続・日本軍の小失敗の研究―未来を見すえる太平洋戦争文化人類学 (光人社NF文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #220582 / 本
- 発売日: 2005-08
- 版型: 文庫
- 285 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
ベストセラー第2弾―現状を把握し、退潮の流れにある日本という国を食い止め、安定した豊かな国造りをはかる最善究極の方策は、過去の失敗の詳細、冷静な分析、評価にある。日本陸海軍の小失敗を解析し、さまざまな角度から考察をくわえた待望の一冊。日本人とアメリカ人の思考と行動の差異を浮き彫りにする。
内容(「MARC」データベースより)
豊かな国造りの最善の方策は、過去の失敗の詳細・冷静な分析・評価にある。日本陸海軍の小失敗を解析、様々な角度から考察を加えた話題の書き下ろし。日本と米国、日本人と米国人の思考から行動までの差異を浮き彫りにする。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
三野 正洋
昭和17年、千葉県生まれ。昭和40年、日本大学理工学部卒業。大手造船会社にて機関開発に従事。昭和42年、日本大学生産工学部勤務。日本大学教養・基礎科学教室専任講師。物理教育および空気力学の研究の合間に、現代史の執筆に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
現代への教訓
前著『日本軍の小失敗の研究』と同じように、旧日本軍の犯した数々の小失敗が列挙されている。前著と異なるのは、最終章で自衛隊に言及し、いくつかの小失敗の可能性を指摘している点である。装甲兵員輸送車、予備戦力、船団護衛、海保との共同訓練、空中給油機、情報公開など。特に、「旧海軍と旧陸軍」の関係が「海自と海保」に引き継がれてしまったのは困ったものである。
野村克也監督の勝利の三条件が、旧陸軍の歩兵操典に書かれていたこととは全く逆であることなどからしても、旧日本軍の犯した小失敗から数多くの教訓を学びとれるはずである。旧日本軍の失敗を現代に生かすとするなら、『失敗の本質』よりも、よりミクロ面からそれを描いた『日本軍の小失敗の研究』及び本書を私はお薦めする。
優良反証可能性(続)
最近、「美しい国」なる言葉が語られていますが、あまりに空々しく、聞くに堪えません。“美しい”などという、初めから肯定的な印象を含んだ抽象的な言辞を弄しては、凡そ「美しい国」ではなく、「美しく見られたい国」か、さもなければ「美しくなければ認めない国」にしかなれないことでしょう。そこには具体的な事柄が排除されており、批判を許さない耳に心地よい言葉は見たくない現実を無かったことにする危険を常に孕んでいるのです。こんな時にこそ、面倒でも着実な小失敗への直視がより価値を持つのであると考えます。
同名の前書に続く本書では、前書の具体性重視の方針を維持しながらも、その動員体制や個々の実戦の分析、果ては自衛隊に関することまで着眼範囲が広げられています。しかし、前には薄かった本書独自の特徴として私が挙げたいのは、まず具体的な数字がより多用されるようになったということです。日・独・英の主力戦闘機の性能向上の指数化や海戦を使った対空砲火の有効性の計算など、時に計測法まで自作しての数値を基にした比較考察は、反論を容易にし、学問的誠実さを裏付けるものです。そして、特も傾聴すべきは精神的な小失敗への言及です。余りに雑多な機関銃・砲を使い続ける配慮の無さ。航空機に現有の技術を使わず、国内で入手可能な木材を使えないという硬直した思考。兵士・国民をまったく信用していない捕虜禁止、虚偽報道。何かあれば愛国心と自己犠牲を最も声高に叫ぶ上級軍人達が平然と行う公私混同や命令無視。著者も言われる通り、これらは物量差とはまったく関係の無い部分であり、最も注目され、反省されるべき太平洋戦争の敗因でありましょう。全力を尽くしたが相手が強すぎたのではなく、全力を尽くさなかったからこそ敗れたと言うべきでしょう。小失敗のひとつに美辞麗句を弄んで空虚な言葉遊びに頼ったというものがありますが、この教訓、現在もよくよく心に留めねばなりません。
軍事書ではなくビジネス書としての傑作
三野正洋氏は軍事評論家としても有名なので、「軍事オタク」のための本、あるいは「軍事オタク」の書いた本と思わないほうがいい。たしかに出版元は軍事関係書を多く出版している。しかし、旧日本帝国陸海軍の失敗と失敗に学ばない体質、硬直した組織、恣意的な意思決定プロセスを語ることを通じて見えてくるのは「組織論」だ。取り上げられている事例は現代のカイシャ、官僚組織の抱える病巣のありようにピッタリ重なる。これは、書店で軍事書ではなくビジネス書の書架に並べられるべき本だ。凡百のビジネス書を超えるビジネス書。ビジネスマン必読。(松本敏之)





