春の日は過ぎゆく [DVD]
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おすすめ度:
商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #87303 / DVD
- 発売日: 2006-12-22
- アスペクト比: 1.78:1
- ディスク枚数: 1
- 形式: Color, Dolby, DTS Stereo, Limited Edition, Widescreen
- オリジナル言語: 韓国語, 日本語
- 字幕: 日本語
- 実行時間: 113 分
エディターレビュー
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
『八月のクリスマス』のホ・ジノ監督が、ユ・ジテとイ・ヨンエの共演で描いたラブストーリー。録音技師の青年と、DJ兼プロデューサーのバツイチ女性との切ない愛を繊細なタッチで描く。“洋画マル得キャンペーン”。
内容(「Oricon」データベースより)
離婚経験のある女性と、年下の男性の切ない恋いを描いた、愛に揺れる男女の心をリアルに描いたラブ・ストーリー。
カスタマーレビュー
息遣いの映画
このことを指摘している評を寡聞にして聞かないのだが、この映画は「息遣いの映画」である。通常の台詞や効果音のみならず、全般的に音の控えられたこの映画では、マイクは俳優の細かな息遣いを拾っている。いや、もしかしたらホ・ジノ監督は意識的にその呼吸音を、シナリオの行間をフィルムに焼き付けようとしたのかもしれない。
目を凝らしても特殊なカットは一つも存在しない。そこにあるのは日本によく似た韓国の街と自然の風景だけだ。だからこの映画を感じるためには目で見るのではなく、耳で観てとらなくてはならない。揺れ動く男女の感情の物語でありながら、ほとんど語られることのない人物の内面。その心の襞を最も雄弁に語るのが、二人の息遣い、そしてウンスことイ・ヨンエのハミングなのだ。聴こうと耳をそばだてなければ聴こえない相手の息遣い、もしかしたら相手のそれが聴こえなくなった時に二人の関係は静かに融解してしまったのではないだろうか?
奇をてらわない淡々とした語り口は、ホ・ジノ監督の敬愛する小津安二郎や、平田オリザら「静かな演劇」を思い起こさせる。この映画では、録音技師サンウが拾う、竹の葉が風にそよぐ音、雪が降り積もる音、川のせせらぎ、波の音そして秋風にススキがなびく音など松竹の最新録音スタジオで編集されたSEが、もう一人の主役として大事な役割を担っている。ホ・ジノ監督は「八月のクリスマス」ではモノローグを心象描写に使っているのだが、「春の日は過ぎゆく」ではモノローグがない分、風景+SEで心象を語っていく。それはもちろん押し付けがましいものではない。だから風景に心を開いていなければ、その意図を受け止められるものではない。
判りやすく、面白く、予定調和的なハリウッド映画に慣れた目にはずいぶんと不親切な映画であろう。ストーリーも、背景も、行動原理さえも画面から明確に語られることはない。観客は控えめに提示される物語のカケラを懸命にかき集めながら、語られない物語に耳をすまさなければならない。それはまた自分の内面との対話でもある。恋愛が、人生が、もともと予定調和的な直線的進行を拒むものである以上、そしてはっきりとしたオープニングもエンディングも用意してくれない以上、この映画はまた限りなく「リアル」で胸に沁みいるものに相違ない。人は、自分の中の風景にしか感動できないものなのだから。

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