漱石という生き方
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #354157 / 本
- 発売日: 2006-05-02
- 版型: 単行本
- 370 ページ
エディターレビュー
内容紹介
ただ作品に寄り添ってその声を聞き取ろうとするとき、心臓を割って血潮を浴びせかけるように書いた漱石の、必死の姿が立ち上がる。
最も多くの自筆原稿に触れ、画期的な最新版『漱石全集』(1993年刊行開始)を編纂した元岩波書店編集者が、全作品はもとより、書簡・日記・談話などに残されたわずかな痕跡の意味を掘り起こし、漱石が考えたこと、表現しようとしたことの本質に迫る。
◇2006年5月刊行・現在(2009年8月)第4刷◇
内容(「BOOK」データベースより)
ただ作品に寄り添ってその声を聞き取ろうとするとき、心臓を割って血潮を浴びせかけるように書いた漱石の、必死の姿が立ち上がる。最も多くの自筆原稿に触れ、画期的な『漱石全集』を編纂した著者が、全作品はもとより、書簡・日記・談話などに残されたわずかな痕跡の意味を掘り起こし、漱石が考えたこと、表現しようとしたことの本質に迫る。
内容(「MARC」データベースより)
最も多くの直筆原稿に触れ、画期的な「漱石全集」を編纂した著者が、全作品はもとより、書簡・日記・談話などに残されたわずかな痕跡の意味を掘り起こし、漱石が考えたこと、表現しようとしたことの本質に迫る。
カスタマーレビュー
読み込んだ人ならではの「引用のみごとさ」
もしかすると、世界でいちばん何度も漱石を読んだ人かも知れない著者が、あらためて漱石の作品を丁寧に読んでいきます。途中いろいろと寄り道もしますが、それらも『漱石全集』編纂のエピソードとして興味深いものです。
本書全体の道筋は、『心』の登場人物である「先生」が「私」に遺書を書いたときのような気持ちで、漱石自身が『道草』を書いたという「読み」に沿っています。著者はその気持ちを、可能なかぎり「偽りなく」書き伝える、それも実際に起こった本当のことよりももっと「偽りなく」書こうとする心だとします。
どうしたらそんなことができるのでしょうか? これだと指差して示せるような答えは、本書には書かれていません。あえて言えば、矛盾に満ち錯綜した生きることそのものを描きつくすこと、とでも言うほかはなく、すぐれた小説がどれもそうであるように、答えは『道草』全体である、ということなのでしょう。
ちなみに、全体で41節から成る本書の、20節には「まとまらないということ」、39節には「片付かないということ」という表題が付けられています。
ある意味ではあたりまえとも言えるこの「読み」を読者に伝えるために著者が採ることのできた方法は、自分が『道草』を(日記や講演記録やその他の資料も含めて)丹念に読む過程を記すことでした(この拙い紹介で、本書を書く著者の姿がいくぶんか漱石の姿に似ていることを感じていただけるでしょうか)。そして、「読み」の随所に挿入される、繰り返し読み込んだ人ならではの引用のみごとさが、本書のいちばんの読みどころです。
漱石に関心のある方でしたらどなたでも、それなりに面白く読めるでしょうが、たとえば、学生時代に漱石の主な作品を読んだことのある人が、ある年齢に達して、もう一度読み直してみようかと考えているような場合に、最適の本だと思います。




