小倉昌男 経営学
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #2772 / 本
- 発売日: 1999-10
- 版型: 単行本
- 294 ページ
エディターレビュー
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「儲からない」といわれた個人宅配の市場を切り開き、「宅急便」によって人々の生活の常識を変えた男、小倉昌男。本書は、ヤマト運輸の元社長である小倉が書き下ろした、経営のケーススタディーである。
全体を通して読み取れるのは、「学習する経営者」小倉の謙虚さと、そこからは想像もできないほど強い決断力である。成功した人物にありがちな自慢話ではない。何から発想のヒントを得たか、誰からもらったアイデアか、などがこと細かに記されている。講演会やセミナー、書籍、マンハッタンで見た光景、海外の業者に聞いた話、クロネコマークの由来…。豊富なエピソードから伝わってくるのは、まさに学習し続ける男の偉大さである。
一方で、並々ならぬ決断力を持っていたのだと思わせる記述がいくつかある。宅急便に注力するため、大口の取引先であった松下電器との長期にわたる取引関係を終結させたこと、三越岡田社長のやり方に反発し、「とてもパートナーとして一緒に仕事をしていくことはできなかった」として取引関係を解消したこと、運輸省を相手に訴訟を起こしたこと…。いずれも確固たる論理がその根底にあった。それにしても見事な決断力と言わざるを得ない。
終わりの部分で紹介されている宅急便の各種サービス内容や、有名なNEKOシステムなどの話は、流通・物流の関係者以外には興味がわかないかもしれないが、全体的に読みやすく、興味深いエピソードが満載なので、読んでいて飽きることがない。経営者としての小倉の人となりが伝わる、好感の持てる1冊である。(土井英司)
ブックレビュー社
宅急便の苦闘の記録。企業家精神発揮の生きた教科書
家庭から小荷物を送るには郵便小包みしかなかった時代に宅急便市場を切り開いたヤマト運輸元社長がみずから語る小倉流経営のエッセンスである。規則の固まりのような運輸行政。その頂点に立つ「経済の実体を知らず,結果に責任を持たない役人」と戦いながら市場を創造し,一般宅急便に加え,スキー,ゴルフ,クール各宅急便を次々に開発したありさまはまさに企業家魂の権化。
今,ベンチャーの時代といわれ,各種の起業講座が花盛りだが,成否のカギを握るのは結局,人である。その意味で,全編からほとばし出る情熱が,事業をなし遂げる人間とはいかなる人か,を教えてくれて大いに参考になる。「経営リーダー10の条件」の一つに「時代の風を読む」ことをあげ,これからはボーダーレスの時代に対応する心構えが必要だと説く。そこからどんな事業構想を描き,具体化するかは読者への宿題であろう。
(静岡産業大学 経営学部 教授 小山 博之)
(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)
内容(「BOOK」データベースより)
国と闘い、“宅急便”市場を創った男の論理。宅急便で日本の生活を変えたヤマト運輸元社長、小倉昌男。自ら筆を執り、その経営をケーススタディで書き下ろす。生涯唯一の書。
カスタマーレビュー
感動的です。
この手の経営に関する本を読んで、『面白い』とか『学べた』と思ったことはありましたが、感動したのは初めてです。
本書に込められたメッセージは非常に解りやすくて、本質的な正論は難解ではなくシンプルなのだと再認識しました。世の中で間違っているようでまかり通っている事はいくつもあると思いますが、間違いは間違い、正しい事こそ正しいのだと安堵感を覚えます。
思わずヤマト運輸に転職したくなりますので、上司と喧嘩した日は読まない方がいいかもしれません。
「地域社会への貢献」を企業目的の本音に
日本の宅急便史は昭和五十一(一九七六)年に遡る。このサービスと市場を創造・開拓、今日に至るまで成長させ、かつ自社ヤマト運輸の「クロネコヤマトの宅急便」をブランドとして定着させた故・小倉昌男氏。彼の「経営学」に関心を覚えるのは、第一に宅急便という業態とサービスに一消費者として馴染み深いからです。運転手が側道停止時に左扉から乗降する便宜を計った改良型トラック、集荷・配達に訪れる好印象のセールス・ドライバー(SD)、昨日送ったとの連絡を親元から受けるや今日指定時間通りに配達される荷物…。本著「経営学」は、普段消費者の立場から身近に接触し観察するヤマト運輸について、それら個々のサービス改善・向上を司った背後の経営者哲学と、その適用の過程・結果を説明してくれます。