ジンターナショナル
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #327906 / ミュージック
- 発売日: 1996-06-23
- ディスク枚数: 1
カスタマーレビュー
表題曲「インターナショナル」を聞いて
最近あまり聞かれなくなった労働歌、たどたどしい少年鼓笛隊、中年から老年にさしかかりつつあるおじさんの枯れた歌声という三要素の見事なコラボレーション!発表当初は、ピストルズのアナーキー・イン・ザ・UKにも劣らなかったであろう血涙奔騰の「インターナショナル」が、長谷川等伯の水墨画にも似た枯淡の味わいを醸しだしている。このような芸術性の高まりは、一にかかって大工哲弘の歌声から生み出されている。メーデーのデモの帰りに一杯飲み屋に立ち寄って、コップ酒を引っかけてはいるが、まだ焼酎までは飲んでいないほろ酔い加減。彼の歌声には、往年の古今亭志ん生の大津絵もかくあらんか、という「あわれ」が感じられる。
全共闘世代は、この曲を聞いて奮い立ち、決起するだろうか。あるいは、過ぎ去った青春を悔い、老いた己の姿に涙するのだろうか。いずれにもせよ必聴の一曲である。
追伸、同アルバムに収められた中の一曲「愛の子守唄」は、自動車運転中には聴かないでください。涙で前方が見えなくなります。
声の力。
大工さんの声が好きです。
その大工さんが、ニッポンの古いうたを唄っています。
大工さんの唄によって、ニッポンのうたが再発見されている、
そんな作品です。
ワークソングもあれば、流行歌もあります。
バックではストラーダの面々や、
”たま”のメンバーが楽しそうに楽器を鳴らしています。
とにかく、「ゴンドラの唄」を聴いて下さい。
~いのち短し恋せよ乙女・・・
聴いてよかった、と絶対に思います。
日本人なら、絶対に思います。
そして、「生活の柄」。
これも、世界は違いますが、とっても素敵です。
ヘタウマではなく
大工哲弘の唄は本当にヘタである。それがよくわかるのは二枚組アルバム「蓬莱行」であり、ここでは「この唄でオカネ取っちゃっていいの?」レベルの唄が連発されており、笑える。ここまでヘタだと、リスナーとしては疑って掛からなければならない。つまり、彼の狙いがこのヘタな唄を聴かせることにあったのだとすれば?
もうひとつ着目すべきは、大工哲弘の「ジンタ」シリーズは、同じくチンドン・バンドを名乗っているソウル・フラワー・モノノケ・サミットとレパートリーがかなり重なることである。大工は、このモノノケ・サミットのデビュー作「アジール・チンドン」に推薦文を書いており、この両者がお互いを認めあっていることが伺える。
以上から考えて、筆者がこのアルバムで着目すべきと考えているのは、「インターナショナル」と「生活の柄」のふたつである。二十世紀の日本で一番愛唱されたかも知れない前者を、大工の歌唱はまさに「鼻歌」にしてしまう。これを筆者がはじめて聴いた時、まさか音楽で生業を立てている人間のものとは思えなかった。まあ、大工は厳密にはプロの歌手とは言えないから、その感想は半分は正しかったわけだが、この本当に酒を飲みながら録音したんじゃないか、という疑いすら持たれてもしかたのない調子で唄うことによって、彼は何を目指したのだろうか? 全共闘・60年安保を揶揄したものでないことは確かだろうが・・・
「生活の柄」は、モノノケ・サミットによっては録音されていない。これは大工に敬意を表したものではないのだろうか? この山之口貘の詞を<<絶唱>>する大工に共感を持てるかどうかがこのアルバムの評価を決定するものだろう。

