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村長ありき―沢内村 深沢晟雄の生涯

村長ありき―沢内村 深沢晟雄の生涯
By 及川 和男

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  • Amazon.co.jp ランキング: #25083 / 本
  • 発売日: 2008-07
  • 版型: 単行本
  • 254 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
1961年、1歳未満、60歳以上の医療費を無料化。1962年、全国自治体初の乳児死亡率ゼロを達成。豪雪、貧困、多病多死にあえぐ岩手県沢内村にあって「奇蹟」と呼ばれる生命行政を樹立した深沢晟雄の全生涯。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
及川 和男
1933年東京生まれ。現在岩手県一関市在住。24年間の銀行員生活を経て、76年より作家活動。小説・ノンフィクション・児童文学と幅広く活躍中。日本文芸家協会・日本ペンクラブ・日本児童文学者協会・島崎藤村学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

待望の復刊です!5
類書がみんな品切れだったので、うれしい復刊です。
岩手県沢内村が全国に先駆けて無料診療を実施、また乳児死亡率0を達成するまでの経緯を記録したノンフィクションです。
豪雪地帯で冬季は交通が遮断され陸の孤島となる奥羽山脈のふもとの村では、乳幼児はおろか急病人は医師の診察も治療も受けることもなく死んでいきました。あきらめの感情を「西洋医学の否定」にすりかえながら耐え続ける村民を説得し、まずバス路線の確保のため除雪用ブルドーザーを借りることから始まった深沢晟雄村長の仕事の経緯。この偉業の思いがけない障害は雪だけではありませんでした。
静かで穏やかな文章です。だからこそ単純な感情論に至っていません。「いのちの作法」を観た方にも観ていない方にもお勧めです。

何度も涙しました。5
私自身が岩手県出身であり、沢内村についてはなんとなく耳にしていました。
色々検索して見ていたら、たまたまこの本が引っ掛かりました。

沢内村の具体的な中身が知りたかった事と、作者の及川和男さんが私の父親の知り合い(同僚)で、私自身も面識があったので購入してみました。

深沢村長の熱い思い、そして、その思いに衝き動かされ自分達の村への思いを実現する為に奔走した方々の姿に、読みながら何度も涙しました。
これがフィクションではなく、現実にあった事だと言う事にも感動を覚えました。

現在の政治に関わっている人達に、送り付けてやりたくなるようです。

最後に、深沢村長を始め、共に苦難にあたった方々、そして旧沢内村の皆様に敬意を表したいと思います。

「わたしはね、何が一番大事かといって、人間が生きること、これ以上に大事なことはないと思っているんだよ」5
よく読めばわかるが、沢内村の生命行政の奇蹟は、深沢村長一人の力によるのではない。
例えば、深沢以外にも、高橋清吉という村の国保行政一本の“役人”が登場するが、
学歴や目立った経歴もない高橋が、深沢の「いいと思ったことはどんどん言ってきなさい。
責任は私がとるから」という言葉を信じ、
保険や健康行政についていろいろ進言するところがおもしろい。

高橋の案は長期滞納者が保険料を納めたら賞品を出したり、長寿の祝いに賞金を出したり、
正直、今の感覚から見ると“?”だろう。
だが高橋の策は、意外にも次々と効果をあげる。

保険料支払いの賞品は村民に「村は滞納防止のためこんなに本気で取り組んでいる」と気付かせ
村民の意欲と村政への信頼を高め、
長寿祝い金は、大家族のなかで自分だけ働けず寂しい思いをしていた高齢者に
自分も家族のために貢献できる、という誇りをもたらした。
村の苦しみを誰よりわかっていた高橋だからこそ言えたのであり、
それを気軽に言える環境を作り、聞き、実行した深沢あってこそだろう。
ワンマン・パワーではなく、周りを引き付け、やがて全体に広げる・・
地方自治に英雄はいらない、人間的魅力が最後には勝つ、と感じた。

最後に、この本は深沢が故人となった後に書かれているが、
深沢の事績の詳細な記述は(当時存命だった)未亡人ミキさんの功績が大きいだろう。
巻頭にミキさんと深沢の新婚当時の写真があり、
眼鏡をかけた笑顔のミキさんの写真からも、その聡明さが伺えることを付け加えておきます。