獣人 ゾラセレクション(6)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #266310 / 本
- 発売日: 2004-11
- 版型: 単行本
- 526 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
19世紀、時代の先頭を驀進する鉄道を駆使した“鉄道小説”の先駆!官能の果てに愛する女を刺し殺した機関士が秘める人間の血腥い獣性を抉る。
内容(「MARC」データベースより)
官能の快楽の果てに、女性への刺殺欲望を抱く鉄道機関士。進歩の象徴としての鉄道と人間の獣性を対比する物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ゾラ,エミール
1840年、パリに生まれる。フランスの作家・批評家。22歳ごろから小説や評論を書き始め、美術批評の筆も執り、マネを擁護した。1862年、アシェット書店広報部に就職するが、1866年に退職。1864年に短編集『ニノンへのコント』を出版、1865年に処女長編『クロードの告白』を出版。また自然主義文学の総帥として論陣を張り、『実験小説論』(1880年)を書いた。1891年には文芸家協会会長に選出される。1897年暮れからドレフュス事件においてドレフュスを擁護、1898年1月、「私は告発する!」という公開状を発表。そのため起訴され、同年7月イギリスに亡命。翌年6月に帰国、空想社会主義的な『豊穣』『労働』などを書いたが、1902年9月29日、ガス中毒により急死
寺田 光徳
1947年生まれ。大阪市立大学大学院文学研究科博士課程単位修得退学。博士(文学)。弘前大学人文学部教授を経て2002年10月より熊本大学文学部教授。専門は19世紀フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
桐野夏生が好きな人ならきっと楽しめる
悪の心理、人間の奥底をゾクゾクするような筆で見据えた小説が好きな人なら、最後まで一気に読んでしまう面白さです。
最初の数ページ、鉄道駅の描写が退屈だ、などと思っていたら、急転直下するストーリィに驚いているうちに、黙示録的なラストの場面まで、切迫したドラマに満ちています。
濃すぎる男女の登場人物は、やがてこの世のものとも思えない地獄絵図を現実のものにしてしまいます・・・
蒸気機関車の黒々とした、文明の利器となり凶器ともなる鉄の巨体を女性にたとえ、苛酷な労働で、それを自在にあやつる理性的な機関士の男を主人公に据えた。しかしその男こそ、「居酒屋」ジェルヴェーズの長男であり、優しく頼れる恋人の顔の裏に、危険な素顔を隠しているのだ。
鉄道の隠喩を徹底してうまく使ったという意味で、ディケンズの「信号手」にも比肩しうる。もっと読まれてもよい、非常に重層的で、かつ情動に訴えかける小説だ。
アマゾネスのような女、フロールの嫉妬、心理の襞も、作者ゾラは女性の心理を知り尽くしたかのように、巧みにとらえている。
一人の美しく優しい女をめぐって、ルーボー、ランチエ、カビッシュの3人の男が、裁判で相見える場面で、「真実がよぎった瞬間、憂愁が空間を満たした」場面は、ずっと忘れられないと思います。
ゾラ・セレクション
150年近く前に、これだけ面白い小説があったということに本当に驚きます。19世紀は小説という芸術ジャンルの黄金時代であった云うことがうなずけます。そんな難しい評論を振り回さなくとも、読み進むのが楽しい、読書の醍醐味が味わえる本です。ゾラ自体がもっと評価されて良い作家ですし、この本は、やや高価ですが、古い岩波文庫の翻訳しかない現状を少しで改善してくれるのではないでしょうか。真に面白い「本」です。





