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つかのまの二十歳 (1982年)

つかのまの二十歳 (1982年)
By 畑山 博

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  • Amazon.co.jp ランキング: #1497252 / 本
  • 発売日: 1982-01
  • 形式: 古書
  • 版型: -
  • 219 ページ

エディターレビュー

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カスタマーレビュー

文庫本を持って4
大学受験を目指すクラスの中で、ただ一人の例外が本書主人公【私】であった。

私は、母と妹たちと自分が生きていくため駄菓子屋の店番と新聞配達をしていた。ほとんどそれがために学校へは行けなかった。そんなある日担任の教師から
「卒業写真の撮影にでなくてよろしい」
「卒業式も出席しなくてもいい、いや出席するな」といわれる。

この本は作者自身の体験なのだろうか、辛いものがある。

 残業しなくていい工場があると聞きそこに勤めることが出来る。夜学に行きたい私には好都合であった。しかし、初日から残業はどうかと言われ夜学のあてのない私は残業を引き受ける。

 週10時間残業・休みは第1・3日曜日

いつしか仕事に明け暮れ夜学へ通う希望は薄れていった。

日曜の休みに読書会らしきものに通うようになる。

下請けの下請けの工場で働き、工場が潰れたりして勤め先が変わっても変わらぬ生活であった。少しぐらいの怪我は感じなくなってしまっていた。しだいに体も心もボロボロになっていく。

目に鉄の粉が入り取ってもらう。
「私の目の中には、両眼でもう2,30個入ってるんです。もっと大きくて光って、とがってるヤツもです。仕事場の方の目医者さんでは取れなくてそのままになっているものだけでも9回はあったんです」

こんな貧しく苦しい生活の中で私はいつも文庫本を持っていた。

工場をやめる決意をする。

本書の最後に
【工員ぐらしをやめて、これから書きはじめようといている何か。ばくぜんとそんな目標みたいなものだけは抱いていたが、成算はまるでなかった。ただ私には、今いる自分がこの先どう変わろうとも、これ以上失うものは一つもありやしないのさという、ぎりぎいの誇りだけがあった。】
と、書かれている。

この本はとても重い。文字の一つ一つが連なり文になるのになぜこの本は重く・暗く・そして辛いんだろう。
元請の賃金闘争の影響で私の賃金が下がり、働けど楽な生活は得られない。そんな人たちが細く弱い柱ではあるが日本を支えてきたのかもしれない。

作者:畑山博さんは宮沢賢治を愛し
1972年(昭和47)第68回 芥川賞を
『いつか汽笛をならして』で受賞されました。