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憲法とその“物語”性

憲法とその“物語”性
By 佐藤 幸治

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  • 発売日: 2003-06-30
  • 版型: 単行本
  • 190 ページ

エディターレビュー

内容(「MARC」データベースより)
「政治の復権」と「法の支配の拡充」を目指して…。今繰り広げられている司法改革の真髄が分かる! 司法制度改革審議会会長をつとめた著者の講演録やエッセイの中から選び出して収録したもの。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
佐藤 幸治
1937年6月9日新潟県に生まれる。1961年京都大学法学部卒業。司法試験委員、行政改革会議委員、中央省庁等改革推進本部顧問、司法制度改革審議会会長などを歴任。現在、京都大学名誉教授、近畿大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

筆者にとっての憲法3
憲法のいわゆる「基本書」も書いている憲法学者である筆者が、どのような思いで憲法と付き合ってきたのか。筆者のいくつかの公演や随筆を束ねたのが本書である。

個人からとらえた自由という概念、そして、憲法を一般の実社会との関係において必ずしもとらえてこなかった憲法学者の反省が感じられる本書である。

憲法を知るという面、憲法に接するということにおいては読むべきところのあるものである。

各人は自己の人生の作者である5
司法試験の必読書である「憲法」の基本書の作者、哲学的で難解な文章の文筆家、いつかは小説を書いて直木賞を取りたいと語る書斎人、そして行政改革会議座長と司法制度改革審議会会長という政治的活動人・・・これらがどうして同居しているのか、長年のなぞでしたが、この一冊でその理由が少しは分かったような気がします。

「各人は自己の人生の作者である。」この言葉にこそ、佐藤憲法学の神髄があるのでしょう。人間とは何かを探し続け、暖かく人間の生き様を見守り、それを実現するこの国のかたちの実現に尽くす、これが筆者の人生の指針であり、「憲法」こそ、その作品であったと理解しています。

今、憲法を理解するために5
本書は何よりもまず、何故個々人には人権が保障されるのかについて書か
れている点を強調したい。

最近の憲法学の所謂基本書を読むと、人間は、ただ人間であるだけで当然
に尊厳なる存在であって生来の権利を有し、故に基本的人権が保障され
る、と人権の根拠について説明します。最早、自然権などを説く必要はな
と・・・。このような説には、それなりの理由があるのでしょうが、人
間が人間であるから保障されるといっても、過去の歴史においてはそうで
はなかったのだから、どうも納得しかねます。

しかし、本書では通説的な人権観ではなく、佐藤先生の考えがより説得的
に説かれています。私たち一人ひとりに着目して、何故人権が保障されな
くてはならないのかを、人格的自律権を中心に述べられています。詳しく
は是非お読みになってください。

因みに、佐藤幸治「憲法」を基本書にしている方は、本書によってより理
解がふかまることでしょう。(私がそうでした。)