れつつ、人間味溢れるヒロヒトを好演。侍従らとのやりとりでは笑いも誘う。ソクーロフ監督はセピア調の映像で当時の雰囲気をかもし出し、夢の場面で魚が爆弾を落とすなどシュールな描写も挿入。外国人が描いた日本にしては違和感が少ない。天皇の描写を含め、さまざまな意味で問題を投げかける作品ではあるが、人間になることを許されなかったひとりの運命として観ると、これほどインパクトの強いドラマも少ないだろう。多くの葛藤はラストで、皇后役、桃井かおりの一瞬の表情に凝縮されるのだ。(斉藤博昭)

内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『エルミタージュ幻想』で知られるロシア映画界の鬼才、アレクサンドル・ソクーロフが、敗戦直前から人間宣言に至るまでの昭和天皇の孤独と苦悩を描いた問題作。昭和天皇役のイッセー尾形ほか、豪華俳優陣が共演。


カスタマーレビュー

「あ、そう」の美学3
 観て、まずとても賢い選択を採ったと。なぜなら、この映画が何故2年に渡って警戒されてきたのか理解できないほどに、昭和天皇だけにピントが合わせられた作品だったからです。私はもっと、「終戦時の混乱」もピリピリ伝わってくるような作品だと思っていました。
 だとしたら、観客の意見が真っ二つになる恐れがありました。そして彼はそれではいけないと思ったのか、外国人監督という立ち位置を意識してか、単純に昭和天皇そのものにしか関心が無かったのか、「ヒロヒト」に迫り続けました。

 その試みは奏功していて、イッセー尾形の、淡々と、そして完壁にこなされた演技の端々から、「ヒロヒト」の人間臭さを感じ取ることができました。たまにひいてしまうくらいに。その一端が「あ、そう」。聞いた話によると、昭和天皇には数種類の「あ、そう」があったそうで、近臣はそれで陛下の御心を感じ取っていたそうです。こういう奥ゆかしい、簡潔なコミュニケーションに憧憬をおぼえます。
「実際の昭和天皇がこんな人だったのか」と盲目的に信じたりもしませんが、ユーモアがあり、慈愛があり、どこまでも謎めいている。そんな「ヒロヒト」の旅へ、ソクーロフと一緒に出かけるのも良いんじゃないんでしょうか。

今ひとたびの僥倖5
この作品では、戦後に制定された「日本国憲法」に規定された「象徴天皇」をまさしく先取りしているような、「主体」を生まれながらにして剥奪されているとも言える存在として描かれているように思う。
「皇国史観」という虚構によって、「現人神」― そこには自らのレゾン・デートル(=存在理由)を「神格」でしか引き受けることのできなかった悲(喜)劇的な人間像が浮かび上がる。
象徴としての 「愚者」― つまり、真の賢者とは、まさしく幼子のように無垢であるということ・・・であろうか ― とさえ思ってしまうほどである。
そのイノセントとも言える苦悩 ― これは、もしかすると純粋無垢でアルカイックな苦悩 ― キリスト者、特にパウロの説く「原罪」の苦悩に通ずるかもしれない。
中空 ― 「うつろ」なることを日本的な「帝王学」として身に着けてきた稀有なる存在。それは、ユーモラスで愛らしく、美しくさえある。

劇中で最も印象深かったのは、米国からやってきた従軍カメラマンたちの前で、自らをあたかも喜劇王チャップリン に真似て演じてみせるかのような仕草をするシーンである。
それを傍観する侍従の苦渋の眼差し。そして、車で走り去るカメラマンたちから投げかけられる「サンキュー、チャーリー」「またな、チャーリー」という言葉が投げかけられる。
常識的に受け止めれば、この状況はあきらかに屈辱的である。
しかし、彼にはいささかの恥じらいも屈折もない。ただ幼子のような無邪気さだけがある。

作者ソクーロフは、学生時代に歴史学を学んだ。その上でさらに日本文化の深層を直覚的に掴んでいる。その深い透徹した歴史認識から、この「美しい」寓話(おとぎ話)のような「物語」をつむいだ。
これは日本人には絶対に作り得ない、むしろ、ロシア人であるからこそ作り得た芸術作品である。それは、政治的な意味というよりも、ロシア文化の深層にある、言わば、神秘主義的とも言える感性から立ち上ってくる表現ではなかろうか。
久々に深みのある味わい深い映画を堪能した。

イッセー尾形に最大限の賛辞を5
廃墟となった東京の描写以外は、
とても外国人が撮った作品とは思えぬほど
違和感のない『洋画』である。
多くの資料に当たっているであろう点は
安い典型的日本イメージに溢れたエキゾチック映画に比し
高い評価に値する。日本人が撮れないという点も含めて。

映画前半部、退避壕の中での息詰まる生活描写は
『ヒトラー〜最後の12日間〜』を彷彿とさせるが
セピア色の映像から来る印象は遥かに淡いものである。
怒鳴り散らすヒトラーの最期に比べると
カニを覗くヒロヒトの姿に、彼を知らぬ外国人は
また別の狂気を感じたのだろう。

俳優にとって、この作品への出演は社会生活を送る上のリスクであったろう。
ブルーノ・ガンツと同じリスクを背負ったイッセー尾形には
最大限の賛辞が捧げられるべきだ。