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フェイエトン―ヤン・ネルダ短篇集

フェイエトン―ヤン・ネルダ短篇集
By ヤン ネルダ

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  • 発売日: 2003-12
  • 版型: 単行本
  • 230 ページ

エディターレビュー

内容(「MARC」データベースより)
フェイエトンはフランスに始まり全欧に流行した新聞の記事形式。文芸批評、ゴシップ、ファッション等多彩な話題を軽妙で洒脱な文体と作者の個性で読ませる。フェイエトンを短篇文学の一形式にまで昇華させたネルダの短篇集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ネルダ,ヤン
1834‐91。19世紀のチェコを代表する文学者。古都プラハの歴史地区マラーストラナに生れ育った。広範な知識と高い教養を身に付けたジャーナリストとして出発し、詩人、作家としても活躍した。19世紀ボヘミア文化の中核を成す一人であり、生涯フェイエトンを書き続けた。プラハ庶民の中に人生の根源からの声を聞いていたのであろう。文学手法、特に短篇や旅行記の手法は、後に世界的に活躍したカレル・チャペック等に多大な影響を与えた

竹田 裕子
1963年早稲田大学第一文学部露文科卒。同年チェコ共和国カレル大学哲学部チェコ語科入学。1966年同大を中退し、帰国。以後チェコ語通訳、翻訳等に従事し、現在は日本チェコ協会主催のチェコ語講座で教鞭も執っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

本当におもしろい5
 チェコ文学でいうフェイエトンとは、新聞の政治欄に載せる軽いテイストの記事であるという。文芸批評、ゴシップ、風刺、ファッションなどをミックスして、軽妙でしゃれた文体で書くのが特徴だ。本書は、フェイエトンを文学の位置まで押し上げた功労者である、19世紀の作家ヤン・ネルダの短編小説集である。

 プラハの中でも特に古い城下町であるマラーストラナ。ネルダはそこを舞台に、貧しい人々や庶民の心に残る光景や、風刺のきいた小話、ブラックユーモアの漂う物語を、見事な手際で織りなしていく。

 幸福なひとりの物乞いが、奇妙な噂のせいで転落する「疫病神にとりつかれた…」。誰一人治療したことのない医者が死人を蘇生させてしまう「藪医者」。独身の老婦人の在りし日の不思議な恋愛事件を描いた「今年の万霊節に書かれた話」など、全11話を収録。

 悲しいのに笑えてしまい、悪意に満ちているのに涙が止まらない、不思議な感覚がこの1冊には詰まっている。良くも悪くも人間があまりにも人間らしかった時代と場所の人間賛歌である。贅沢をいえば、タイトルになっているフェイエトンも数編読みたかったが、次に翻訳されることを期待して、いまは我慢することにしよう。