第二は、巻末にある「経営リーダー10の条件」にもある「高い倫理観」と「論理的思考」です。氏は“企業の存在意義は…地域社会に有用な財やサービスを提供し、併せて住民を多数雇用して生活の基盤を支えることに尽きる”と言明します。資金繰りに苦悶し利潤追求に時間とエネルギーを奪われるのは、企業経営者として忌避できぬ事実。しかし“利益は手段であり、企業活動の結果。”氏は「高い倫理観」に根ざし“社格”と“社徳”を備え地域社会に貢献する、という理念の体現自体を、企業目的の本音に据え気骨をもって生き抜いていたのです。“サービスが先、利益は後”と繰返し論及していることと相まって、全編を通じてその信条を証していることに、私は本書の一つの大きな意義を見出しました。またその目的と手段・結果の主体と客体関係も、「論理的思考」関係なのです。第三は、氏の経営信条と業績は、日本が世界に紹介して誇りうる一つの好事例と思うからです。素朴でそれでいて入念に著された価値ある一冊です。
宅急便サービスの革命
どの業界においても、革命を起こした方は素晴らしいと思います。私の周囲には、小倉氏を評価する方がとても多いようで。私は人に薦められて本書を手に取りました。読みかけの状態ながらも「あの著書はいいですね!」と興奮して周囲に言っていたら、「何をいまさら・・」という表情をされながらも、「そうでしょう。ああいう人が流通を変えてきたんだよ」と相手から更なる熱弁を振るわれたりすることもありました。
このときは軽くショックを受けました。小倉さんの功績はコンセンサスを得ていて、ビジネスの世界で常識なのかと。私の無知と、属する環境もありますが・・。今のまだ未熟な状態でこの本を紹介されて良かったと思います。今後の糧に充分に活用したいと思います。
本著は、とてもシンプルにまとめられた「経営実践禄」です。私に本著を薦めてくださった方は、「第15章の7」を念頭に置かれていたのだと思います。私の職種を考慮したうえで、会社とトップの露出についての示唆をいただきました。「第15章の7」は私の課題そのものを突いていたので、改めて自分の職種を極めようと思いました。
トップの大胆な決断が会社組織を変えていくドラマチックな状態を、渦中にいたはずなのに客観的に観ている視点に感心します。社会的にスゴイことをしているのにも関わらず、小倉氏の語りは実直で余分な修飾語がなく、淡々と筋を語っていきます。人間は自分の功績を誇張してしまうのに、この方の謙虚さには脱帽です。
本当にシンプルな経営書です。企業として、第一に「生活者に何を提供することができるのか」という観点に立っていて、はっとさせられることが沢山です。生活者が望むことに応えるサービスの提供に、ひたすら応える姿勢は素晴らしい。経営者としても、世襲でありながらも引き際の鮮やかさが印象的です。
以下、私自身の体験を交えての感想を・・
始めの方に述べられていますが、私の実家はヤマト運輸の「取次店制度」の恩恵を受けていました。だから、思い入れのあるシステムなのです、クロネコヤマトさんは。過疎地で取次店の業務拡大をするのが遅かった地域だと思いますが、毎日毎日、おおよそ決まった時間にヤマトのセールスドライバーさんが集荷に来てくださいました。幼い頃に店番をしていて、荷物が毎日あるわけでもないのに、毎日来てくれるのか不思議で仕方がありませんでした。とてもサワヤカなSDさんだったのですが、彼の仕事が腑に落ちませんでした。私が、利益というものについて、ぼんやりと疑問を持った初めての事例だったのです。「毎日、1日2回も巡回してて、無駄じゃないの?」と思いました。
一方、荷物を持ち込んだ近所の方が「○○に住む息子(娘)に、米を送ってあげるのよ〜」「今年はたくさん山菜が採れたからね〜」などと話し込んでいくのを見聞きしていると、宅配便は家族の繋がりを担うものなんだなぁと感じていました。過疎地にとって翌日配達の宅配便は、とても大切なものだったのです。田舎の人間にとっては、娯楽施設もなく、子どもなどの家族のことを考えるのが一番の楽しみでした。あの頃は、テレビチャンネルも少なくて、ネットもなかったですし。
私自身も、田舎を出てからずいぶん宅急便のお世話になりました。ありがたかったなあ。
・・などということを思いながら本書を読むと「小倉昌男さん、ありがとう!」という気持ちでいっぱいになります。過疎地にこれほどのインフラを作り上げるのは、やっぱり並大抵ではなかったと思います。個人宅配サービスに賭ける小倉さんの決意が伝わってきて感激です。今では、あの地域において「クロネコヤマト」はなくてはならないサービスになっています。





