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立法学―序論・立法過程論

立法学―序論・立法過程論
By 中島 誠

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  • 発売日: 2007-10
  • 版型: 単行本
  • 320 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
我が国における政治・行政の閉塞状況を、立法過程の分析・考察を通じて構造的に解き明かし、内閣主導に踏み出した小泉政権の意義を総括しつつ、今後向かうべき方向を展望する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中島 誠
1960年兵庫県生まれ。1984年東京大学法学部卒業後、厚生省入省。2001年8月厚生労働省大臣官房企画官(人事・省庁再編担当)から九州大学大学院法学研究院助教授(立法学、社会保障法)へ出向。2004年7月厚生労働省健康局生活習慣病対策室長。2005年8月厚生労働省大臣官房参事官(健康・医療保険担当)。2006年9月厚生労働省政策評価官。2007年9月国土交通省住宅局在宅政策課長。一橋大学大学院法学研究科客員教授。筑波大学法科大学院非常勤講師。早稲田大学大学院法学研究科非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

定番の基本書5
3年前に刊行されて評判を呼んだ書の新版。
小泉政権の意義、位置付けを追補するとともに、欧米での政治任用、
行政立法など随所に加筆が施されている。
初版での基本的主張は新版でも変わっておらず、(日本伝来の)ボトムアップ
による調整型の意思決定を基本とした、政府・与党二元体制の下での、
決定と責任の所在が不明確な、部分利益の積み上げに終始する「分配の政治」
と訣別するために、(日本伝来の)リーダーシップの封印構造を打破して、
内閣主導の政治システムを確立する必要があるとするものである。
我が国における政治的意思決定の過程を、段階を追って制度及び実態の双方から
丹念に描き出すとともに、主要な論点(政官関係、官僚制、政治主導)については
独立した章を設けて論じており、その文章のわかりやすさ、歯切れよさと相俟って、
大変読みやすいものとなっている。
難を言えば、官僚のアイデンティティークライシスを強調する一方で、
近年の公務員制度改革を巡る評価について件の歯切れのよさが見られないが、
これは、現役官僚ゆえに書かないというより書けないことに因るものかと推察される。
初版は公共政策系科目の教科書として多くの学校で採用されたと聞くが、
新版もまた、定番教科書、定番研究書として、基本書の地位を占めるであろう。

他に類書なし5
立法学という書名から立法技術に関する解説書かと思い、手に取ったところ、
立法過程の制度と運用(我が国の議院内閣制の特徴)を通じて、日本政治の
特質を見事に浮かび上がらせており、一気に通読してしまった。
霞が関住人としての経験知と諸学問での研究成果を上手く融合させるとともに、
単なる理想論ではなく現実的な考察を体系立って積み重ねていく手際は
なかなかである。また、これまでブラックボックス化していた立法を巡る
表には出て来ない(出て来たとしても断片的)インフォーマルな動きの実態が、
本書によって明らかになったことは、立法過程に関する今後の研究の深化にも
資するに違いない。
日本政治に対する義憤と、あるべき姿を見失いつつある官僚への憐憫の情が
ひたひたと伝わってくる好著である。

行政実務家の手で書かれた本。良書と思う。5
 公共政策大学院における講義向けの文献かと思うが、そうでない人も十分楽しめる。
 特に、参考図書が多く紹介され、参考図書からの引用が多いため、読み物として楽しめる。特に政治家の本は多くなかなか買えないので、このように触りを紹介してもらえるとありがたいという印象。
 内容的には、「立法学」といいつつ、昔で言う「行政学」、「政治過程論」をリアルに書いた実務書という印象である。
 つまり、フォーマル、インフォーマルな意思決定のプロセス、誰が意思決定にかかわるかについては、大変よく分かる。
 また、第4の権力と言われる「マスコミ」について取り上げてあるのも新しいように思う。

 おもしろいのは、行政実務サイドからのアカデミズムへの批判である。 
 大学在学時代にもよく感じたが、社会分野の先生が象牙の塔に籠もっていて、現実的な問を解決する努力が欠けているように思えた。
 実経済や実社会とアカデミズムの交流の中からこそ、意義ある研究成果、あるいは新しい理論が出てくるのではないかと思っているのだが、理想論過ぎるだろうか?
 実際、社会人が直面している日々悩ましい問題の解決、あるいは中長期的な方向付けに何かアカデミックな書籍が参考になる日が来て欲しいと願っている人は多いであろう。

 個人的には、「立法学」という以上、いかなる場合に法律が必要か、立法と他の手段が選択できる場合にどのような判断に拠って立法を選択するのか(特に規制法のケース)という、「そもそも、なぜ立法が必要か」という根源的な問(法源といってもよいのだろうか?)についてもう少し何か書いてもらえるとよかったと思う。