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自動起床装置 (新風舎文庫)

自動起床装置 (新風舎文庫)
By 辺見 庸

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  • Amazon.co.jp ランキング: #437028 / 本
  • 発売日: 2005-02
  • 版型: 文庫
  • 220 ページ

エディターレビュー

出版社 / 著者からの内容紹介
「…眠りの世界ではいろんなことが起きる。辛くて、狂おしくて、他愛なくて、突飛
で、情けなくて…もう、すべてなんて言葉でおおえないほどすべてのことが起きる
(中略)」
ぼくと聡は、通信社の仮眠室で仮眠をとる人々を、快く目覚めへと導く「起こし屋」
のアルバイトをしている。ところがある日「自動起床装置」なるものが導入された…
…。
眠りという前人未到の領域から現代文明の衰弱を衝いた芥川賞受賞作。カンボジアの
戦場への旅を描いた「迷い旅」と巻末には日野啓三氏との対談も併録。

内容(「BOOK」データベースより)
「…眠りの世界ではいろんなことが起きる。辛くて、狂おしくて、他愛なくて、突飛で、情けなくて…もう、すべてなんて言葉でおおえないほどすべてのことが起きる」ぼくと聡は、通信社の仮眠室で仮眠をとる人々を、快く目覚めへと導く「起こし屋」のアルバイトをしている。ところがある日「自動起床装置」なるものが導入された…。眠りという前人未到の領域から現代文明の衰弱を衝いた芥川賞受賞作。カンボジアの戦場への旅を描いた「迷い旅」と、巻末には日野啓三氏との対談も併録。

著者について
辺見 庸 (へんみ よう)1944年宮城県石巻市生まれ。作家。早稲田大学文学部卒。1970年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、などを経て、96年末退社。 78年中国報道で日本新聞協会賞受賞、91年『自動起床装置』で第105回芥川賞受賞。94年、世界30カ国をルポした『もの食う人びと』で第16回講談社ノンフィクション賞、JTB紀行文学大賞など受賞。 メディア論、文明論を通じて時代への異議申し立てを続けている。2001年12月には、タリバン政権崩壊後のアフガニスタンを現地取材し、2002年3月には米国を訪れ言語学者で米政府の外交に異を唱えるノーム・チョムスキー博士らにインタビュー。2003年4月から翌年まで早稲田大学客員教授として母校の教壇に立った。


カスタマーレビュー

王子様のキスで目覚めたい4
寝ることが趣味で、ヒマさえあればいつでもどこでも眠っている、という人、案外たくさんいるのではないでしょうか?某マンガでは眠っている間に鮮やかに事件を解決してしまい、それを疑問にすら思わぬ名(謎?)探偵も登場するくらいですし。
本作『自動起床装置』にて描かれているのは眠りです。

作中で描かれている企業戦士達は、文字通り寝る間も惜しんで働くエリート達。でも人間であるからには眠らずにはいられません。彼らを起こすアルバイトをする主人公と、聡というバイト仲間。
起きている時間は大切です。バリバリ働くのも起きている時間です。でもだからといって睡眠時間は覚醒時間に従属するものではない。そう言われればそうです。現代人が誤解している部分を衝いてきました。
ただ機械的に起こすだけなら目覚まし時計で充分だろうし、本当に快適な目覚めを追求する贅沢をするのなら、人間の起こし屋の方が良いでしょう。どっちつかずなはずの自動起床装置と、それを利用する人間の姿に、現代人の読者は何を見出すでしょうか。

純文学としては、ラストで主人公と聡をもっと打ちのめしてほしかったところですが……

われわれの知らない時空間の記述5
眠るという行為は、ある意味非常にネガティブな部分であろう。何も生産することはなく、ただ時間を浪費する。たしかに、必要以上の眠りはそうであるが、必要な眠りには次の生産への準備という重要な役目がある。その眠りに関する記述、われわれが普段接することのない時空間の記述が非常に力強く、美しい。覚醒時と睡眠時の呼吸、早朝の音の色合い、それらはわれわれが普段意識しないことばかりだ。仮眠室に来る人間は、暗がりのため顔が見えない。そのため、仮眠室の外では昼間すれ違ってもわからない。声により推測し、顔をみてびっくりするなど、あたり前のことにはっとさせられる。眠りという生理現象を周辺をも巻き込んで文学にしてしまった著者に脱帽。おすすめです。

眠り5
いかに睡眠時間を削り活動時間を増やすかに注力してしまいがちな現代思想。
それに真っ向から疑問を投げかけ、社会に一石を投じている。
本当に重要なことは眠りの中にあるのではないだろうか。