派遣のリアル-300万人の悲鳴が聞こえる (宝島社新書)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #55497 / 本
- 発売日: 2007-08-10
- 版型: 新書
- 222 ページ
エディターレビュー
内容紹介
ワンコールワーカー、偽装請負、ネットカフェ難民・・・。いま、人材派遣を巡って様々な問題が出てきており、派遣労働者は、不安定な雇用と低収入に苦しめられている。『ワーキングプア』の門倉貴史が、詳細な分析とドキュメント取材で「ハケン」の現実を描き出す!
内容(「BOOK」データベースより)
ワンコールワーカー、偽装請負、データ装備費問題、ネットカフェ難民…「ハケン」から日本の未来が見えてくる。『ワーキングプア』の門倉貴史が鋭く問う!派遣労働者、大手派遣会社社員への取材ドキュメントも10本収録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
門倉 貴史
エコノミスト。1971年神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。専攻はマクロ経済学。同大学卒業後、横浜銀行のシンクタンク浜銀総合研究所の研究員となる。社団法人日本経済研究センター、東南アジア経済研究所(シンガポール)への出向を経て、2002年に第一生命経済研究所に移籍、経済調査部主任エコノミストになる。2005年7月からは、BRICs経済研究所の代表に就任。専門は、日米経済、アジア経済、BRICs経済、地下経済と多岐にわたる。同志社大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
派遣問題を知るには最適の1冊
派遣をめぐっては、様々な問題が出ている。
そうした問題がなぜ起こっているのか、また外国と比べて日本の派遣市場はどのような位置づけになるのか、そうした論点がわかりやすく整理されている。
「ワーキングプア」(宝島)と同じように、派遣社員へのインタビューも多数掲載されており、リアルに派遣の世界を見ることができた。日本の労働市場には問題が多すぎる。「労働は商品ではない」というフィラデルフィア宣言の言葉が印象深い。
商品化された派遣労働の実態
派遣労働の実態を客観的なデータと派遣社員からのインタビューに基づいて分析した本である。
それによると、2005年度において、全派遣労働者の内、派遣会社に登録だけしておき、仕事があるときだけ給料が支払われる「一般派遣」が9割を占めている。ワーキングプアが問題になっているのは主にこちらの働き方だ。さらにこの中には1日単位で契約する日雇い派遣が含まれる。これにはさらに悲惨な生活が待っている。
そして、派遣会社は派遣労働者の給料から常にマージンをとっているが、その平均値は30%近い。この数字自体が驚きだが、あくまで平均なので、中には50%のマージンを取られているケースもあるようだ。
この本を読むと、派遣、特に一般派遣のおかれた厳しい状況がよく理解できる。具体的には、
・派遣会社のマージンの多さ。本来であれば紹介料を最初に取るだけにすべきところだろう。マージンの上限が法律上ない。
・将来の雇用が保証されないため、生活が不安定。
・派遣労働者という商品の値下げ競争に巻き込まれ勝ちなこと。
・何年働いても時給が上がらないこと。
・交通費が自費のところが多く、ボーナスも福利厚生もないため、見た目よりも正社員との格差が大きいこと。
・労働組合が基本的にないので立場が弱く、二重派遣や偽装請負、その他違法行為の温床と成りやすいこと。いやがらせを受けることも多い。
・教育や指導を受けられないためスキルが身につかないこと。
などなど。
派遣は新しい労働形態であるため法律の整備が追いついておらず、労働者の権利が守られないという側面と、簡単に契約を終わらせられることから立場が弱く、違法行為が簡単にまかり通ってしまうことが派遣労働の大きな問題である。違法行為を働く派遣先企業や派遣会社も問題だが、やはりこの制度自体がそういった数多くの問題を引き起こす要因となっていることは否めないであろう。
必ずしも派遣という労働形態をなくす必要はないが、労働者の権利と生活を守るために、マージン率の上限を決めるなどの対策の必要性を痛感させられた。
冒頭の「労働は商品ではない」というフィラデルフィア宣言の言葉が派遣の実態を逆の意味で如実に言い表している。
派遣の問題を掘り下げたタイムリーな良書
派遣労働をめぐっては様々な問題が噴出してきている。
本書は、そうした問題がなぜ出てくるようになったかを明らかにしている。本書を読むと、偽装請負や多重派遣、給料天引きなどは起こるべくして起こった問題であることが良くわかる。とくに解決策を提示してくれてるわけじゃないけど、解決策は「労働は商品ではない」というたった一言にに凝縮されているように思えた。





