ユーラシアの風景―世界の記憶を辿る
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #369009 / 本
- 発売日: 2002-08
- 版型: 単行本
- 181 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
ユーラシア旅行社発行の冊子「ユーラシアニュース」の連載をまとめた写真エッセイ集です。中国、ペルシャ、インド、小アジア、ロシア、北欧など、著者自身の撮影による作為のない写真と慎み深い言葉で綴られた、著者の作品群からみると異色の作品といえます。
内容(「MARC」データベースより)
中国、ペルシア、インド、小アジア、ロシア、北欧など現代文明の深層に通じる古い精神文化や自然の畏ろしい力と向き合って生まれた言葉と写真は、私たちの魂の深いところに働きかけてくる。世界の奥行きと深層を凝縮して示す。
出版社からのコメント
日野啓三は、芥川賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞、日本芸術院賞など数多くの受賞歴をもつ日本を代表する作家の一人ではありますが、著者自身が撮影した写真がエッセイとともに発表されるのは初めてです。あるものは懐かしく、あるものは新鮮で、著者の手にかかると、暗い世界も、明るい世界も、不思議な美しさを漂わせます。それはまさに著者の魂の陰影の奥深さの成せる業であり、生涯を通じて命がけで<言葉>と格闘してきた芸術家が到達した凄みと洗練と純粋が混じり合う稀有なる創造物になっています。
カスタマーレビュー
風景がどれほど広くても、人が経験しているのは「その場」でしかないということ、その匂いを
2002年に亡くなった作家・日野啓三さんが遺したユーラシア旅行の写真と短文をまとめたものです。もとはユーラシア旅行社の「ユーラシア・ニュース」での連載だとか。日野さんの小説をあまり知らないので申し訳ないのですが、じつにいろいろな場所に旅した人だと、びっくり。ちょっとだけ下の世代でいうと、池澤夏樹さんがいちばん近いタイプでしょうか。ちょっとパレオマニアック(古代好き)で、人類史の全体をつねに視野に入れていること、自然と人為の境界にきわめて敏感なことなども、共通した感受性を感じさせます。「もともと旅行好きではありませんが、自分でもよくわからない力に駆り立てられ」地球上のいろいろな場所を訪れた、そうです。旅行好きではない人間の紀行文というジャンルがどうやらあって、それは逃れがたく「思索の旅」になるみたいな気がしました。写真は、さすがに写真家の写真とはちがいますが、いくつか非常に喚起力のあるものがあります。たとえば159ページ、「ホータン郊外の白玉河畔」。陶然とします。でも視覚が暴走することを、作家はきちんと抑制しているのが、すごいと思う。「初めての場所では目を凝らすより深く息を吸って、そのにおいを体の深くで嗅ぎとるように、自然にしている。あらゆる場所がその気配をおびているように、あらゆる場所にそのにおいがある」(158ページ)。光の痕跡は写真としてもちかえれるけれど、匂いの痕跡は、ただ記憶の中に刻んでおくしかないんだなあと思いました。




