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ユーカラの人びと 金田一京助の世界1 (平凡社ライブラリー)

ユーカラの人びと 金田一京助の世界1 (平凡社ライブラリー)
By 金田一 京助

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  • Amazon.co.jp ランキング: #34597 / 本
  • 発売日: 2004-04-08
  • 版型: 単行本
  • 294 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
明治三十九年、著者は平取にてユーカラと出会う。―変幻怪奇な無限の曲を分化していて、その長いものは、冬の夜長、ほだ火を囲んで、寝るを忘れ、一夜をうたい明かして、夜のしらじらと明けるころ、やっと一曲終る。これが、金田一アイヌ学の始まりだった。樺太、北海道で、ユーカラの世界の人びととの心暖まる交流を描く、感動の随筆集。

内容(「MARC」データベースより)
明治39年、単身北海道へ渡った著者は平取にてユーカラと出会い、金田一アイヌ学は始まった。樺太、北海道で、ユーカラの世界の人々との心暖まる交流を描く、感動の随筆集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
金田一 京助
1882年、岩手県生まれ。言語学者。国学院大学教授、東京大学教授を歴任。盛岡中学時代には短歌を詠み、与謝野鉄幹主宰の『明星』の同人となる。石川啄木とは高等小学校以来、啄木が亡くなるまで親交があった。東京大学の学生時代にアイヌ語に関心を持ち、その研究は、アイヌ語、アイヌ文学、アイヌ文化全般にわたって生涯続けられた。とくに、アイヌ叙事詩ユーカラの筆録とその研究に新分野を開拓し、『アイヌ叙事詩ユーカラの研究』全2巻(東洋文庫論叢)で学士院恩賜賞を受賞した。一方で、国語辞典や教科書の編者としても知られ、現代仮名遣いについての提言も行った。1971年没

藤本 英夫
1927年、北海道生まれ。北海道大学卒業。元北海道埋蔵文化センター理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

樺太アイヌ語5
樺太アイヌ語の収集の苦労が最初に書かれている。

絵をかいて、それをなんと呼ぶかを聞くのがよいという方法が大事であることがわかった。

警戒する大人に比べて、くったくのない子供を攻めるのがよいこともわかった。

子供は絵に興味があるので、絵をかけば集まってくることもわかった。

北海道では目はシクであり、樺太ではシシというとのこと。

アイヌ語調査の苦労が分かった。

ユーカラクルとの交流録5
本書は金田一京助の随筆の中から、アイヌ語研究に関するものを集めた一冊です。
学術的な内容ではなく、彼の研究を巡る人々との交流史と言ってよいでしょう。
ことに、彼に多大な影響を与え互いに響きあった知里一家との出会い「近文の一夜」は繰り返し劇的に語られます。
「アイヌのホメロス」と称えた紫雲古津のワカルパ翁とのエピソードや、コポアヌ婆さんとの交流もまた然りです。
生前の金田一氏は、女性的な優しさを持ちながら、同時に熱情的な口調の持ち主であったと言われます。
本書の文体からは、それがそのまま伺われる気がします。

とはいえ、行間からはアイヌ語研究にまつわる苦労も伺われます。
まだ貧窮していた金田一家を訪れるアイヌの人々に対する彼の家族の感情や、
習俗の違いから来る誤解など、直接的には語られないものの、現実には美しい話だけでなかったことは分かります。
金田一氏の研究に、様々な批判があることも知っています。
人の死の局面に臨んで、なおユーカラの採録に努めようかという姿勢に疑問を呈する人もあるでしょう。
「近文の一夜」のエピソードも、人によっては非常識と映るでしょうし、知里幸恵に語った言葉もまた、意見があるに違いありません。
現在の観念からすれば適切でない言葉使いや表現が、文中に数多く含まれているのも事実です。
しかし明治から昭和にかけての通念が今と同じである筈がなく、
逆にそこまで時代から飛躍してしまっていれば、彼の研究もまた成果を挙げられたか、どうか。
アイヌの口承文芸である「ユーカラ」の価値が認められたのに、彼の貢献がいかに多大であったことか。
知里幸恵の日記を読んだことがあります。そこには溢れるような金田一氏への尊敬の気持ちが綴られています。
私はできれば、それを信じていたいと思います。

金田一京助が出会ったユーカラの人びと4
21世紀の現在、アイヌといえばユーカラが思い浮かぶのは自明だが、そのユーカラを「発見」したのが金田一京助であった。アイヌは昔も今もユーカラを謡っていたが、それが叙事詩であることに気づいた最初の人間が金田一京助であった。
その発見の過程や、そこからアイヌ研究に人生を賭ける決心をする過程が興味深い。官僚風な服装から部落へ行っても警戒され話も出来ない状態から、会話をしアイヌ語を書き取るまでに至る過程は、関心を引く。
この本人は、何人ものアイヌの人びとが登場する。ユーカラ名人のワカルパ、金城マツ、知里幸恵、名寄や樺太のアイヌの人びと。私が興味を持ったアイヌは、コポアヌ婆さんである。明治の時代に、家族不和から家出のような形で上京したことをきっかけにその後8度も上京し、そのたびに稼いでおみやげをたっぷりもって帰る婆さんである。そのたくさましさが読んでいておもしろかった。
★一つ減点したのは、この本は雑誌や新聞の記事などをまとめたものであるため、同じ人物の説明が何度も出てくることである。繰り返しの説明のためくどさがあるが、本の性質上、これは仕方のないことだろう。ただし、各記事から表れる金田一京助氏の人柄、研究姿勢、アイヌの人びととの関わりを知るにはよい本かと思う。