商品の詳細
あら皮―欲望の哲学 (バルザック「人間喜劇」セレクション)

あら皮―欲望の哲学 (バルザック「人間喜劇」セレクション)
By バルザック, Balzac

価格: ¥ 3,360 1500円以上は送料無料 詳細

発送可能時期: 在庫あり。
販売、発送は Amazon.co.jp

2 新品/中古商品価格 ¥ 2,300

おすすめ度:

商品の詳細

  • Amazon.co.jp ランキング: #358601 / 本
  • 発売日: 2000-03
  • 版型: 単行本
  • 436 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
若きラファエル・ド・ヴァランタンは、死んだ父のわずかな遺産で放蕩三昧に明け暮れたが、その空しさに気づき、裕福なロシア人女性フェドラとの恋も破れて絶望におちいり、自殺まで考えるようになる。そのような時、たまたま入った骨董屋の主人から一枚の「あら皮」をもらいうける。それは、持ち主の願いをたちまちかなえてくれるが、同時に、願いがひとつ実現するたびに縮まっていく魔法の皮である。ラファエルは豊かになり、可憐なポーリーヌと束の間の幸福な生活をあじわうものの、あら皮は木の葉ぐらいの大きさに縮小してしまう。やがてラファエルは病気になり、温泉地に行って保養するが健康は回復せず、パリに戻ってくる。そしてポーリーヌへの激しい欲望に苛まれながら息絶える。


カスタマーレビュー

読んで欲しい4
この小説を読んだ人はおそらく、ラファエル(主人公)の世界観にどっぷりとと浸かってしまうでしょう。
絶望に苦しんでいる彼に、ある奇妙な骨董品屋が魔除けをおくります。
それが「あら皮」です。この皮は全ての欲望を叶えます。
しかし願いが叶えられる毎に、その皮は縮まっていきます。そしてそれは、その皮の所有者の命を縮めることも意味しているのです。
願望は生命を憔悴させる…。
それこそが、「あら皮」の表象の裏にバルザックが私達に示そうとした、哲学的な探求の結果であると思われます。

この小説は、私が読んだバルザックの中でも、特によかったと思います。
しかし、これは他の小説のように気軽に手をつけ、あまり咀嚼せずに読むような類の作品ではないように感じます。

文章が難解であるという事ではありません。
何よりバルザックの探求した人間観についての熟考を要しています。
だから、軽い読書を望む人にはあまり向いているとはいえません。
他の人達のために。
おそらくこの本は熱中を催し、もしかすると苦悩の深遠の縁にまで、あなたを連れて行くかもしれません。

しかし本当の文学とは、そういうものであるような気がします。

面白く読める4
人間喜劇の中では最も面白く読めた作品。
ラファエルは絶望のゆえ自殺を決心するも
その直前に「あら皮」を手に入れる。
それはどのような欲望もかなえてくれるもの、
ただ欲望をかなえるごとあら皮は縮んでいき
最後あら皮がなくなるときには所持者の命を奪う。
ラファエルはそれを持って新たな人生に踏み出す。
さまざまな欲望をいきていくのであるが、
しかしそれはまっすぐなものではなく
後から考えると無駄だったと思えるような
道草を経ていくのであるが。
そして最後、それこそ自分がかなえたかったものだと
いうものにめぐり合い、それに気がつくも、時すでにおそし。
それをかなえると同時にあら皮は消尽し
絶望の叫びをあげながら愛する人のもとでラファエルは息絶える。
人生ってこんなものかな、と感じる。
社交界とかその他政治的なことがらとか
今からではあまりピンと来ない舞台で繰り広げられる
話であるものの、決してそれでも面白みを失わず
むしろ主人公の心のひだは手に取るようによくわかる感じ。
時と場所を変えても人間はそれほど変わらないのだなと
つくづく感じる。