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海竜めざめる (ボクラノSF)

海竜めざめる (ボクラノSF)
By ジョン ウィンダム, 長 新太

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  • 発売日: 2009-02
  • 版型: 単行本
  • 396 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
相次いで目撃される謎の火球。それと呼応するように、海で続発する異変。そして静かに忍び寄る破滅。世界の終末を鮮やかに描き出した名作。


カスタマーレビュー

少し甘さはありますがクラシックなSFの楽しみを満喫出来る名作をお楽しみ下さい。4
イギリスのSF作家ウィンダムの破滅SFの古典的名作を星新一訳、長新太のイラストでコラボレートして贈る新企画ボクラノエスエフ・シリーズ堂々開幕の一冊です。本書で顔を合わせたそれぞれに偉大なお三方は皆既に故人で今回編集者の粋な計らいで死後の競演と相成った訳ですが、この現在入手が困難な古典的名作を過去に出版された絶版作品から新たな装いに変え若い世代に読み易い形で届ける試みは意義深く素晴らしい企画だと思います。1953年発表の本書は今読むと流石に多少古めかしさは感じられますが、やはり名作と呼ばれる由縁の普遍的な面白さを根底に備えていると思います。イギリスの放送局EBCに勤務するマイクとフィリスの夫妻は新婚旅行の船旅途中で、空から降ってきた奇怪な火の玉が次々に海へと落下するのを目撃する。やがて世界を震撼させる異変が続々と起こり始めるのだったが・・・・。本書の特長として侵略者達が地味に静かに攻めて来る為に人類が平和ボケし「どうせ大した事ないさ」と高を括るという構成が中々に曲者です。長新太氏のイラストものんびりして怖さが感じられず惚けた味わいがありますので、読者もゆっくりとした相手のペースに騙されてしまうでしょう。人類によって潜海異生物(ベイシー)と名づけられた敵は一気に決着をつける事は考えずにじわじわと時間を掛けてでも目標を成し遂げようと図る玄人的な性質で、読者はモンスター・パニック的な面白さは期待出来ませんが気がつけば何時の間にか追い詰められている状況に戦慄が込み上げて来るでしょう。著者は人類の愚かさに警鐘を投げ掛け反省を促してはいますが、生来明るい気質なのか破滅テーマでありながらも完全に絶望的な展開にはせず、人類のしぶとさを信頼して希望の見通しを残してくれている所にやや気持ちが救われます。少し甘さはありますがクラシックなSFの楽しみを満喫出来る名作をお楽しみ頂きたいと思います。

子供さんに是非読ませてあげてください5
手塚治虫、石森章太郎、横山光輝。
これら綺羅星のごとき大家が、脂の乗り切った筆で名作傑作をを連発していた幸福な時代に小学生であった私は、
彼等の紡ぎだすSF漫画を、時を忘れて読みふけったものですが、
そんな幼い「SF漫画通」を、漫画に決して引けをとらぬ魅力でうならせたのが、
小学校の図書室で見つけたこの小説でした。

この小説をひと言で表現するなら、「侵略テーマの傑作」ということになるのでしょう。
物語はとにかく、読みだしたらやめられない面白さで、
しかも、身の毛がよだつほど恐ろしい。
この時味わった恐ろしさは、その後も長く、トラウマとなって私の中に残ったほど強烈なものでした。

大人になってからも、ふとした折にこの作品のことを思い出し、久し振りに読み返してみたいなあと、書店で探し回ったことがあるのですが、
どういうわけか、非常に手に入りにくい本になってしまっているようで、なかなか再会することがかないませんでした。
(いっとき、ハヤカワ文庫で出ていたような記憶があるのですが、すぐに書店から姿を消したような気がします)
同じ作者の「トリフィド」は今でも簡単に入手できるのに、この扱いの差は一体なんだろうと、憤りもし、
たぶん、読む機会は二度とめぐってこないのだろうとあきらめてもいたのですが、
せんだって、図書館をウロウロしていたら、なんと!
棚に、この本が並んでいるではありませんか!
装丁こそ少し変ってはいるものの、挿絵はまったく昔のまま。
あまりの感動に、しばらく言葉もありませんでした。

数十年振りに読み返しみて驚いたのは、自分が物語のすみずみまで、実に正確に覚えていたということ。
覚えていた通りだったので、初めて凄いものに出会った時のような感動は得られませんでしたが、
発想の面白さ。ダラダラしたところの全くない、スピーディな物語の展開。
なるほど、子供の私が夢中になったはずだと十分納得できる素晴らしい出来栄えでした。

先に書いたように、この物語には非常に恐ろしい部分がありはしますが、
結末は、スカッとしためでたしめでたしになるので、読後感はかえってさわやかです。
ですから、子供さんに読ませても、あまり心配はありません。
(私程度のトラウマが残ることはあるかも知れませんが)
ふだん、漫画しか読まないというお子さんに、この本を是非、勧めてあげてください。
どんな漫画にも引けをとらぬ魅力が、ぎっしり詰まっていますから。