昭和の三傑―憲法九条は「救国のトリック」だった
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #81031 / 本
- 発売日: 2004-04
- 版型: 単行本
- 281 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
未曽有の敗戦処理に当たった三代の宰相は、智略の限りを尽くして占領軍アメリカに立ち向かった。憲法九条の発案者はいまだに定まらない。天皇制存続とバーターに押しつけられたとする「定説」を覆し、ビックリ条項に秘めた「救国の経略」を明らかにする。
内容(「MARC」データベースより)
「憲法第九条」は日本製だった。日本国民が「アメリカの手駒」となることを防ぐための当時の歴代首相の「知恵」とは? 鈴木貫太郎、幣原喜重郎、吉田茂をキーマンに、戦後を総括する歴史ノンフィクション。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
堤 堯
1961年、東京大学法学部卒。同年、文芸春秋入社。「諸君!」、「文芸春秋」編集長、「週刊文春」編集局長、三誌を束ねる第一編集局長、ついで出版総局長を歴任。常務、常任顧問を経て退社。以後、新聞、雑誌に執筆活動を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
そして、これからの日本を考えるのは私たち次第
前のレビューに付け加えると、第9条における戦力放棄の明文化には「当用の効用」でしかないと吉田元首相も述べている。さて、どうすべきかと言ったとき、この書で述べられているような壮絶なドラマとはほとんどの人は無関係。これからの将来は私たちに任されているようでどうしようもないなと無力感も感じた。
ただし、すさまじい質量の情報の非対称性を持つ権力者同士のやりとりは筆者の取り上げる話題・文体のおかげか、印象に残るエピソードがほとんどである。
第九条 幣原説の数少ない書
憲法第九条によって日本は、戦後、朝鮮戦争にもベトナム戦争に一兵も送ることなくすみ、必要最低限の軍備しか使わないで、豊かな社会の礎を築くことができた。筆者は、第九条の「戦力放棄条項」は、アメリカに押し付けられたものでなく、幣原首相が思いついたものであると、詳細な資料に基づいて検証している。
私もまったく堤氏の意見に同感。憲法というきわめて高度な問題であるが、筆者は元文藝春秋の編集長だけあって具体的かつ読みやすい文体で書いているので、気軽に読めるし、読後感もさわやかである。日本の未来を考えるすべての人人にお勧めの本。今日、豊かな社会に住むわれわれは、救国のレトリックである第九条を提案した幣原喜重郎にもっと感謝してもよいのでは、とこの本を読んで思った。
現憲法の成立背景に対する実に面白い仮説
ここに書かれていることがホントかどうか私には分かりません。しかし仮設として理解したとしても、この物語により想起されたイメージは妙に説得力があり、そのイメージが想起されたこと自体がとても価値のあるものでした。
この本には、先の敗戦時の日本国の舵取り、特に憲法と天皇制についての対米外交について、調査に基づいた著者の見解が書かれているが、それが実に面白い。一言でいえば、歴代首相の中でダントツダメ首相で、当時既に引退爺さんであった鈴木貫太郎が、時の政治を自説に従うよう動かすべく、当時の占領軍GHQの責任者つまり日本国支配者のマッカーサーをペテンにかけたということである。幣原、吉田もそれを承知で構想を完成させた。もちろんその構想が計画書などとして残っているわけではないが。
著者によれば、憲法九条はGHQの押し付けではなく、鈴木貫太郎、幣原喜重郎、吉田茂の深謀遠慮であり、それがために戦勝国のアメリカに使われて派兵する事を今日までせずに済んだという内容。逆に言うと、憲法九条特に第二項がなかったならば、とっくに派兵となっているということだろう(韓国のように)。彼ら(三傑)がそのような九条にした第一の目的は、平和を希求する理想の実現にあったわけではなく(それは自分達だけではできない)、自分達の国を今後より良く維持する方策の実現であった。九条第二項については暫定的なものであった。東西冷戦の中で、西側の傭兵として使われないために。




