夢はるかなる (PHP文庫)
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商品の詳細
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- 発売日: 2009-03-02
- 版型: 文庫
- 453 ページ
エディターレビュー
内容紹介
日立製作所、日産自動車、ジャパンエナジーの基礎となった久原財閥の総帥・久原房之助。
「鉄鋼王」の異名を馳せ、生涯を通じて「ユートピア」建設のロマンを追いかけながら、
草創期の日本基幹産業の発展に挺身した屈指の実業家である。
長州の商家に生まれた房之助は、慶応大学卒業後に貿易会社に就職するものの、
ニューヨーク支店への栄転の夢を目前にして断念。経営難に陥っていた一族企業・藤田組の
危機を救うべく、鉄鋼業の道を歩み、破竹の大躍進を果たす。
一代で巨万の富を築きながらも、第一次大戦後の恐慌の煽りで事業難に陥り、
政治家へと転身。逓信大臣、立憲政友会総裁を歴任し、日中露の「三国緩衝地帯論」を
唱えるなど理想家の片鱗を見せつつ、「政界の黒幕」として近代日本の政治・経済に
多大な影響を及ぼした。
歴史の変革期である激動の明治、大正、昭和を縦横かつ奔放に闊歩した「巨人」の生涯を描く
力作長編小説。『惑星が行く』を改題。
内容(「BOOK」データベースより)
日立製作所、日産自動車、ジャパンエナジーの基礎となった久原財閥の総帥であり、「鉄鋼王」の異名を馳せた久原房之助。一代で巨万の富を築きながらも、第一次大戦後の恐慌を機に政界へ進出。逓信大臣、立憲政友会総裁を歴任し、「政界の黒幕」として近代日本の政治・経済に多大な影響を及ぼした。激動の明治、大正、昭和を痛快に闊歩した巨人の生涯を描く力作長編小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
古川 薫
大正14(1925)年、山口県下関市生まれ。山口大学卒。山口新聞編集局長を経て、文筆生活に入る。平成3(1991)年、オペラ歌手・藤原義江を描いた『漂泊者のアリア』で第104回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
絹のハンカチこと藤山愛一郎氏と並ぶ、井戸塀政治家の代表格
昭和前期の政治史で「惑星」と称され、立憲政友会のなかで中島飛行機の「中島知久平」に対抗して、政友会久原派を率いた「久原房之助」の生涯を丹念に描いている。著者「古川薫」氏にとっては手馴れた長州人脈もので、長編にも拘らず、すんなり読めた。
前半生は「久原鉱業(日立鉱山。のち傍系企業に現・日立電機、ニッサン自動車など)」の経営者、後半生は政治家として、きわめて波乱に富んだ人生を送った主人公だし、家庭的にも艶福家なら、人脈的にも、井上馨、藤田伝三郎、鮎川義介、松岡洋祐、岸信介、佐藤栄作、安倍晋三らに連なる錚々たる閨閥を持つ人物なので、ちょいと間違えると単なる関係説明だけに振り回されてしまうところ、手際よく捌いて上質な読み物に仕上げている。
久原房之助が亡くなった前後、たしか、重なるようにロシア革命初期のリーダー「ケレンスキー」の死去もニュースになったような記憶がある。どちらも「歴史上の人物」だと思っていたので、「まだ生きていたの?」という感じだったけど、主人公の久原は、政界入りが60歳、日本敗戦のとき既に77歳、亡くなったときは何と享年97歳だったという。
その久原が、スターリンや毛沢東と会見する機会を持ったというのは、本書で始めて知った。結果的に、政治史のうえでは何の意味も持たなかったため、歴史書には出て来ない話題だが、やはり、そのあたりは政治家の生き様を題材にした小説ならではのエピソードといえよう。
実業界で成功してから政界に転身して、藤山愛一郎も久原房之助も、資金力にものをいわせて一派を率いてはみたものの、二人とも政治家としては成功したとはいえないあたりに日本的な政界風土を感じさせるといえよう。

