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船に乗れ! (3)

船に乗れ! (3)
By 藤谷 治

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  • 発売日: 2009-11-05
  • 版型: 単行本
  • 237 ページ

エディターレビュー

内容紹介
『読売新聞』(11月8日朝刊)、『本の雑誌』(12月号)、『王様のブランチ』(TBS系11月14日放送)などで紹介された、2009年大本命の〈泣ける〉本!


高校の音楽科に通う主人公・津島サトルと個性豊かな仲間たち。彼らが過ごす音楽漬けの日々に、青春時代のきらめきと切なさを色濃く映し出した、本格青春小説三部作。爽快な第一楽章。

青春の「爽やかさ」と人生の「苦み」をともに描ききった、新たな「青春小説のスタンダード」として話題沸騰です。


お腹の奥のほうからじわりとこみあげてくる「苦しさ」はあった。けれど、そこには、それを圧倒する「青春」と呼ばれる時代のきらめきと、甘やかな刹那があった。
――西加奈子氏(『アスタ』2009年8月号より)

いまもっとも良質な青春小説といっていい。
――北上次郎氏(『本の雑誌』2009年8月号より)

クラシックの知識がなくても、まったく苦にならない。美しいものは切なくて、ひたむきな思いほど、哀しいのだと気づかされる。
――大崎梢氏(『朝日新聞』2009年9月6日朝刊より)


話題沸騰の青春音楽小説

3部作、ついに完結




最終学年になった津島、鮎川、伊藤らのアンサンブル。伊藤は津島に言った。「僕たちはこれからの方が大変だ。甘くない」。それぞれの心がぶつかり合い、再びふれ合った果てに訪れる、感涙の最終楽章――。

エンターテイメント性と奥深さを兼ね備え、各紙誌で熱狂をもって紹介された青春音楽小説三部作が、ここに堂々完結! 胸に沁みるフィナーレは、人生を変える、かもしれない。

2010年本屋大賞ノミネート作――

内容(「BOOK」データベースより)
各紙誌で話題沸騰&読者の反応も熱い青春音楽小説三部作。津島と鮎川、伊藤…それぞれの心がぶつかり合い、再びふれ合う―感涙の最終楽章。

著者について
1963年東京都生まれ。洗足学園高校音楽科、日本大学芸術学部映画学科卒業。2003年に『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』(小学館)でデビュー。08年、『いつか棺桶はやってくる』(小学館)が三島由紀夫賞候補になるなど、注目を集めている。著書『遠い響き』(毎日新聞社)、『二都』(中央公論新社)、『洗面器の音楽』(集英社)、『またたび峠』『恋するたなだ君』『おがたQ、という女』(以上、小学館文庫)、『下北沢 さまよう僕たちの街』(ピュアフル文庫/リトルモア)ほか。共著に、本作のスピンオフ短編が収録された『青春音楽小説アンソロジー Heart Beat』(ジャイブ)などがある。


カスタマーレビュー

名作誕生の瞬間に立ち会った喜び!5
巻を措く能わず、つまり読み始めたらやめられない。今、この本を1巻からまとめて読もうと思っている人はラッキーですね。2巻からずっと待たされてきたこちらの身ときたら!Webの連載ページで読もうにもいいとこで終るし。いやあ、待った待った。待ちくたびれた。

1巻を読んだところで藤谷治の最高傑作と確信。2巻を読み終えて、2009年読んだ小説のベストに決定。今、3巻の最後の行を読んで言えるのは、日本における青春小説の古典がひとつ生まれたということ。

音楽をテーマにした小説の例えに野球を持ち出すのもなんだが、割と変化球の得意な器用なピッチャーというイメージのあった作者が、今回は最初からストレートを投げてきた。2巻のラスト辺りは「何もそこまでクソ真面目にストレート一本でいかなくても…。いつもの軽妙なタッチに逃げればいいのに」とも正直思った。だからこそ3巻は不安だった。制球が乱れるのでは?肩が壊れるのでは?ここまで来たら最後までストレートでいって欲しいが、最後の最後で変化球に逃げるのでは?
しかし作者は最後まで投げきった。不器用なほどにまっすぐのそして重い球を。村上春樹タッチも無し。メタ展開も無し。現代の小説界には不似合いなほどどっしりとして大柄な風格を持った小説が誕生した。
もしかするとこの小説を古めかしいと感じる方もいるかもしれない。古めかしいんじゃなくて、ヘッセやツルゲーネフなんかの古典の薫りがするんだと思う。だからこの作品は10年後、20年後も読み継がれるだろう。

人は少しの喜びと、圧倒的な悲しみを経て大人になる5
 第1巻の淡い恋心(でも、そこには影があった)に自分の過去を思い出し(笑)、第2巻の
(予想以上の展開に)胸を苦しめられ、且つ考えさせられました。

 そして、完結編となる第3巻が満を持して登場。

 今まで、小説で楽しんだり、考えさせられることはありました(と言っても、読書量に
占める小説の割合は低いです)。この作品も「音楽とは何ぞや(これはメインでは無い)」
とか「人生とは何ぞや」をエンタメと言う包みに包んで読者の目の前に持って来ます。
でも、それだけでは無いのです。

 主人公の様な体験は、現実に置き換えてもレアなケースでしょう。でも、それがもたらす
結果というのは、多くの人が通って来た道、いや、今も通っているのでは無いのでしょうか?
主人公の体験に自分の経験を重ねる・・・それ故に自分の痛み、他人の痛みが、ページを
めくる手や文字を追う目から伝わって来ます。

 詳しくはネタばれになるので書けませんが、一見、何を意味しているのか?なタイトルも
そこらへんを・・・しています。

 その結果・・・イイ歳したおっさんですが・・・泣きました。登場人物のそれぞれの想いが
−作中で登場する音楽のように−それぞれによって奏でられ、そしてそれはアンサンブル=
分かり合えることもあれば、そこに至らず・・・なこともあるのです。そこら辺をお茶を濁す
こと無く正面から堂々と描いています。それに故に涙腺を刺激したのです。

 読破後、私の中に湧きあがった感情は何処までも広がる切なさでした。しかし、その切なさ
ゆえに、本作は読者の心に響くと思うのです。

 そう、舞台は作りごとでも、中身は自分が通って来た道だから・・・

附:作中に登場するクラシックの各曲。確かに知らなくても、知っていた方がより楽しめる
  のは事実です。それに藤谷氏の筆運びが上手い。知らないなら知らないで「どんな曲か?」
  と聴きたくなるのですから。

大傑作5
日本では年間約7万点の書籍が刊行されているという。
出版不況が引き起こした洪水のようなものだ。
新刊サイクルの流れはますます早くなっていく。
このうねりに酔いながらも、
駄作、良作、読まなきゃわからないものにお金と時間をかける。
そんな読書の航海がやめられないのは、
まさしく本書のような傑作に出会えるかもしれない、と思うからこそだろう。

1,2巻があまりに面白かったので、
意味もなく心配してしまったが、
文句のつけようのない見事な完結編。