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カフカのかなたへ

カフカのかなたへ
By 池内 紀

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  • Amazon.co.jp ランキング: #881777 / 本
  • 発売日: 1993-07
  • 版型: 単行本
  • 296 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
20世紀の悪夢を予兆した作家として、第2次大戦後に爆発的なブームが生じたユダヤ人作家カフカ。その明晰透明な表現法は、リアルでありながら大きな謎をはらんでいて、これまでさまざまな解釈がなされてきた。著者は性急な意味付けをしりぞけ、カフカの文学は、たぐいまれな想像力による読んで楽しい〈大人のためのメルヘン〉であると説く。作品そのものに即してカフカの魅力の源泉を語った好著。

内容(「BOOK」データベースより)
憑かれたようにヘンな話を書きつづけた、おかしなおかしなカフカの物語。

内容(「MARC」データベースより)
しかつめらしいカフカ論が数百、数千とあるなかで、カフカの肖像や似顔絵、小説のさし絵を中心にすえて語るカフカの作品論。憑かれたようにヘンな話を書きつづけたカフカとその作品のあたらしいとらえかたを探る。*


カスタマーレビュー

読んで楽しいカフカの作品論5
ドイツ文学者でありカフカの研究家として有名な著者による、カフカの作品論…というか作品の楽しみ方を記した本である。よって、カフカの人物像については作品に関係ある事柄以外はほとんど触れていない。

カフカの作品は、文章自体は明瞭でも、その内容はかなり難解で不可思議であることから、さまざまな解釈がなされているのだが、著者はカフカの作品は「大人のためのメルヘン(おとぎ話)」であると説く。しかし、あとがきで「でもネ、やはり作品にもどって、自分の目でたのしむのが第一ですよ」と記しているとおり、押し付けがましいところは全くなく、“こういう読み方もありますよ”という感じである。

研究者が書いた難しい学術書というよりも、日本一のカフカ作品の愛読者による、“読んで楽しい作品論”である。講談社の学術文庫からの発売なので、文庫本としては多少高いが、千円以下でこういう作品が手に入るのはありがたい。

この作品とは関係ないが、著者が訳したカフカの作品は、直訳調ではなく大意に合わせた非常に読みやすい訳文で素晴らしいものである。岩波文庫から出ている「カフカ短編集」「カフカ寓話集」が値段も手頃なので是非読んでみてほしい。と書いてみたが、この「カフカのかなたへ」を手に取る人はこれらの作品はもう読んでいるのだろう…。

カフカのかなたへ4
岩波文庫の『カフカ短篇集』、『カフカ寓話集』の訳者による、カフカについて記された本。

作品を中心に、カフカの人生の片鱗が語られる。それらの作品の謎を紐解くようでいて、その実、新たな謎が加えられる。結果として、謎は深みを増し、カフカの作品にさらなる魅力が付与される。しかも、それらは少しも押しつけがましいところがなく、この書を読み進めるうちに自ずと喚起されるのだ。

池内さんの、カフカと彼の作品に抱く愛情が伝わってくる気がした。