旅行記作家マーク・トウェイン―知られざる旅と投機の日々
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #669047 / 本
- 発売日: 2005-12
- 版型: 単行本
- 251 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリィ・フィンの冒険』の作者トウェインは、旅を生活の基盤とした「さすらいの作家」であった。人生のターニングポイントになった「外国旅行記」を中心にその実像に迫る異色の評伝。
内容(「MARC」データベースより)
「トム・ソーヤーの冒険」「ハックルベリィ・フィンの冒険」の作者マーク・トウェインは、旅を生活の基盤とした「さすらいの作家」であった。人生のターニングポイントになった「外国旅行記」を中心にその実像に迫る評伝。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
飯塚 英一
1949年、東京都江戸川区に生まれる。法政大学大学院博士課程単位取得(英文学専攻)。1974‐75、80年、イギリス留学(イギリス近代小説を学ぶ)。1986年から彩流社の「マーク・トウェインコレクション」翻訳プロジェクトに参加。帝京大学理工学部助教授。栃木県河内町在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
第一印象は何よりも読みやすい!!
この手の本は何か堅いイメージがあり、中々手を出しにくく読み切るのに体力がいるものもありますが、この本は内容が詰まっているのに何ともあっさりと読めてします。
また、マーク・トウェインに関して全く知らない人でも読み終わったあとにはマーク・トウェインの虜になるはず。彼の生涯における"評価すべき点"と"実はこんな事もあった"といった内容は、通常筆者が尊敬の念を持って過剰評価しがちなだけに、なかなか他の本で体験することのできない書き方だと思います。マーク・トウェインの人間らしいところまで見えて私は凄く楽しめました。
前書きで筆者本人は研究本ではないと語っていますがマーク・トウェイン関連本の中ではかなり正確な知識の詰まった本だと思います。私にとってはこの手の本で久しぶりのヒットだっただけに是非とも皆さんに読んでいただきたいです。
また、この本では題名の通り旅行記作家としてのマーク・トウェインを追っています。代表作である"地中海遊覧記"、"ヨーロッパ放浪記"、"赤道に沿って"の3作品を紹介する章があります。これからの本を読みたいと思っている方は、まずそれらの本を読んでみてからこの本を読むと再度読むときに、また違った角度から読めるかもしれません。
マーク・トウェインってだれ?
著者によると、マーク・トウェインの実像はほとんどの日本人が思い描いているイメージと大きくかけ離れているという。
例えば、トウェインはミシシッピ川流域に定住し、『トム・ソーヤーの冒険』や『ハックルベリ・フィンの冒険』のような、ミシシッピ川流域を舞台にした作品を生涯にわたって書き続けたと思っている人が多いが、そうではない、と著者は言う。トウェインがミシシッピ川流域に住んでいたのはほんの数年で、あとはアメリカ西部、東部を転々とし、後年はヨーロッパに移り住んだというのだ。
あるいは、トウェインは『トム・ソーヤーの冒険』を書いて一躍脚光を浴び、その後も少年向けの物語を書き続けたというのも間違い。トウェインはジャーナリストとして物を書き始め、最初にトウェインを有名にしたのは小説ではなく、旅行記だった。
トウェインは五つの旅行記を書いているが、『旅行記作家マーク・トウェイン』では、トウェインがアメリカ国外に出た、『地中海遊覧記』、『ヨーロッパ放浪記』、『赤道に沿って』の三編をとりあげて、詳しく紹介している。といっても、第一章でトウェインの略歴と主な作品、旅行に出た理由などを説明してから、第二章で旅行記の紹介をする、というように、略歴と旅行記の紹介が一章ごとに交互に出てくるので、この本を通読するとトウェインの生涯と主な作品についてもある程度の知識を得られるようになっている。この構成の仕方が効果的だ。トウェインは、人生の節目節目で旅行に出ているのでこのような章立てになったらしいが、三つの旅行記でトウェインの生涯を区切ったことで、この作家の生涯が鮮明に浮かび上がってきた。
著者によると、トウェインは生活に行き詰まったときに、旅行に出ているという。
作家になろうとニューヨークに出てきたトウェイン、鳴かず飛ばずだったが、ひょんなことから新聞社の特派員として聖地巡礼の船旅に出て、寄港地から記事を送ることになった。これが『地中海遊覧記』として結実し、一躍人気作家になる。その後、『西部放浪記』や『トム・ソーヤーの冒険』などを書いて作家としての地位を確立していくのだが、贅沢な暮らしぶりがたたってアメリカでの生活が立ち行かなくなる。そこでヨーロッパを旅行して本を書こうと企てたのが『ヨーロッパ放浪記』だ。『赤道に沿って』は、六十歳になんなんとするトウェインが、寄港地で講演をしながら、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、南アフリカと「赤道に沿って」船旅をして書いたもの。旅に出た理由は投機に失敗してできた借金を返すためだった。
『旅行記作家マーク・トウェイン』を一読すればすぐにわかることだが、著者はトウェインが書いている場所や事物についてよく調べているし、旅行記に書かれていない点などもさまざまな文献にあたってウラをとっている。それもそのはず、著者はトウェインの研究者で、『赤道に沿って』の翻訳者でもあるのだ。(『地中海遊覧記』、『ヨーロッパ放浪記』も一部翻訳している。)長年トウェインの作品に親しんできているから、経歴や作品の紹介は簡にして要、著者ならではの手際のよさだ。文章も読みやすく、小気味よいテンポで話が進んでゆく。例えば、第二章で『地中海遊覧記』を紹介しているくだりなど、まるでトウェインが乗り移っているような書きぶりで、私は夢中になって読んだ。
そして何よりもトウェインの作品にたいする愛情が行間ににじみ出ているのがいい。この本が出たことで、トウェインの実像がある程度一般の読者にも伝わるのではないだろうか。


