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小さな男 * 静かな声

小さな男 * 静かな声
By 吉田 篤弘

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  • Amazon.co.jp ランキング: #75179 / 本
  • 発売日: 2008-11-20
  • 版型: 単行本
  • 364 ページ

エディターレビュー

内容紹介
□いまは独り身である。
□友だちはあまりいない。
□引き出しから、思いがけないガラクタが出てきたことがある。
□自転車に乗れる。
□自由奔放な弟/妹になれたら、とときどき思う。
□道に迷いがちである。
□小さなものが好きである。
2つ以上あてはまるものがあれば、どうぞページをおめくりください。
煌めくことばの宝箱。待望の2年ぶりの新作小説!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉田 篤弘
1962年東京生まれ。パートナーの吉田浩美とクラフト・エヴィング商會名義による活動も続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

日曜の深夜一時、こっそりとはじまるラジオ番組のような物語5
百貨店につとめながら、完成することのない百科辞典の執筆にいそしみ、〈ロンリー・ハーツ読書倶楽部〉に参加する「小さな男」。
「静かな声」にひそかなファンの多いラジオのパーソナリティ、静香さん。
この物語に主人公というものがあるとすれば、そのふたり、ということになる。

「ささやかなもの」を積み上げて物語をつくることの、吉田篤弘さんは天才だ。
大好きな「それからはスープのことばかり考えて暮らした」や「つむじ風食堂の夜」のころから、その世界観は変わらない。
くすくす笑いながら読みすすめて、「目にみえないところで世界はつながっているのだなあ」と心がしんとして、それから最後に、積み上げてきたすべてが頭のなかでぴぴっと化学反応を起こし、背すじがぞくぞくする。

「小さな男*静かな声」は、これまでに読んだ吉田篤弘さんの本の中でも、いちばんと言っていいほどラストがいい。
最後の一行を読み終え、静かに背表紙を閉じるころには、確実に心があたたまっている。
それが午後なら「紅茶でもいれて空を見ようかね」という気分になるし、夜眠る前なら「いい夢みられそうだ」と思う。
日曜の深夜一時、ラジオをつけると「静かな声」が自転車の魅力を語りはじめる物語の世界に、わたしも暮らしたい。

手元に置きたい5
マイペースに控えめに生きている人の「ささやかなこだわり」とか「ちょっとした思いつき」を小説した感じです。
登場人物たちは大声で吹聴するような性質でもなく、なのでこの小説はほぼ一人称のモノローグ。
日記のようです。
「小さな男」の方はこだわりと言うより信念、言い回しにも力入っていますが。
これは結構変わり者、ちょっと偏屈な小父さんではなかろうか?
でもそれだけに後半はなかなか彼にしてはダイナミックな変化が起こります。
いわく「あらたまりつつある」。
一方「静かな声」の言うことは、かなり自分とシンクロしています。
こんな女の人、わりと居るんじゃないかなぁ。
とすると「小さな男」も実在数は少なくないのかな?
それとも「小さな男」も「静かな声」も同じくらい変わり者なのかしら?
すなわち私も「小さな男」くらい偏屈なのかな?
チーズバーガー&映画くらいなら、普通に堪能しているつもりなんですが。
このふたり、実は結構近いところに居て、ラストが良いです(ちょっと意外)。
もっと続きが読みたい。
控えめでも人と人と人は繋がってゆくんだなぁ。
人と人の繋がりを見られる立場っていうのも素敵だと思いました。
ちなみに表紙もとても好きです。