夢のかけ橋―晶子と武郎有情
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #1004946 / 本
- 発売日: 1988-06
- 版型: 単行本
- 306 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
与謝野晶子と有島武郎の“秘めた恋”を中心に男女の愛の原点を描く大正ロマン。「華の乱」原作。
カスタマーレビュー
歌から読み解く、知られざる真実
大正十二年、文壇の寵児と言われた有島武郎は、人妻であった美人記者、波多野秋子と情死した。しかし、それは突発的な事件であった。有島の心を捉えていたのは、与謝野晶子であった。著者は、書簡、日記、証言ほか多くの実証により、秘められた恋を明らかにして行く。二人の間で取り交わされた熱い手紙、歌の数々。晶子の歌から二人の心情を読み解いていく展開が、非常に興味深い。
大正七年、晶子と鉄幹の関係は冷えたものとなっていた。鉄幹を想いあれほど情熱的な歌を詠んでいた晶子は、この頃には生活の寂しさや鉄幹とのかかわりを悲しむ歌ばかり詠むようになっていた。たとえばこんな歌がある。
<うす白く青く冷たき匂ひする二人が中の恋の錆かな>
しかし、有島と出会ったと思われる大正八年から、晶子の歌に恋の情熱がよみがえる。決して表面に出ることはなかった恋であるが、歌は正直に心を映し出す。たとえば
<火の山もおさへ波をも鎮むべし恋しきことをいかがすべきぞ> 火の山も波も鎮めようがあるが、恋しさだけは鎮めようがない、と詠っているのである。
しかし二人は<あと一歩の戒めを踏み外す>ことはなかった。<この道は海へ落ちる道>と詠った道を、晶子は引き返した。
有島の死後、晶子が詠んだ歌
<君亡くて悲しといふを少し越え苦しと云はば人怪しまん>
胸に収めきれない悲しみが伝わってくる。
本書は与謝野晶子の歌を理解するには必読の書であると同時に、いつの世も人の心やそれを縛るものは同じなのだと思わされる感慨深い1冊である。

