晩春 [VHS]
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #4007 / ビデオ
- 発売日: 1991-05-29
- ディスク枚数: 1
- 実行時間: 108 分
エディターレビュー
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戦後の小津安二郎監督作品のスタイルを形作った意味で、最初の記念碑的意味合いを持つ作品。北鎌倉に住む大学教授(笠智衆)が、婚期を逃しかけているひとり娘(原節子)を、寂しさをこらえて嫁に出すまでの物語。
特にドラマティックなエピソードが羅列されるわけではなく、淡々とした静けさの中から日本的侘び寂びの奥深い精神美学を通した人間讃歌が、家庭劇として見事に描出され、日本人離れした美しさの原節子がその世界観に溶け込むことで、また新たな美が醸し出されていく。嫁ぐ前の夜、親娘が語らい共に枕を並べるシーンは、今や世界映画史的名シーン。以後、彼女は小津作品を象徴する存在となった。キネマ旬報ベスト・テン第1位。(的田也寸志)
カスタマーレビュー
父娘の情愛と別離。究極の表現。
やもめの父親と娘の二人暮し。娘は28歳、父親は55歳。現在の男女関係をから判断すると信じられないような世界だが、わたしは失われつつあるとはいえ日本人の美質につながる父娘関係に思われる。真面目、勤勉、清廉、多くの日本人がそうした性質を肯定的に捉え、事実そうだった。この映画が女優・原節子の小津作品初出演だと記憶しているが、輝くような美しさである。まるで菩薩のようで、目が特に美しい。父親はそろそろ嫁にやらなければと思うが、娘はなかなかうんとは言わない。それどころか、このままずっと父親と暮らすのが一番幸せという。父親は一芝居うち、再婚を匂わせ、顔合わせのために能を観劇し、相手らしき女性も居合わせる、という一芝居打つ、どなたかも書いていたが、このときの原節子の目は凄い。怒りと嫉妬の入り混じった目だ。それでも、娘はとうとう結婚を承諾し、婚前に二人して京都に小旅行に行く。宿でそろそろ寝るころ、娘はもういちど父親に「お父さんと一緒にこのまま一緒に暮らすのが一番の幸せ」と懇願するが、父親は静かに娘を諭す。このときの原節子の演技は素晴らしい。鬼気迫る感じがあった。一番好きなシーンでもある。東京に帰り、婚儀を終えて自宅に帰った父親は寂しそうだった。一人林檎の皮をむぎ、林檎の皮が途中でぽとりと落ちる。死が等しく誰にもおとづれるように、どんな家族にも別れは避けられない。しかし、こうした家族、親子間の情の通い合いは日本的な世界と感じる。何度観ても見飽きない。日本映画の黄金時代の名作の一本であることは間違いない。
色褪せない小津ワールド
鎌倉、北鎌倉、銀座を舞台に小津監督のローアングルによる日常風景が今も色褪せる事なく生き生きと時代を超えて心に響きます。特に原節子の視線の演技はまさに女性の内面をさらけ出しているように思います。もちろん当時の戦後間もない世間一般の生活とはかけ離れているという批判はあるようですが、映画の中にも、しっかりと裸足で野球をする子供たちや車を珍しがる子供たちが登場しています。今から50年以上も前に出来た映画とは到底思えない気がします。市川監督の作品も併せて見られるとさらに小津監督の作品が日本の映画界や社会に与えた影響がわかるような気がいたします。
娘の結婚 小津安二郎生誕100年記念『晩春』より(リメイク)市川崑/監督 2003
怪作!
戦後小津映画の代表作の一つ。
・・・・にしては、小津監督に対する「常識的」とか「端正」という一般的な評価(偏見?)から最もかけ離れたタイプの映画。
その原因は小津を象徴する女優でもある、原節子の恐るべき力演にあると思われる。
あどけない少女のような純真さを持ち、それ故に獣のような執着心をも併せ持つ女。
能のシーンで父親(笠智衆)の再婚相手(三宅邦子)に向ける豹のような視線は怖すぎる。
彼女の父親に対する近親相姦ギリギリの愛情表現は、よくまあ当時の映倫審査を通ったな、と訝しく思ってしまうほど。
小津ファンの間では、彼女の強烈すぎる存在が映画自体を破綻させてしまっていて、
ストーリーに説得力がない、という批判も多い。
しかし、またその原節子の存在によってこの映画は躍動感に満ちて美しく清新なものになっている、とも思える。
今ひとつちぐはぐ感が拭えない選曲など、戦後の小津作品の中では
「麦秋」「東京物語」などの他の名作群に完成度で一歩劣るものの、
ドラマとしても高級感があり見ごたえ十分な作品。
「小津なんて退屈なお芸術映画作家でしょ?」と思ってる人にこそ見て欲しい怪作。

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