中国古典文学大系 (47)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #886711 / 本
- 発売日: 1971-01
- 版型: -
- 504 ページ
カスタマーレビュー
封建的でもええやんか
時は清朝。科挙に向けての勉強に明け暮れ、家向きのことにはまったく融通の利かない世間知らずの名家の堅物父子。その窮地を救ったのは、石臼を指でつまみあげ、日本刀を振り回しては悪党どもをバッタバッタとなぎ倒す、娘にして英雄の十三妹。
こうくれば、その後は十三妹の中国をまたに掛けた活躍が…と期待したくなるところなのだがさにあらず。「おいおいそれでいいのか十三妹!?」と言いたくなるような展開の末に、血沸き肉踊る活劇を期待した読者はひっくり返ってしまうような大団円でめでたしめでたし。この話、実は安学海さまと若さまが主人公だったのですね。
まあ実際、「『児女英雄伝』に見る封建制度の呪縛」だとか「ジェンダーの視点から見る『児女英雄伝』」なんてテーマをとれば、いくらでも書くことがありそうだ。
(そのあたりについては巻末の解説も明快に書いている。)
しかし、である。そんなところを認めた上でもなお、このお話は不思議な魅力を振りまいている。翻訳もいいのだろうが、講釈に形を取った全40段は流れるように展開し、先へ先へと読者をいざなうその語り口は絶妙としか言いようがない。
そして何より、斬られ役や端役を除けば、登場人物がみんな「いいひと」なのである。泣き虫だったり頑固者だったり乱暴だったりお調子者だったりといろいろであっても、誰もがそれぞれに魅力的であって、読んでいてつい頬が緩む。作者は大真面目な教化のためにこの作品を執筆したらしいのだが、それとは別のところで読み手を惹きつける作品である。

