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医療戦略の本質―価値を向上させる競争

医療戦略の本質―価値を向上させる競争
By マイケル・E. ポーター, エリザベス・オルムステッド テイスバーグ

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  • 発売日: 2009-06-11
  • 版型: 単行本
  • 640 ページ

エディターレビュー

内容紹介
大金持ちは世界最高水準の治療を受けられても、国民の7人に1人は無保険者で、国全体では先進国中で最低と評価される米国の医療システム。日本では大野病院事件で医療崩壊や医師不足がクローズアップされたが、「地域に産婦人科医がいない!」事態は米国では20年前に起こっている。レーガン、ブッシュ親子、クリントンなどの歴代政権も医療改革を試みたが、ほとんど成功することなく終わっている。「株式会社の病院は、非営利病院に比べて、医療のレベルが低い上にコストは高い」という学者の分析リポートも報告されている。

著者は、アメリカの医療改革が失敗ばかりなのは、医療費をゼロサムゲームにしたまま市場の競争を持ち込んだのが主な原因だと指摘する。これが優れた医療を提供する医師や病院が評価されるシステムを作れず、コスト削減競争だけを促したため、必要な医療も受けられない患者が急増し混乱に拍車をかけた。

医療に競争はなじまないという印象を持っている人は多い。しかし著者は、多くの国民が必要な医療を受けられる社会としての公平性と、優れた医療を提供するために医療従事者が努力して切磋琢磨することは矛盾しないと考える。レベルの高い医療を患者に提供した医療従事者が正当に評価され、国民に適切な情報が伝わるポジティブサムゲームにやり方を改めれば、最もコストパフォーマンスの高い医療が実現できると考えている。本書では、現状分析にとどまらず、ポジティブな競争を実現するために医師、コメディカル、病院、政府、保険会社などがなすべきことも提案している。医療改革の新しい指針となることを意図した画期的な提言の書である。

レビュー
本書へのメッセージより
競争戦略の泰斗、ポーター氏による医療政策のバイブル。米国の医療が失敗した理由を分析し、再生への道筋を示した本書は、医療ビジネスの真の在り方をわれわれに教えてくれる。医療・介護にかかわるビジネスマン、行政官、研究者、すべての方に読んでいただきたい。――セコム最高顧問 飯田 亮氏

レビュー
本書「日本語版への推薦文」より
本書は医療システムの基本構造と、そのあり方、具体的な設計方法に関する実践的かつ包括的な教科書である。ポーター教授の提言は、わが国でこそ有効に活用されると考えられる。いずれにしても混迷を深めるわが国の医療界に、本書は重要な指針を与えるであろう」 ――東京大学大学院医学系研究科循環器内科教授 永井 良三氏


カスタマーレビュー

事例のおもしろさと心地よい疲れ5
訳者は、著者の教え子であるとのことです。ハーバードのビジネススクールの先生が著者で、多くの教え子がビジネスの世界で成功を収めているらしく、年収10億円超えって方もいます。600ページを超える本で専門書の分類となるのでしょうけど、値段は安い。病名がむずかしいかもしれないが、医療関係者であれば全く苦労せず読める。逆に、医療関係者はビジネス用語に不安を覚えます。ビジネスの専門家は逆かもしれません。「日本語版への推薦」と「訳者あとがき」が本全体の理解を助けるので、先に読むと良いと思います。全部読むと、個々の事例のおもしろさと、ポーター氏の競争によって医療の価値を作り出す「正しさ」に洗脳されていきます。全部読むと、心地よい疲れを感じると同時に、自分が内容を正確に理解したのかなという不安がよぎります。建設的な考え方を下地に、膨大なデータを解釈し、ポーター氏の基本理念(「競争」)を医療、医学、科学の分野に持ち込んでいます。すごい新鮮な考え方の本です。

医療を戦略する著書5
医療とビジネスや効率性とは永くお互い相容れないものとして関連付けられずに来たが、本書は医療を受ける人の目線から再定義を行い、メディカル・サイクルの観点から現代医療の抱える問題の解決策を提起している。少子高齢化、荒廃する医療現場、不満と不信を募らせる受診者に問題意識を持っている者にとってはまさに eye opener の書であり、またNPO業務の有り様を考える立場の人にもぜひ進めたい書の一つです。

経営学の泰斗が書いた医療戦略5
経営学の泰斗、マイケル・ポーターが遂に経営戦略のノウハウを
複雑怪奇な医療の世界にあてはめて論じた重厚な一冊です。
したがって、従来の医療政策や経済学の視点からは得られない
示唆深いアプローチを展開しています。
例えば、患者にとっての「価値」の重視、「ケアサイクル」の概念、
「情報」の重要性など、とても興味深いものばかり。
これからの新しい医療政策のあり方を考える上で非常に参考になるので
お奨めできます。
朝日新聞の書評で、この本とセットで紹介されていた『公平・無料・
国営を貫く英国の医療改革』(集英社)と併せ読むと、よりいっそう
複眼的に世界の医療政策を考えることができるでしょう。