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イノベーションの本質

イノベーションの本質
By 野中 郁次郎, 勝見 明

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  • 発売日: 2004-05-13
  • 版型: 単行本
  • 348 ページ

エディターレビュー

日経BP企画
イノベーションの本質
 本書はタイトルから連想されるようなイノベーション(革新)に関する学術的考察が中心の書ではない。ここには、サントリーの飲料「DAKARA」、日清食品のカップめん「具多GooTa」、さらには「黒川温泉」やアニメ映画「千と千尋の神隠し」など、近年世間を賑わした13の大ヒット商品が登場する。それらが生まれた現場をつぶさにリポートし、誰の隣にもいるであろう社員たちが成し遂げた“革新”の本質と、それを支えた企業風土を分かりやすく解読していく書である。

 新商品を世に送り出すうえで、コンセプト作りに徹底的にこだわる企業がある。その1つがサントリーだ。小便小僧のCMで知られる「DAKARA」は、大塚製薬の「ポカリスエット」や日本コカ・コーラの「アクエリアス」がほぼ独占していたスポーツ飲料市場の牙城を切り崩した。開発チームは2年かけて構築したコンセプトが不十分であったと自ら認め、発売を延期してまで「真のコンセプト」を求める決断を下し、さらに2年の歳月を費やした。

 著者らは日本のビジネスマンの知恵と、日本企業に宿る伝統の「型」が融合したところに「知識創造」の源泉があると指摘。多くの企業人が倣うべき理念やモデルを抽出し米国発のマネジメント手法ばかりに頼るなと訴える。


(日経ビジネス 2004/08/09 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

出版社/著者からの内容紹介
勝見「なぜ、経営学という学問を続けているのでしょうか」 野中「……それはやっぱり、日本の経済、企業、そこで働く人たちにもっと元気になってほしいからです」

 これは「まえがき」で明かした私たち著者二人のモチーフです。私たちは、独創的な新しい製品やサービスに結実したイノベーションの「現場」を2年間で13ヶ所歩きました。そのフィールドワークは、リクルートのワークス研究所が発行する人事専門誌「Works」で現在も連載されています。

 組織の「壁」、常識の「壁」を乗り越えて、イノベーションをもたらしたのは、熱い思いをもったミドルたちでした。けっしてMBA的分析に長けた「傍観者」ではなかったのです。これは、野中の知識創造理論の要のひとつである「ミドルアップダウン」そのものです。つまり、現場を熟知するミドル層が上司を説得し、部下を叱咤して組織を動かす日本独特の組織原理が「イノベーション」を生み出しているのです。  「まとめ」でも触れましたが、日産も松下も、ゴーンさんと中村社長がクローズアップされますが、両社を復活・再生したのは、トップと第一線社員との結節点に立つミドルマネジャーがトップのビジョンを翻訳し、伝道師となって布教して回り、トップの暗黙知とフロントの暗黙知を統合していったからです。

  1・難解といわれる野中理論が非常に整理されて理解できる   2・日本企業独自の道を考えさせる   3・なにかとつらい立場のミドルを元気づける  読んで力が湧いてくるビジネス書・経営書です。                      

内容(「MARC」データベースより)
アコードワゴン、黒川温泉、遠心力乾いちゃう洗濯機、千と千尋の神隠し…。イノベーションと呼ぶべき13の製品の生まれた背景を訪ね歩き、人を中心とした物語を綴り、ヒット商品を生み出す創造活動を分析する試み。


カスタマーレビュー

コンセプトに本質あり5
屈指のジャーナリストと日本を代表する経営学者の見事な共同作品です。
具体例から入り、そこに解説をするという企画が非常にユニークで、読者をひきつけます。

「本質」について個人的な見解としては、筆者らはコンセプトの抽出にその本質を求めたのではないかと思います。

声にならない潜在ニーズをコンセプト化せよ、という教えは決して新しくないかもしれませんが、本書を読んで、あらためてその意味を深く理解できました。
経営学は、サイエンスとアートの二つの側面をもっているといわれますが、まさにその二面性をうまくとらえた秀逸な作品です。

元気と勇気とヤル気が湧く本4
本書の特徴は2点。1つ目は最近の日本のヒット商品13を題材としたこと。「DAKARA」から「千と千尋の神隠し」まで、身近で幅広い題材を取り上げているので、非常にイメージしやすい。

2つ目はそれぞれの章が「物語編」と「解釈編」の2つのパートで構成されていること。ジャーナリストがプロジェクトX風に綴る「物語編」では、商品開発にかける人たちのアツい情熱や深いコミットメントが描かれていて、それだけでも読む価値アリ。さらに、知識創造理論で有名な野中教授が、学者の観点からそれらの開発物語を解説する「解釈編」が、さらにこの本の深みを増している。

欠点をあえて挙げるならば、いわゆる「後づけ」的に感じる部分も多々あります。成功したからいいけど…と思う部分も。また、それぞれの事例ごとに書かれているので、理論の展開という部分では少し弱いかもしれません。「知識創造理論」の概要くらいは知っておいた方がいいかも。

この本のテーマは「絶対価値の追求」と「主体的なコミットメント」。おそらく日本人にとってはものすごく共感できる内容のはずです。輸入ではない国産の物語に元気を、成功事例から一歩踏み出す勇気を、各物語の登場人物の真摯な仕事への取り組み方からヤル気をもらえます。

最近の事例が多いので、今が旬な内に読むことをオススメします。

リアルでクールなイノベーション論5
347ページでプロジェクトXを13話+NHKスペシャル「野中氏イノベーションを語る」
みたいなのを1本みるくらいの密度があります。内容が圧倒的に面白い上に、構成も斬新です。

ダカラがスポーツドリンクの二大巨頭ポカリとアクエリアスに挑み、スポーツから離れ、初めて
「(おしっこを)出す」CMでバランス飲料というコンセプトを示し、売り上げでも圧倒的な
急進を見せた。そのコンセプトが出るまでの過程や部門横断的な協働などイキイキと描かれてます。

その13倍です。各社各様、しかし通底するものがある。それを野中氏の言う暗黙知や形式知の
フレームで統一的に説明していく。各社、前半に「ソニーの遺伝子」でVEGA開発秘話を熱く
描き切った勝見氏がジャーナリスティックなリアルさで描き、後半に「知識創造企業」の野中氏
がアカデミックにクールに描く。そう描くって感じです。書くってよりも。イメージがとても浮か
びやすい書かれ方になっています。ポンチ絵も入りますし。

何より2人の明るさなのか、登場人物がイキイキしており、この本(その前の連載)自体を
とても好奇心旺盛に楽しんでなさっていた感じが伝わってきて、とても惹きつけられました。
もう一気に読んでしまいました。

しばらくお腹いっぱいな感じですが、消化は良さそうな感じです。

プロジェクトXとの違いは、各社1~2名しか挙げられず、主要なリーダー以外は
名前がほとんど出ません。読みやすいのかもしれないけど、その人たちにも実名で
栄誉を授けて欲しかった気が少しだけしました。とはいえ読む価値が下がるわけで
はなりません。

お奨めします。