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アマチュアはイラクに入るな―プロのNGOが紛争地でやっていること

アマチュアはイラクに入るな―プロのNGOが紛争地でやっていること
By 吉田 鈴香

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  • Amazon.co.jp ランキング: #10398 / 本
  • 発売日: 2004-08
  • 版型: 単行本
  • 188 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
 2004年4月に起きた「イラク邦人人質事件」を巡り、国内で論議が巻き起こった。“自己責任”論や“ボランティア精神”の称揚、政府批判など論争が広がったが、問題の本質を衝いた議論はほとんどなされなかったと言ってよい。

 つまり、イラクのような紛争地にアマチュア(無防備なボランティア)が飛び込んでいくことの異常さを指摘した人は数少なかった。

 事件前日、紛争地で活躍するプロのNGOでさえ、危険を感じて事務所を閉鎖していた。イラクで活動している日本のNGOはわずか2団体。彼らは情報収集、危機管理、自衛手段において高度な知識とノウハウを備えており、時には民間警備会社を雇い、時には正体を隠して活動している。

 こうしたNGOの活動の全貌を、気鋭のジャーナリストが緊急報告。プロ・アマ意識の低い日本の現状に警鐘を鳴らす。また、日本が紛争地で平和構築をリードしていく上での課題を説く。

内容(「BOOK」データベースより)
ボランティア精神を称揚するのも、個人責任を言い立てるのも、あの状況では間違いである。プロのNGOは万全の準備をした上で、目立たぬよう身を潜めて活動し、人質事件の前には危険を察知して事務所を閉鎖していた!―紛争地のNGO活動を専門に追い続けるジャーナリストだから書ける驚愕の真実。

内容(「MARC」データベースより)
紛争地でトラブルに巻き込まれないために、プロは情報と人脈と防衛手段を駆使する。その全貌を、紛争地のNGO活動を専門に追い続けるジャーナリストが緊急報告。また、日本が平和構築をリードしていくための課題を説く。


カスタマーレビュー

国際的なNGOの活動の全貌を描きつつ、日本が何をすべきかも提言する好著5
タイトルや「緊急出版」であることから、イラク問題に便乗した本のように思われる人もいるかも知れないが、この本に関しては、その心配はない。
著者は、国際的に活動するNGOや、紛争地域での当事者など、現場で働く人たちに長期にわたって取材を積み重ねて来ており、その成果がまとまるきっかけになったのがイラク人質事件であったにすぎない。

むしろ、このような情報が必要とされる時期に合わせてすぐに書くことができたことを評価すべきだろう(私はこの点を評価して5点とした)。

本書では平和のために活動するNGOという「プロフェッショナル」の働き様の概要を描き出している。そして、プロフェッショナルである彼らにどのような仕事を委託しつつ、我々一般市民という「アマチュア」が何をできるかも示している。

しばしば、細かい部分では取材に基づく推測的表現になっている点はあるが、長期間の取材と体験などに基づいているので謝った推測ではないと考えられる(むしろ、推測的表現を使っているのは正直な態度と言える)。
海外の人々のために活動するNGO、政府、国際機関などの全体像をとらえる入門書としてとらえて良いのではないだろうか。

そして、単なる説明に止まらず、日本がどのように国際貢献を行って行くべきかまでも示している。
その一つとして、今後の紛争解決に重要となってくる方策の一つ「DDR(武装解除・動員解除・社会復帰)」を挙げているが、このプロセスの解説も価値のあるものであろう。

陳腐な言葉ですが、目から鱗が落ちました。5
3年前に出た本なのでちょっと古い。イラクで日本人3人が誘拐された事件直後、緊急出版された本らしい。

著者は1958年生まれで、シエラレオネ、東ティモール、ボスニア、コソボ、グアテマラ、カンボジア、ミャンマーなどで取材を行ってきたジャーナリスト。

その著者が本書で言うのは、紛争地で人道支援するためには入念な準備が必要であり、困っている人を助けたい、という程度の意識しか持っていない馬鹿たれは行ってはいけない、ということである。

そしてその根底にあるのは、人道支援を行うためには、自分が生きていなくてはならない、という思想である。死んでしまったら紛争地で困っている人の支援などできない、ということだ。

自分の安全を守りつつ、困っている人たちのために最大限できることをやる、それがプロのNGOなのだという。


ボランティアという行為に対するもやもやしていたものが、この本を読み、すかっと晴れてきました。

 説得力ある説明5
 読み進むごとに、なんと日本人は政府・民間とも甘っちょろい考えで紛争地域と関わっているのかと思い知らされる。  著者は、帯にある「プロのNGO」をアマチュアたる「ボランティア」とを分けて説明し、日本では元自衛官も「ボランティア」並のリスク回避能力しかもっていないと厳しく指摘する。
 ヒューマニズムあふれる現地の人助けで成果を挙げるには、人権・人道の思想、開発支援に関する幅広い知識、ニーズを探し出しそれに応えノウハウ、人道分野における軍事知識等を持ち、プライベートセキュリティーカンパニー(民間警備会社)・現地の宗教や民族のリーダー・国連等と協力し、政府から補助金や活動委託金を、また自国での自主事業や寄付金による資金調達ができなければならない。   とここまで説かれれば、物見遊山や現地の人と接するだけでヒーローになったような高揚感を味わわんがために、リスクを犯して現地に足を踏み入れるのでなく、現地で活動している信頼できる國際NGOの安全なベース国でその活動を学び、自分らの旅費やそれ以上の寄付金集めを日本で行う方が、より成果につながると理解できよう。
 旅をするものにとって、紛争地はとても魅力的に思えるし、1度はその雰囲気だけでも味わいたいものだが、傭兵や民間警備会社の武装警備員が勤まる程度のスキルを持たぬ者にその門は固く閉ざされている事を人質や殺される前に知るべきである。
 もう1点、現地で最も重要なのは情報であり、その収集に努めるために大使は赴任しているのだが、日頃放蕩三昧で、数年赴任すれば日本で家が建つほどの手当ても税金からくすねているくせに、いざ紛争が始まるといち早く逃げ出すような彼らはお役ごめんにして、欧米の諜報機関に業務委託したほうが、クズ情報しか回ってこないとしてもコストパフォーマンスが良いのでないかと腹立たしく思う次第である。