イラク便り
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #258672 / 本
- 発売日: 2004-01-25
- 版型: 単行本
- 205 ページ
エディターレビュー
日経BP企画
イラク便り
イラクで起きた日本人外交官殺害事件の痛ましさは誰の記憶にも新しいところだろう。本書は事件の被害者となってしまった著者が、外務省のホームページに書き続けた手記を収録する。
本書を読むと、著者らがいかに高い志と強い使命感で復興支援に取り組んだかが分かる。イラク着任当初は水も電気もなく、ほこりまみれ、食事は米軍の携行食という悪条件。それでもイラクの子供たちを見て、彼らが「日本の支援に触れてくれれば、いつか大人になってもその記憶が心に蘇る」と、復興支援に関わる意義を説く。
自身が被弾するわずか半月前の「犠牲になった尊い命から私たちが汲み取るべきは、テロとの戦いに屈しないという強い決意」との記述が、強烈なメッセージとなっている。
(日経ビジネス 2004/02/16 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
出版社/著者からの内容紹介
03年11月イラクで二人の日本外交官が銃撃を受け、殺害された。その一人、奥克彦参事官(当時)が、赴任中に綴った「イラク便り」(外務省HP掲載)を、70数点の写真とともに編纂。中東の大地に散った外交官の思いが行間からにじみ出る。
内容(「BOOK」データベースより)
中東の大地を駆け抜けた外交官の思いとは!注目を集めた外務省ホームページ「イラク便り」の全文を一挙掲載。
カスタマーレビュー
彼の遺したものを無駄にしてはならない
昨年11月、イラクで襲撃され命を落とした奥克彦在英国大使館参事官(死去後大使)がインターネット上で発表していた「イラク便り」、そして「外交フォーラム」や「世界の動き」に寄稿したものをまとめた書籍です。
「イラク便り」の文体はきわめて快活明瞭で、外交官という職務を奥参事官がどのようにとらえて、どのように仕事をしているのかがよくわかります。
中にNGOに対する記述があります。
彼はNGOをパートナーとして大切にとらえており、今回の3人の誘拐事件に対する政府の反応とはちょっと異なっているのには敬服致しました。
また後述の2誌に対する寄稿文も非常に冷静でかつ、彼のイラクに対する愛情さえ感じるものとなっています。
彼のような外交官ばかりだったら、日本の外交はすばらしいものになっていることでしょう。彼の冥福を祈りながら、この本が多くの人に読まれることを期待します。
イラクを知るために、そして使命感を知るために。
イラクについてはとかく自衛隊派遣やテロ攻撃ばかりが報道され、復興状況についてなかなか知る事ができませんが、この本は、きわめてわかり易く、一般人の好奇心のレベルで、イラク復興の現状とダイナミズムを教えてくれます。
イラクの市民生活やCPAの活動についての記述のみならず、イラクでの休日の過ごし方や食事まで、メリハリのある文書で、好奇心を刺激してくれイラクへの知識を深めてくれます。
そして何より、この本の行間には、奥大使のイラク復興に対する真摯な姿勢と崇高な使命感、イラク国民に対する暖かい眼差しがにじみ出ています。
そういった意味では、私たちが日ごろ忘れてしまっているかもしれない、仕事に対する使命感や、ノーブレスオブリージュを覚醒させてくれる自己啓発の本としても読むことができるでしょう。
私は、ホームページに「イラク便り」が掲載されていた事を知りませんでしたし、使命感に燃えた外交官がいる事を知りませんでした。
奇しくも、その存在を、11月29日の事件を契機に知る事になったのは、残念な限りです。
イラク現地からの生の声
2003年11月29日、イラクで何者かに殺害さ㊂?た、奥氏の、
4月23日から11月27日まで㊊??日誌です。
外務省のHPで公開されているもの㊊??す。
「自分の地区の下水処理ポンプを売り飛ばさな㊊??ればならない程の困窮振り
なのです。自分自身を犊??奪してしまっているのです」(p.62)
「戦争が終わ㊊??ても良くなるどころか、かえって生活基盤は悪くなっ㊊??いるため
、自由は手に入れたものの、尋常ならざ㊊??暑さと相まって、住民の忍耐は限界に
来ているよ㊊??です」(p.124)
「サマーワにも5カ所の大量殺害芊??の墓地があって、クルド人とシーア派イラク
人4??00人が埋められていた」サマーワのダフィ市長談(??.158)
「治安や電力供給といったライフ・ラインが犊??持できない占領当局に対して、
一般のイラク人の芊??立ちは限界に近づいていました。自由は手に入れても㊊??生活
基盤は戦争前より悪化したために、当初の米芊??歓迎ムードがかなり薄れてきてい
たのです」(p.192)
「各地でマス・グレイブ(大規模墓地)と呼ばれ㊊??大量の死体埋葬場所が発見さ
れるたびに、サッダー㊊??政権下でどれほど多くの人が犠牲になってきたのかを
改めて思い知らされます」
「「私たちは今とても芊??労しているけど、サッダーム政権がなくなったことだ㊊??
