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三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志〈9の巻〉軍市の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
By 北方 謙三

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  • 発売日: 2002-02
  • 版型: 文庫
  • 314 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
強大な曹操の諜略に敗れた、馬超は、五斗米道軍の張衛の許に身を寄せる。劉璋の影に怯える教祖・張魯の言に従い、滞留の礼を尽くすべく成都へと向かう馬超。その先には、運命の邂逅が彼を待ち受ける。一方、孫権軍を合肥で破り、益州の劉備を討つべく漢中の侵略を目論む曹操。益州に立ち、孔明とともに曹操を迎え撃つ劉備。そして、関羽は、劉備の北征を援護すべく、荊州の大地にその名を刻む。北方“三国志”震撼の第九巻。

内容(「MARC」データベースより)
冬、滅びの季節。原野に降る雪が心を白く染める。男たちの胸に宿る夢よ、消えるなかれ。英雄の血を吸う大地は、どこまで残酷なのか。再起せよ、わが闘魂。北方三国志、震撼の第9巻。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
北方 謙三
1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長篇部門、91年『破軍の星』で柴田練三郎賞をそれぞれ受賞。近年は、時代・歴史小説の分野にも力を注いでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

感動しました。5
三国志の小説はいろいろな人が書いていますが、
中でも北方三国志は秀逸だと思います。
歴史そのものよりも、個人の感情に焦点を当てるところが気に入っています。
最後の関羽が死ぬところでは、筋書きを知っているのにもかかわらず、
不覚にも号泣してしまいました。
三国志初心者の人でも、この小説なら入りやすいのでは。

王覇論議は無用3
13巻は長かった。1度挫折していたんだが、くやしいのでもう一度挑戦した。後半、飽きてきてどうでもよくなったが、辛抱強く最後まで読み切った。

これが「三国志」じゃなきゃすばらしい作品なんだろうなあって思う。あくまでも北方さんの「三国志」なんだ。

いいところをあげればきりがないほどたくさんある。まず、戦闘シーンの臨場感・躍動感がすごい。呂布が率いる黒い騎馬集団の表現などは圧巻だ。また、心理描写もリアリティたっぷりで、さらに男気に感じさせられて涙ぐむところもあった。特に、キャラクターが死を迎える時の内的な独白がよかった。

しかし、それもくりかえされると冗長な感じが否めないのと、王覇思想に関心があるのか、そこら辺の議論がうっとうしかった。中国は覇道の国、日本は王道の国、革命を繰り返した民族と万世一系の民族では思考の根っこが違うはず。漢王室の血が400年を経て特殊なものとなり、1000年を過ぎれば神になる的な発想自体が日本的で、この小説にはそぐわない気がする。この議論は日本の皇室のものだからだ。

吉川さんの三国志には遠く及ばない気がする。

雪原に散った英傑の雄姿5
 関羽が死んだ。
 今まさに、劉備が宿敵曹操と肩を並べようとしている飛躍のときに。

 完璧であったはずの孔明の戦略。
 関羽が都に圧力をかけ、その間に雍州、涼州を奪れるはずであった。

 しかし、完璧であったことこそが、唯一にして最大の弱点。非凡な才を持つものには見えない、信義に厚いものには考えつかない、人の弱さと愚かさ。
 曹操ですら読めなかったその隙を見事についた司馬懿。同盟国の裏切り、自軍の裏切り、失くした拠点、使い物にならなくされた城。残酷すぎる罠が関羽を追い詰める。

 桃園より駆けに駆け、雌伏のときを耐えてきた関羽。
 北方謙三の筆により、見事に描かれた関羽の最後です。