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東北アジア共同の家をめざして

東北アジア共同の家をめざして
By 姜 尚中

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  • Amazon.co.jp ランキング: #326729 / 本
  • 発売日: 2001-11
  • 版型: 単行本
  • 231 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
暴力とナショナリズムを越える和解の政治学。ポスト冷戦時代の東アジアの新しい秩序のために、21世紀の日本政治はどのような政治的構想力を発揮すべきか。

内容(「MARC」データベースより)
21世紀におけるアジアの中の日本はいかにあるべきか。冷戦構造とナショナリズムを超えた東アジアの新たな秩序と日本の取るべき政治の構想力を、気鋭の論者が大胆に提言する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
姜 尚中
1950年生まれ。現在、東京大学社会情報研究所教授。社会・政治理論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

相手とのダイアログが機能していない2
私個人は著者の意見に総論としては賛成できる。私自身がおそらくどちらかというと右派を嫌う考えを持っているからだと思う。
朝日新聞を、大変不満だがいちばんマシかな、と購読し、プロ野球の開幕戦を西武ドームに見に行って、国歌斉唱の際に
戸惑って座っていたのが私である。だから、著者とはすごく意見が合うはず…。

だと思ったのですが、結局他の政治家と同様、個人の意見を言っているだけの本だと感じました。
例えば「はじめに」で登場した「内戦は、宗教集団の闘争によって説明されるのではなく、逆に宗教集団は内戦の
結果として現実の存在になったのである」という意見は、確かに宗教闘争を内戦の理由とするよりは有益な意見だろう。

だからといって矢印を逆にしたらそれで終わりではない。しかし、それを断定調で片付け、その意見を前提に「とすれば…」
「つまり…」と議論が続く。それが一冊続くがために有益な意見でも読者に大きな違和感を与えてしまう。

結局、著者は優れているものの、意見の異なる人と歩み寄ろうと言う意識がないと感じた。違った意見を持つ人に配慮する

議論がほとんどないのもそうだ。だから、著者の意見に限りなくシンクロできる人間でない限り、筆者の意見を受け入れられない。
さらに、話が長くて要点が次第にずれていく。途中収録されている中谷元防衛庁長官とのやりとりは面白い。
お互いに意見が全くかみ合わず、質問しても答えがストレートに返ってこない。話が間延びしてぼかされる。

結局何の理解の進展のないまま、議論がないまま「ありがとう」で議論が終わる。これでは右派だの左派だのがそれぞれ
別の道を行くだけだ。終始このような感じで議論が行われ、いい意見を言っていてもかき消されてしまう。

自分の意見を主張するばかりでなく、政治的に違った意見をもつ人間と、しっかりダイアログしようとする意識を持つべきだと考えた。

これでは折角の研究や思考が台無しである。六カ国協議を早くから提唱していたことなど、言っていること自体は
悪くないのだから…。

拉致に関連して在日朝鮮人を敵視するのは?4
著者は,アメリカ一国のみならず,中国・両朝鮮・ロシア等近隣国全般との多極的な政治的経済的関係の構築を重視することで,政治的経済的な決定的破局を防止するネット(「東北アジア共同の家」)を作るべし,それが日本の新たなビジョンである.そのために日本で最近流行の偏狭なナショナリズムの水位を下げることが必須である…と主張している.

著者の主張内容は至極真っ当で申し分が無い.確かに,日本と両コリアとの外交関係が悪化するごとに在日朝鮮人への偏見が強まっている.しかし両者は区別して考えるべき問題だ.
なお,著者への今後の期待を込めて厳し目に評価し,星を一つ引きます.

東北アジアの将来への深い想い5
一読して、姜氏の東北アジアの将来に対する深い想いが強く伝わってきた。日本の論壇に、これだけ総論から各論までの様々なレベルで、東北アジアの将来構想を立ち上げられる人物が居るかどうか。我々はもう少しアジアに思いを馳せるべきなのだろう。21世紀はアジアの世紀なのだから。
姜氏は、朝鮮半島を永世中立化し、米中日ロが集団安全保障体制を築く構想を描いている。またこの中で、日本が積極的な役割を担えば、米国一辺倒のゆがみを矯正できるとしている。「文明の衝突」(サミュエル・ハチントン著)にもあるように、日本は歴史的に強国と寄り添う事で存続してきた「独立した文明」だ。様々なアジアブームが示すとおり、したたかな日本人は既にアジアへのシフトを開始している。日本人が、「欧米シフト」になったのはたかだか南京条約以後でその前の「アジアシフト」の時代のほうがずっと長い。心配なのは、政府機構や官僚機構は常に対応が鈍いことである。
日韓関係において姜氏は、歴史認識を共有する事は不可能とした上で、何故違うか、どこが違うか、を理解しあう為の様々な方策を提案している。伊藤博文と彼を暗殺した安重根の人生を日韓合作の映画にする、というのもその一つだ。伊藤博文を韓国人に、安重根を日本人に、という配役も指定している。是非見たいものだ。