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自分探しが止まらない (ソフトバンク新書)

自分探しが止まらない (ソフトバンク新書)
By 速水 健朗

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  • 発売日: 2008-02-16
  • 版型: 新書
  • 224 ページ

エディターレビュー

内容紹介
自分探しの罠にはまらないための道を探る!
自己啓発や自己分析でかえって己を見失ってしまう若者や、自分を探しに世界へまで飛び出してしまう夢追い人など“自分探し”は日本中に蔓延している。
中田英寿から「あいのり」まで幅広い分野での自分探しを分析し、その実態を探り出す。

内容(「BOOK」データベースより)
気がつけば、世の中には「自分探し」と密接に関わる現象が満ちあふれている。海外放浪やバックパッカーなどの“外こもり”、自己啓発ムーブメントやフリーター増加、路上詩人やホワイトバンドなどなど…。若者を中心として、「自分探し」が止まらなくなっている日本の姿を赤裸々に暴き出す一冊。夢を追っているうちに「自分探し」の落とし穴へ転落しないための社会の歩き方。

レビュー
出版社からのコメント
就職しないで夢を追い続けるフリーター、いきなり自分を探すために世界へはばたいてしまう若者、自己啓発にのめりこんでしまうサラリーマンなどなど……現代の自分探しの諸相を徹底的に分析する!
中田英寿から「あいのり」にまで見られる「自分探し」のルーツも探り、かえって自分を見失ってしまうような罠に陥らないための方策を考える一冊である。


カスタマーレビュー

「自分探し」の隘路に自覚的に立つために。4
著者と同世代生まれのわたしにとっては読み応えのある一冊だった。
自分も当事者として痛みをもって読むつもりだったが、実際、知らないことだらけだった。
「自分探しホイホイ」は、思っていた以上にそこかしこに仕掛けられていたらしい。恐ろしいような、滑稽なようなレポートの数々。

そして、一連の「自分探し」ブームには是非もあるだろうが、以下の著者のこの指摘の、力強さ、正しさ。

ーこの世の中は「やりたいこと」を仕事にした人だけで構成されているわけではなく、
むしろ仕事を「やらなくてはいけないこと」としてやっている人たちで構成されているという認識が抜けているのだ。
「誰もやりたがらないことを進んでやること」に対する価値への配慮がまったくないのは問題だろう。ー

「やりたい仕事=自己実現=人生の成功」という考え方は、「誰もやりたがらない仕事」に就く人に、どのように納得を突きつけるのか。
そこにも、使命感を織り込んだ”やりがい”を混ぜ込むのか?そうでないと、その労働に就く人の人生は、満たされないのか。
出口は、自分自身の内側に、ではなく、外側とのつながりを直接的に確認することからの方が、簡単に見いだせるんじゃないか?

若者の場合、養わなければいけない親や子どもが最初からいたり、あるいは、強烈な共同体への帰属(貢献)意識を持つことは稀だろう。
また、親にパラサイトできる環境があれば経済的自立を急ぐ必要にも迫られない。となると、「自分のために」となるのも、無理からぬことだ。
そして、「不安定雇用」に一時非難するが、そこには”やりがい”もなく、”金銭的余裕”もない。そこからまた、すがるように「自分探し」の隘路へ…。
そして、気がつくと、「誰もやりたがらない仕事」を納得のいかぬまま引き受け続けることへとつながって???
こう考えてみると、「自分探し」は、誰の作為だか、「不安定雇用」と、とっても蜜月関係にある現象と言えてしまう。恐ろしくも!

「自分探し」ビジネスのあざとさ3
海外放浪やフリーターなど「自分探し」にはまる若者を批判する、安直な論調が増えている。イラク誘拐事件以降、その空気は強い。本書も帯を見て、そうした時流に乗った本なのかなあ、と思って手に取った。が、そうではなく、著者は若者たちを自分探しの穴に落とし込む「仕掛け人」たちに視点を当てている。私も自分探しの問題は、する若者以上にそれに引きずり込もうとする人間の胡散臭さの方が気になっていたので、著者の視点に共感するところがあった。

とりわけ、「自分探しのカリスマ」高橋歩、「絶対内定」の杉村太郎が出ていたのには納得した。彼らは「夢を見つけ、夢に進んで行け」という気持ち悪いくらいのポジティブ思考が連発されていくのが実に共通している。こういう人たちは、普通の会社員という存在を容認しないのだ。そして、彼らは自分たちの本で「自分探し」に引き込み、彼らの運営するハコでさらに「自分探し」へ没頭させる。高橋は店員もボランティアの沖縄宿泊施設で年に数千万稼いだというし、杉村の「我究館」も就活学生向け自己啓発で10万円以上の金を徴収する。「夢を追え」というワタミ、始業前にスピーチを大声で話させる居酒屋チェーン、どこも「夢があればいいじゃないか」というポジティブシンキングを使い、店員を安く使う。夢といわれて、結局搾取されてるのか。怒りを感じる。前半の「自分探し」前史は取り立てて見るべきところはないが、若者問題を考えるのに、参考になる書籍である。

かなり面白いです。5
会社中心主義の崩壊。現代社会に適応できない若者が物質世界を非難して、ほんとうの自分像を精神世界に求めるのは、成熟した資本主義社会の大きな潮流であること。精神世界の「自分探し」にさまよう善良な人々を顧客として捉えたオカルト的マルチビジネスの存在。具体例をあげ、他の文献を多く引用して客観性を持たせる構成もよく、「そうだよね〜(笑)」と共感しつつ、ただ、ただ痛快です。

PS 地に足つけて実直に生きている若者もちゃんといますよね。あと、最近書店で陳列されてないようだけど、品切れ中? それもと具体例で取り上げた各方面から圧力がかかったのかしら・・・