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封印作品の謎 2

封印作品の謎 2
By 安藤 健二

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  • 発売日: 2006-02-16
  • 版型: 単行本
  • 255 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
あの国民的名作も消されていたーー
発掘/復刻ブームも最終段階に入った現在、それでもまだ目にできない一部の作品たち。その知名度とは裏腹に「なかったことにされた」これらの物語は、一体なぜ消されているのか ? 
さらにスケールの巨大化した封印事件の真相を追う。

内容(「BOOK」データベースより)
「失われた物語」は、まだ存在する。あらゆる“名作”が発掘・復刻され尽くされつつあるなか、それでもいまだ目にすることができない一部の作品たち。長大なシリーズとして多くの人々の記憶に残りながら、その一部だけでなく、シリーズ全体がなかったことにされている物語。ほんの数年前まで再放送されながら、今ではフィルムが存在するかどうかすら確認できない物語。そして、国民的知名度を誇りながら、誰も知らないあいだに消されていた物語。彼らは、なぜ「封印」されたのか…?戦後の特撮、マンガ、アニメを中心に関係者の証言を徹底的に集め、その“謎”に迫る。大反響を呼んだ新世代ルポルタージュ、待望の第2弾。

内容(「MARC」データベースより)
「失われた物語」は、まだ存在する。目にすることができない一部の作品たち。彼らは、なぜ「封印」されたのか? 「キャンディ〓キャンディ」「ジャングル黒べえ」「オバケのQ太郎」「サンダーマスク」の4作品を取り上げる。


カスタマーレビュー

著作権のかなたにこうした事態が起こりつつあることを知らせる優れたルポ5
 同じ著者による前作「封印作品の謎」を大変興味深く読みましたが、この続編を私は前作以上に感銘を受けながら読み進めました。

 前作は主に、その表現が差別や偏見を含んでいると見なされた、もしくは見なされると危惧されたことによって封印された作品を取り上げていました。「怪奇大作戦」や「ウルトラセブン」の1エピソードが今も再放送やDVD化の対象外であることの背景を著者が丹念に取材していました。

 この続編で取り上げられているのは「キャンディ♡キャンディ」、「ジャングル黒べい」、「オバケのQ太郎」、そして「サンダーマスク」の4作品です。これらはいくつかのエピソードが封印されているというレベルではなく、その作品全体がいまや全く見ることのできないものとなっている点が目を引きます。私は「キャンディ♡キャンディ」については二人の著作権者の泥沼の裁判劇を新聞報道で目にしていたので事の顛末はおおよそ知っていたつもりでしたが、かつて私を大いに楽しませてくれた「オバケのQ太郎」が絶版状態にあるということは全く知りませんでした。

 この本が浮かび上がらせるのは、諸作品の封印の理由が、作品に潜む(とみなされる)差別や偏見というよりは、サブカルチャーをめぐる巨額の著作権ビジネスと、その利権をめぐる関係者の感情的対立にある点です。

 もちろん著作権は豊かな創造物を守るために尊重されるべきものではありますが、使い方次第では子供たちに夢と希望を与えた数々の作品をこの世から消すきっかけにもなりえるようです。

 日本では著作権が切れるのは作者の死後50年ということに今のところはなっています。ということは、かつて「オバケのQ太郎」や「キャンディ♡キャンディ」に胸躍らせた世代が、生きている間に再びそうした作品を気軽に手にすることはもう出来ないということなのでしょうか。
 そのことを思うと溜め息が出ます。

悪意の存在5
それなりの手間と予算をかけた作品が封印されてしまうからにはそれなりに深刻な事情が必要である。本作で取り上げられた封印作品の事情には少なからず悪意が存在する。権利をめぐる確執。当事者不在のまま暴走する「善意」、それにいとも簡単に屈する無責任。ルール不在の中、強者のルールを振りかざした果てに、その後始末が出来なくなり・・・。著者もいよいよ本格的に危険領域に足を踏み込んだようだ、第3巻は発売されるだろうか?いささか心配である。

第三者の善意による行動4
 本作は、現在、作品全体がメディアに公開(再発)されておらず、封印状態となっている『キャンディ♡キャンディ』、『ジャングル黒べえ』、『オバケのQ太郎』、『サンダーマスク』について取り上げられている。
 作品中第何話が封印されているという作品を取り上げた前作と異なり、作品そのものが封印されているため、関係者の証言はよりいっそう曖昧で要領を得ないものになっており、結局のところ、状況はわかったが著作者や関係者の本心はつかめないといった結末が多く、残念ながら(ある意味当然ながら)謎が解けたとは言いがたい作品もある。
 もっとも印象に残ったのが、『ジャングル黒べえ』の章。第一に、「黒人差別をなくす会」による種々マスコミへの抗議行動のあおりを受け、この作品がいわば出版側の自粛(萎縮)により現在絶版状態になってしまっているということ、第二に、その「黒人差別をなくす会」の実態が実は親子3人だけからなる“団体”でしかなかったこと、第三に、そのような“団体”(というよりただの一家族)の“正義感”からなる抗議行動により、多くの作品が封印または修正を余儀なくされたということに、言いようのない怒りを覚えた。
 当時はおそらく世間の誰もが、差別撤廃意識に目覚めた時代であったのだろうと回顧できるのだが、我々は、当事者による抗議の声や正義の行動には真摯に耳を傾け目を向けなければならないが、それとまったく関係のない第三者の善意による行動に対しては、ある一定の警戒心を持って臨まなければならないことを、教訓としなければならない。