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Deep River

Deep River
宇多田ヒカル

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おすすめ度:

曲目リスト

  1. SAKURAドロップス
  2. traveling
  3. 幸せになろう
  4. Deep River
  5. Letters
  6. プレイ・ボール
  7. 東京NIGHTS
  8. A.S.A.P.
  9. 嘘みたいなI Love You
  10. FINAL DISTANCE
  11. Bridge (Interlude)

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  • Amazon.co.jp ランキング: #6074 / ミュージック
  • 発売日: 2002-06-19
  • ディスク枚数: 1
  • 実行時間: 54 分

エディターレビュー

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   1stアルバム『First Love』は970万枚、2ndアルバム『Distance』が534万枚(2002年4月現在)と、前代未聞のビッグセールスを続ける宇多田ヒカルの3rdアルバム。
   ピアノ&ストリングスアレンジによる感動的なラヴソング<10>、前向きなメッセージを込めたダンサブルナンバー<2>、<一生大事な歌>と本人がコメントする、自らの本名<光>をタイトルにした<12>、ラテンテイストのNTTドコモCMソング<5>(シングル<12>のカップリング曲)、優しいサウンドで歌う失恋ソング<1>の先行ヒットに加え、幸せになりたいと願う軽やかなテンポの<3>、恋愛の駆け引きをベースボールにたとえるクールなナンバー<6>、女の子の複雑なハートをつづったミディアムR&Bチューン<8>と、アルバム曲も大充実だ。(速藤年正)

内容(「CDジャーナル」データベースより)
“R&B”という枠を完全に越え、真摯な表現者としての第一歩を刻み始めたサード・アルバム。自らの内面をさらけだしたリリックは、現代を生きるすべての人間にまっすぐに突き刺さってくる。どことなく和的なムードを漂わせるソングライティングと奥行きを増したアレンジも、美しい。★

内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
前作『Distance』がリリースされたのは2001年3月。デビュー・アルバム『First Love』のリリースから丸2年を費やした超スロー・ペースぶりに、宇多田自身が「遅いよねー。“次はいつ出すから、早く書いてこい”なんて誰も言わなくて、私が“そろそろできそう”って言うと、そこからレコーディングのスケジュールが組まれるって感じだったから、怠けたつもりはないけど、せかされなさすぎ」と雑誌『non-no』のインタビューで言っていた。今回は1年3ヵ月ぶりのリリースということで、やや早産。これ以上あけすぎるとシングル・ヒットがたまって、へたをすればベスト・ヒット・アルバムになる恐れも出てくる。「SAKURAドロップス」に始まり「光」で締めくくられる贅沢な取り合わせの中に、「むしろこっちのほうにこそ宇多田の魅力がひしめいているのだ」というファンの気持ちを十分に満たすアルバム新曲が差し挟まれて、身長・体重ともにバッチリ。「元気な赤ちゃんが生まれましたよ」と言いながら「末恐ろしい子供になるわ」と裏でつぶやく助産婦さんの姿が見えてきそうだ。
先のインタビューの中で「生き方にたとえれば、林檎さんが計画妊娠だとしたら、私はできちゃった結婚系?」とかって面白いことを言っているけれど、でも果たしてそうかなあ。「できちゃった」にしてはできすぎていると思うけど。自然のままと言われればそう思うしかないのかな。どうして音楽をやっているのかという問いに「どうあっても避けられない運命」と答える彼女が、「光」では“運命の仮面をとれ”と歌い、「東京NIGHTS」では“運命の出会いを待ちなさい”と歌っている。運命に抗おうとする姿というのはたしかに彼女には微塵も感じられないが、運命に弄ばれる姿というのも彼女の中にはない。むしろ運命を弄ぶ不敵さ、“確信犯的できちゃった結婚系”のしたたかな演出に、なすすべなく観念するしかなさそうなのだ。 (野中映) --- 2002年07月号


