バレンボイム/サイード 音楽と社会
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商品の詳細
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- 発売日: 2004-07-20
- 版型: 単行本
- 259 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
ユダヤ人バレンボイムとパレスチナ人サイード。つねに境界をまたいで移動しつづけてきた二人が、音楽と文学と社会を語り尽した6回に及ぶ白熱のセッション。
内容(「MARC」データベースより)
世界的なピアニスト・指揮者のバレンボイム(イスラエル国籍)と、パレスチナについて真摯に語り続けるサイードとが出会う。パレスチナとイスラエルの音楽家を招いたワークショップの話、土地の問題化、音楽と社会を語る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
バレンボイム,ダニエル
1942年ロシア系ユダヤ人の移民の子としてブエノスアイレスに生まれる。1952年にイスラエルに移住。1957年にピアニストとしてデビュー、1962年から指揮者としての活動をはじめ、1975年にパリ管弦楽団の音楽監督に就任(89年まで)、1981年以降はバイロイト音楽祭の指揮者としてほぼ毎年参加、1991年にシカゴ交響楽団の音楽監督、92年にはベルリン国立歌劇場音楽総監督に就任。世界を代表するピアニスト・指揮者である
サイード,エドワード・W.
1935年イギリス委任統治下のエルサレムに生まれる。カイロのヴィクトリア・カレッジ等で教育を受けたあと合衆国に渡り、プリンストン大学卒業、ハーヴァード大学で学位を取得。コロンビア大学英文学・比較文学教授。2003年9月没
グゼリミアン,アラ
1998年9月からカーネギーホールのシニア・ディレクター、芸術顧問。アスペン音楽祭とロサンゼルス・フィルハーモニーの音楽監督もつとめた。有名なカーネギーホール・トークのホストとして、名だたる音楽家たちとの対話を重ねている
中野 真紀子
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
話題豊富で熱い対談に驚かされます。
この本を読んで、先ごろお亡くなりになったピアニストの園田高弘さんが日経新聞の「私の履歴書」にドイツ留学時の経験について書いているのを思い出しました。音楽家たちの対話する酒席での経験を次のように書いています。(以下、抜粋です。)
「音楽の話をしているうちは、まだいい。五分もすれば、話題は文学や美術、演劇など文化全般へ移っていく。そこに加われず、酒だけなめてぼんやりしている僕は、非常な劣等感に襲われた。『これでは駄目だ』と一念発起、日本語に訳されたドイツ文学を全部取り寄せ、原語のレクラム文庫と比較したり、ドイツの新聞を克明に読んだりした。マックス・ウェーバーからテオドール・アドルノにいたる音楽社会学・・・」
この本に掲載された対談も話題豊富で、たいへん熱いものとなっています。「専門バカ」という悪い言葉がありますが、この本を読むとユダヤ人バレンボイムはその悪口に値しないどころか、社会全般に幅広い関心を抱いて音楽活動している様子がよくわかります。親友でパレスチナ人であるサイードという良い対談相手を得たことも大きく関係していることでしょう。フルトヴェングラーをはじめとする音楽家たちはもちろんのこと、ホメロス、ウェルギリウスからディケンズやチョムスキー、ラシュディといった作家たちまで話に登場します。
どうぞご高覧くださいませ。
改めて惜しまれるサイード
出典は忘れたが、アメリカのプロ・ライフ派とプロ・チョイス派についてこういう実験があった。お互いがお互いを「悪魔」とののしりあっていることは周知の事実だが、この二つの考えのグループに共同生活をさせたところ、数ヶ月後にお互いは考えは変えなかったものの、「悪魔」ではなく、「ふつうの人」であると認識するようになった、というものだ。
イスラエルの建国は確かに非合法的なものであろうが、実際問題として今さらパレスチナ人に土地を明け渡し、ディアスポラとして世界中を彷徨うわけにはいかないだろう。現実的にな解決策は「共存」しかないのだ。そして共存するには、お互いの立場、考え方を尊重しあうことが求められる。端的にはかつてのキブツでユダヤ人とパレスチナ人が共同で農作業に当たったように「コラボレーション」の機会をつくることが必要だ。
バレンボイムは他のレビュアーの方が記している通り、ユダヤ人とパレスチナ人の音楽家たちによるオーケストラの指揮をしたり、ワーグナーの作品のイスラエルにおける初演を果たしたり、そういった活動を通じてこの二つの民族の融和に心を砕いてきたことをはじめて知った。またサイードもプロ級のピアノの腕前を持つことは知っていたが、バレンボイムとの交友を通じてお互いに影響を与えあってきたのだ、ということも、この本を読むまでは知らなかった。
それぞれ文学・音楽だけに止まらない第一級の知識人同士の対話。改めてサイードの死が惜しまれる。
感謝!感激!感動のGW!
この本に出会えて、とても意味のある時間を過ごすことができました。
■民族和解の種をまき実行に移したユダヤ人バレンボイムとパレスチナ人サイードの二人が、
音楽と文学と社会を語ります。
冒頭に、「ウェスト・イ-ススタン・ディヴァン・ワ-クショップの若き音楽家たちにささげる」とあります。
1999年ゲ-テ生誕250年の記念日にドイツの都市ワイマールで開かれたコンサ-ト。
そこでアラブ人とイスラエル人の音楽家、ドイツ人音楽家も合流させて編成されオ-ケストラが、
バレンボイムの指導と指揮のもとベ-ト-ベンの交響曲第7番の感動的な演奏を
披露するという取り組みが、この本の誕生のきっかけとなっています。
その二年後、もう一つの試みが行われます。
ヒトラ-が好んだという理由で、かつ本人が強烈な反ユダヤ主義者だったという理由で、
イスラエルでは演奏がタブ-になっていたR・ワ-グナ-の楽劇「トリスタとイゾルデ」(抜粋)を
演奏したのです。
そこには、排他的な民族主義に傾斜している祖国・イスラエルを憂い、
普遍的なものに向けて開放できないかという彼の強い意図があったとのことです。
私は、この本を昨年のNHKの人間講座「いま平和とは」をテ-マにしたテレビ番組
(講師:最上敏樹先生(国際基督教大学教授))で知りましたが、今回この本を手にし、
平和を考える大切なキ-ワ-ドをいただいた感じです。
■同時に、音楽に関する興味深い示唆もいただきました。
・「音楽とは鳴り響く大気だ」 フェルッチョ・ブゾ-ニ
・音楽は民族とか国民性とか言語の境界を越える(=ransnational)。
「モ-ツァルトを鑑賞するためにドイツ語がわかっていなければならないということは
ないし、ベルリオ-ズの楽譜を読むためにフランス人である必要はないのだ」
・難解な現代作品について:音楽にも時間が必要。しかし時の進展に任せるだけではなく、
重要だと思う作品を繰り返し演奏し、何度も聞き、それらが近づきやすくなってくる
のを待つ。難しいものは親しむことによって理解すべき。なれ親しむことが軽蔑を
生むことはなく、理解につながる。





