87分署グラフィティ―エド・マクベインの世界 (双葉文庫―日本推理作家協会賞受賞作全集)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #610365 / 本
- 発売日: 2003-06
- 版型: 文庫
- 432 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
架空の都市アイソラを舞台にしたエド・マクベインの87分署シリーズは、1956年の『警官嫌い』以来、警察小説の代表的作品として読み継がれてきた。そのシリーズを徹底的に分析し、創作の秘密に迫っていく。マクベイン自身よりも87分署に詳しいと言われる、精緻な研究の成果をたっぷりとこの一冊に。第42回日本推理作家協会賞評論その他の部門賞受賞。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
直井 明
1931年東京生まれ。東京外国語大学インド語科在学中、南達夫名義で「宝石」の懸賞小説に佳作入選。商社に入り、カラチ、ヒューストン、ニューヨークなど海外支店に勤務するかたわら、ミステリーを耽読。とくにエド・マクベインに惹かれ、1984年に研究書『87分署のキャレラ』を刊行。さらに、日本推理作家協会賞『87分署グラフィティ』『87分署シティ・クルーズ』などをまとめる。『87分署グラフィティ―エド・マクベインの世界』で第42回日本推理作家協会賞評論その他の部門賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
87分署シリーズ研究家による87分署ファンのためのたのしいアメリカ世俗史ガイド
87分署研究で知られた著者ですが、本作は作品解説、登場人物紹介が並んだ単なるシリーズ入門のガイドブックではありません。
87分署シリーズからアメリカ現代史を透かし見るためのガイドといった趣です。
シリーズ原作者エド・マクベインはシリーズ作品の中で時代背景を意識的にぼかしている(サザエさんやドラえもんなどもそうですが、長寿作品にはよくあることです)のですが、本作の著者は作品中に直接的・間接的にあらわれる映画、演劇、音楽、詩(!)の題名や俳優・監督・演出家の名前、セリフや歌詞の一フレーズ、食事、服装、物価、世相などなど時代を推測できる材料を集めてそのシリーズ中の作品背景を浮かび上がらせようとしています。
作品の単なる読み込みにとどまらず、断片的な情報から起源をたどる様子はさながらそれ自体が刑事の捜査を思わせます。ただただ著者の執念と博覧強記ぶりに圧倒されます。
しかしながら平易な文章もあり、楽しく読みやすく、87分署ワールドを楽しみながら、シリーズ第一作が書かれた朝鮮戦争から現在進行中のアメリカを垣間見ることができます。人種差別、公民権運動、ジェンダー問題、ベトナム戦争、湾岸戦争・・・。
とりわけいまとなってはなじみが薄いニクソン大統領とウォーターゲート事件当時の世相と事件の経緯、それが作品にどうにじみでてきているかという章は読み応えがあります。
過去に読んだシリーズ作品を読み返そうか、と思わせる楽しさに満ちた作品です。おしむらくはこの本は87分署シリーズの入門書ではなくシリーズを多少なりとも知っ!いるということが前提になることです(それで星1コ減点)。




