「国家」の復権 アメリカ後の世界の見取り図
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商品の詳細
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- 発売日: 2009-07-22
- 版型: 単行本
- 200 ページ
エディターレビュー
内容紹介
"国家の仕事を、国際社会や国連、NGOに押しつけてはいけない。いま国家が主権を放棄すれば世界はさらに混乱するだけだ――。国際政治の裏も表も知る元仏外相が、国家という視点からこれからの世界情勢を分析する刺激的な書。
内容(「BOOK」データベースより)
民主主義、国連、世界市民…「美しい理想」が人類を不幸にする!国際政治を知り尽くす著者による挑発的な一冊。
著者について
元フランス外相。国際政治学者。1947年生まれ。「フランスのキッシンジャー」ともいわれる国際政治の権威で、外相在任時に起きた9・11と対テロ戦争では「同盟すれども同調せず」のスタンスでフランスの独自路線を堅持した。
カスタマーレビュー
痛快なリアリズムの書!
とにかく驚くほど歯切れがいい。世界の現実をどこまでもシビアに見ている。そして断言する。今の世界で人々の幸せに貢献できるもっとも強力な組織は「国家」なのだと。長く国際政治の第一線で活躍していた人物だけに、その情報量・洞察力は半端じゃない。あえて分類するなら、本書は『歴史の終わり』『文明の衝突』といった本の系譜に連なる一冊だと思うが、それらの本と比べて、本書は圧倒的に形而下の状況にこだわっている(きっと著者が学者や批評家ではなく「当事者」として人生の大半を過ごしてきたからなのだろう)。こういうタフな知性が日本にも現れることを祈らずにはいられない。
周回遅れの日本
イラク戦争の開戦に当たっては、フランスとドイツは再三にわたるアメリカの要請にも関わらず、反対に徹したことは記憶に新しい。もし仏独両国がアメリカに同調して行動していたらどのような結果を迎えていただろうか? 著者のヴェドリーヌは、イラク開戦時のフランスの外相ドビルバンの前任者であるが、豊富な経験に裏付けられたリアリストでもある。
本書を読むと、アメリカに対する姿勢、EUに対する考え方や国家観などフランスも決して一枚板ではなく、極めて多様な思想があることがわかる。ソ連の崩壊後、「歴史の終焉」が宣言される一方、「文明の衝突」の危機も警告された。今や歴史は終焉せず、ますます多極化した複雑で不安定な国際情勢が続いている。そしてヨーロッパではEUは成立したが、「ヨーロッパ合衆国」は幻に終わった。国連やEU、またNATOやWTOのような多国間の防衛や経済の協調・調整のための国際的な機関があるが、結局のところ国家というアイデンティティをもった組織が今後とも重要であることを著者は指摘する。そして最終章の「幻想から現実へ、イデオロギーから「政治」へ」はまさにリアリストの目で見た国際政治への現実的な提言で傾聴に値する。
ところで、我が国では政権交代が実現したものの、国際政治の荒海の中に乗り出していくには誠に危うい感じが否めない。「友愛」だけでは国際社会で生き残っていけない。考えてみると、ソ連崩壊によるイデオロギーの終焉を未だに我が国では深刻に受け止めてこなかったのではないだろうか? 周回遅れの日本の姿が彷彿として浮かんでくる。