カスタマーレビュー

派手さはないが味わい深い作品5
初めて聴いた時は1st、2ndアルバムと比較して地味な印象を受けましたが
実は聴けば聴くほどに味がでる、奥深いアルバムだと思います。
実際最近、久々に聴いてみたら1曲1曲が味わい深くてよかった。

メロディーラインが美しい『幸せになろう』、歌詞が深い『DEEP RIVER』
どこか懐かしく新鮮な『東京NIGHTS』、とても難しそうな曲『嘘みたいなI Love You』など
シングル曲以外も とても大人っぽく深みがある曲揃いですが 
ラストに『光』という構成がとてもいいと思います。癒されますね。
全体的に“経験を重ねてより彼女が大人になったな〜”と感じさせてくれます。

彼女の切ない声と美しいメロディー、歌詞のセンスが好き。言葉の使い方が流石ですね。
DEEP RIVERは大人が聴いても十分楽しめ、共感できる作品だと思います。

彼女の精神性の高さ・哲学的な作品5
 「暗闇の奥の深淵をのぞくと、同じように深淵の向こうからもこちらを見つめている,それは私自身に他ならない。」
 これは有名な哲学者の言葉だったと思いますが、作品中の彼女の歌詞にも韻を多く踏んだ哲学的なことばが多くあります。私も彼女と同じ10代だった頃、このアルバムを聴いてその精神性の高さに驚いたのを覚えています。写真家の紀里谷氏が撮った写真も秀逸で、一面モノクロームで切り取られた彼女の身体の一部も、静かな彼女の生命力を感じさせるように仕上がっています。
 彼女の母親が昔、歌詞の中で歌っていたように彼女には暗い歌が似合ってしまう。恋愛も同じで、相手とのDistanceを感じるからこそ、創造性が増すのであり、満たされないような渇望感が逆に創作の原動力となるのではないだろうか。

河、押し流すようにいつか全てを受け入れる海へ 5
ファンではない自分だが、この時期の詞の深さが魅力的に映り、そして今作の
白黒の写真と「DEEPRIVER」という主題を見て、買おうと思った。というのは
2点。白黒写真とは被写体の精神を写しだすものだし、そして「DEEPRIVER」
という題は元々黒人霊歌に有名な望郷の曲があり、その二つから彼女の精神の
深い河を見ることが出きるのではと思ったのだ。(※深い河とはヨルダン川
で、その果てのカナンの地{約束の地}を夢見、天国を夢見た奴隷たちの魂を
歌う曲)

聴けばどの詞も、女の文学的色彩感覚が溢れていて驚いた。幸せに向い顔を上
げて歩くヒロインが描かれても、何処かことばの世界観に「あはれ」儚さや切
なさも感じさせられる。一方でこえの繊細さが、そのことばたちのしなやかさ
に相応しい表現となり、それらにいのちを与えていた。
こうして気付かされたのは、彼女の楽曲が優れているのは、類稀な旋律やリズ
ムのライティングセンスのみならず(ノリだけなら他に吐いて捨てるほどあ
る)、ある種の「暗さ」(しかも極めて女性的な)を奥底に湛えているからで
はないか。普段気丈に振舞う子ほど、内側に繊細な感覚と闇を持ち合わせる。
そこから発する彼女の歌声は前向きな歌でも、きゃぴきゃぴせず落ち着き、詞
は現象を俯瞰した冷静さを秘めている。そうかと思えば葛藤の純粋さも光る。
そういう内省的な詞中のヒロインは、小説の一場面を鋭く切りとった描写力に
生きており、リスナーは目を閉じるとそのヒロインと共に感じ、疾走し、次の角を
彼女と共に曲がりにゆくのだ。

今作は、宇多田という作家が既に大成功を収めた人間なのに、何処かこころ満
たされない空の部分があり、それを埋めようかという風に詞がどんどん深くな
っていることを感じられる。そのストイックな姿、空からの引力に吸い寄せら
れる魅力が今作だ。