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西尾幹二の思想と行動〈2〉日本人の自画像

西尾幹二の思想と行動〈2〉日本人の自画像
By 西尾 幹二

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  • Amazon.co.jp ランキング: #324846 / 本
  • 発売日: 2000-11
  • 版型: 単行本
  • 538 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
国際社会が見えない日本人に警鐘を鳴らす
著作集第二巻
『国民の歴史』の原型を成したドイツでの講演録「近代日本とは何か」の全貌とパリ国際円卓会議での『国民の道徳』の著者・西部邁氏との大激論を初収録。文学論、外国人受け入れ問題、経済論など、80年代を中心に著者が歩んだ足取りの全容に迫る。

内容(「BOOK」データベースより)
『国民の歴史』の原型を成したドイツでの講演録「近代日本とは何か」の全貌とパリ国際円卓会議の激論を初収録!国際社会が見えない日本人に警鐘を鳴らす著作集第二巻。

内容(「MARC」データベースより)
行動する思想家が西欧でつきつけた「日本人の自画像」とは? 「国民の歴史」の原型を成したドイツでの講演録「近代日本とは何か」の全貌と、パリ国際円卓会議の激論などを収録した著作集第2巻。


カスタマーレビュー

思索の宝庫、永遠の言葉5
 自国の戦争責任しか問えぬ日本の被虐史観に反発してきたつくる会にあって一人、国民的支持のある小泉首相を論敵にしようとする無謀な姿こそが被虐趣味ではないか、と心配していたところ、会と距離をとって著者の人生の最終的思索の段階に入ったようであり、ほっとしている。著者も活躍してきた『諸君!』や『正論』の展開しているような日本主義が今後さらに確固としたものになるとすると、戦前より過激で単純な日本主義が再現する可能性もあり、そうした時に著者の言葉をナショナリズムの思想としか読めないようでは何の価値もないものになってしまうだろう。同様に著者の仕事をショーペンハウアーの翻訳やニーチェ研究とだけしていたのでは汲み尽くせるはずはない。
 日常のありふれた出来事を描写する著者の言葉は特別なことを体験したのではなくごく普通の体験を表現したものであり、かつそれが文化論、文明論にもなっているというスタイルをもっている。あくまで通常の体験だがそれを遺漏なく綿密に言葉にしたものでありながら同時にそれが何処かで文明史、文化史とつながっている。
 著者はドイツ文学者であるが普通のドイツ文学者ではない。ゲーテとは違うかたちで独立不羈の人生の中に批評家の精神と芸術家の精神を内包しており分裂せずに調和しており、行間ではなく言葉自身に芳香を放たせることのできる真の文芸作品を作り出すことに成功した稀有の思想家なのである。文芸の芳香は刺激でも微弱でもなくちゃんと匂うものである。著者にとってのドイツ文学は、田中美知太郎にとってのギリシャ哲学や福田恆存にとっての英文学と同じような地位を占めているわけではないのかもしれない。しかし、どの編からも読み取れるのはアウシュビッツ後のドイツとともに著者の人生があったということである。
 西尾幹二にとっての日本とは何か。それは近年の主要テーマであるから見えている分だけ分かったような気になっていて、西尾幹二にとってのドイツとは何か、ドイツ思想史とは何か、ニーチェとは何かについてはなお浅薄な読者である私には判りそうもない。この思想家の最期迄には何かしらの栄誉が与えられないものかとも思うが、本人が承諾できそうなものはそうないだろう。
 結局、ここに思想家の記念碑を見て、今後全集が編まれることを期待し読み継いでいくこと以外にないのではないか。