は本当に嬉しく思っている。外国人のあなたに、㊊??のことだけは伝えておきたか
った」と流暢な英語㊊??話しかけられたことが今でも忘れられません」(p.203)
戦後、長年続いたサッダーム体制から解放され、芊??由を手に入れたイラク国民。
その開放感は本物で㊊??た。
しかし、自由では空腹は満たされません。
生活基盤が戦前よりむしろ悪くなったので、占領軍へ㊊??反感が昂じてきます。
それでも、やはり自由は本劊??に手に入れたかったものなのでしょう。
その感動㊊??何者にも変え難いものですね。
<自由>と<生活??、現在に於ける両者の矛盾。
「イラクはサウジアラ㊊??アに次いで埋蔵量世界第二位を誇る産油国です。
㊊??まけに、採掘コストが大変安いので、石油の大量産出㊊??向いています。」
「多くの人が、今回の戦争の目犊??は米国としてイラクの石油を手中に納めること
だ㊊??指摘していますが、イラクでは約80の油井が開発可能㊊??、現在までに、
まだ、17ヵ所しか掘られていないよ㊊??です。日本も採掘権に関心があるところ
ですが」??p.90)
アメリカの石油戦略という背景にも言及し㊊??います。
「安保理での議論に踏まえ、CPA(連合把??定当局)との関係を悪化させない
範囲で徐々に、㊊??ラクの政治プロセスに国連としての関与の度合いを強㊊??ていく
、難しい役回りですが、デ・メロ特別代表な㊊??やり遂げるでしょう」(p.103)
「「政治プロセス㊊??も関与する」と繰り返す特別代表の言を耳にして、「劊??り切
りすぎて大丈夫だろうか。ブレマー長官との劊??割分担がさぞ難しかろうな」など
と気を揉んだも㊊??です」(p.197)
「「米国一極の世界では、国連は犊??国の支持なしには無能の存在だ」という批判
はよく芊??にします。あながち全面否定できないことは今回のイ㊊??クへの武力行使
決定をめぐる経験をみても明らか㊊??す。しかし、(中略)国連という機関の役割
が必㊊??や大きくなってきます」(p.199)
一超大国アメ㊊??カと国連の両者の現段階の難しい関係性についてもよ㊊??認識
していますね。
突出するアメリカ、追随㊊??るしかない国連。
両者の微妙な関係。
しかし、劊??氏は、やはり国連の重要性を深く確信しているようで㊊??。
「毎週日曜日の午後2時から全体会合を開いて、劊??域のありとあらゆる問題に
ついて、評議会員同士㊊??また、米軍との間で話し合っています。このような米芊??
の活動は日本ではあまり報じられていないようで㊊??。ですから、イラクの一般の
人には米軍は受け入れ㊊??れていない、といったイメージが出来上がっているよ㊊??
ですが、実態はかなり異なります」(p.112)
「㊊??ラク人関係者にとってはとまどいの多いことが続くよ㊊??ですが、着実に、
透明で民主的な予算プロセスを把??みつつあるようです」(p.150)
徐々にではあれ㊊??イラクで下からの民主化が創造されつつあるようです㊊??。
その他、インターネット・カフェが繁盛している㊊??も、民主的な情報を求める
イラク国民の希求なの㊊??しょうね。
ソ連・東欧圏崩壊に一役買った現代の把??報社会化・インターネット。
北朝鮮もそうですが㊊??独裁者には情報統制が付き物ですからね。
「ヒッラ㊊??街の南方で約1万5000体の虐殺遺体が発見された㊊??報じられ
ました」(p.68)
「この12年間(湾岸戦䊊??後)、行方が全く解っていないクウェートの人々が
605人もいるのです」(p.74)(クウェート人は9??万人)
クウェートは戦争終結前から人道支援物資㊊??送っていた。その箱に、
「さりげなく行方不明者㊊??名前を記した箱を送っているのです、恩讐を超えて
ということでしょうか」(p.76)
「バース党員にな㊊??た人達の中には、思想信条の問題としてサッダーム・㊊??セイ
ンを礼賛している訳ではなく、自分の職場で㊊??る程度の地位を得るために仕方な
く党員になった䊊??も多いと言われています。そのような人達まで一気に把??除して
しまうと肝心の組織が動かなくなってしま㊊??ます」(p.78)
「韓国内では、米軍への反発からあ㊊??り表だって協力姿勢を見せられないため、
イラク劊??興支援の現場に兵員を派遣することで、韓国としての劊??米重視の姿勢を
示しているのかもしれません」(??.86)
「何時の日か聖火が、イラクや、パレスチナ、㊊??スラエルを通って民族の違いを
乗り越えて手渡さ㊊??るようなルートが実現する日がくれば、平和の祭典に㊊??さわ
しいことではありませんか」(p.96)
「戦争犊??結後も、イラク・ディナールは米ドルとの関係で、高把??まりし、むしろ
ドル安に動きました」(p.108)
㊊??現在4000人のイラク人警察官が採用されています㊊??、ゆくゆくは5万人
規模にすることをCPAでは芊??えています」(p.141)
「イラクの公務員は省庁に劊??める人達だけでなく、「会社」勤めの人も入れて
芊??えなければいけません」(p.148)
蘭軍は、「CP??が行っている民政に直接参加することは、議会で認め㊊??れて
おらず、占領軍としてジュネーブ条約上の義劊??を負っている治安維持活動のみが
許されている、㊊??いう立場です。つまり民生面での蘭軍の参加は法的に芊??められ
ていないという考え方です」(p.157)




