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壁の涙―法務省「外国人収容所」の実態

壁の涙―法務省「外国人収容所」の実態
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  • 発売日: 2007-03
  • 版型: 単行本
  • 178 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
母国に帰ることができない外国人たち。入管収容施設でいま、何がおきているのか?「その存在を知ること」からすべてが始まる。被収容者たちの声を届ける徹底調査ルポ。


カスタマーレビュー

知らないでもすまされる。けれども…5
 「ルールを守って国際化」。法務省入国管理局の合言葉を聞けば、「私たち」は「そりゃ、そうだろう」と思う。「不法滞在」、「不法就労」という言葉を「強制収容」や「強制退去」という言葉とセットで耳にするとき、「私たち」は「不法なんだから仕方ないよね」とつぶやく。

 本書は、「私たち」の知らない外国人収容所の壁の内側を、収容された人たちの証言によって克明に描き出した労作。国際機関職員、学生、宗教者、教員、医師、弁護士。さまざまな立場の執筆者が、収容された人たちとのつながりの中から、壁の内側がどんな世界なのか、そこでなにが行われているのか、壁の内側で「私たち」に知られることなく流されている涙を伝えてくれる。それは、「私たち」がつぶやく「仕方ない」に、「ほんとうに?」と問いかけてくる。

 執筆者の一人、山村淳平さんは「おわりに」でこう書いている。「入管で起きていることは多くの人にとって無関係である。知らなくてもすまされる。しかし、それに目を閉ざせば、新たな悲劇が生み出される」。

 「不法」な人がどう扱われていようが、所詮は「私たち」と厚い壁で隔てられた別世界の人たちのこと。しかし、不法/適法の境界線は、「私たち」が思っているほど固定的で縁遠いものではない。厚い壁はそれほど厚くないかもしれない。本書で「私たち」が出会えるのは、入管に収容された「かわいそうな人」の問題だけではない。それは、日本社会がどんなことを「適法」としている社会なのか、「私たち」が生きている社会の「私たち」の知らない素顔でもある。

決して遠くない現実の世界4
主に茨城県牛久市にある外国人収容所を舞台に記述された本。
告発本の一種。
ただありふれた告発本ではなく、淡々と事実を積み重ね、時には告発相手の入管職員に同情したり、極力冷静に事実を見ようとしている。
その姿勢を評価したい。
本書が描く世界は日本でも極小の現場だ。しかし確実に拡大していく現場だ。そして何時関係者になってもおかしくない世界だ。
多くの人にこの現実を知って欲しい。
我々の日常は本書描く世界の延長線上にあるのだから。