組織と市場―組織の環境適合理論
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #121413 / 本
- 発売日: 1998-07
- 版型: 単行本
- 315 ページ
カスタマーレビュー
環境適応の議論は今もなお健在ではないか?
本書は、組織戦略、もっと言うと、組織構造に関する戦略的示唆に富む議論を展開している良書である。本書は、70年代に発刊された、組織研究においては古典として位置づけられるが、条件適合理論をベースに理論構築されており、環境の変化が激しい今日において、実際に組織戦略を展開する際に、示唆に富む内容であり、古典といえどもその内容は今日十分に通用する議論となっていると思われる。
本書は、70年代までの組織に関する理論を著者の視点からレビューし、組織研究において条件適合理論をベースにした組織研究が盛んであることに言及。環境の不確実性という概念を操作化し、環境に適応した組織構造(情報処理構造)が形成される。つまり、ここでは環境が不確実であればあるほど分権組織が形成され、環境が安定的であればあるほど集権組織が形成される、ということである。これらの仮説を統計的に検証する実証研究となっている。
本書の議論から、次の2点を指摘しておこう。現在、小泉内閣において民間に公共政策を任せるか、官僚にその仕事を維持させるか、の問題が浮上しているが、これらの問題は、上記の組織戦略に関する議論が少なからず参考になるという点である。もう一つは、条件適合理論をベースにした環境適応の理論は、各時代に共通して重要な位置を占める議論となるであろう。特に、生き残りをかけなければならないビジネス戦略において、こうした問題は切っても切り離せない。こうした研究(条件適合理論をベースにした環境適応の理論)の蓄積によって、ビジネス戦略のあらたな視点が見出せると思われる。その意味でも、ケース研究の蓄積は重要となるであろう。
日本初のサーベイ調査
この書籍は、組織論の分野において日本を代表する学者が書いたものであり、組織論分野において日本で初の本格的なサーベイリサーチを用いた研究書です(...確かそうです)。
大学院生で、サーベイリサーチを初めて試みる方は、是非一読すべきであり、著者は、他にヘイグの『理論構築の方法』などの翻訳書も出しており、併読するのもいいでしょう。
70年代の匂いがプンプン
組織ー市場関係を議論したコンティンジェンシー論は、近年急速に廃れて始めている(もうすでに廃れてしまった?)。しかし、こうした時期だからこそ、新たなパラダイムを求めて古典を紐解いてみてはいかがか。また、この本のように「きっちり」とした「仕事」が最近の研究書の中に見当たるだろうか。そしてこの本は我々に、70年代のカリフォルニアの暑い夏の記憶を思い起こさせてくれるかもしれない。




