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フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」

フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」
By 奥山 清行

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  • Amazon.co.jp ランキング: #7125 / 本
  • 発売日: 2007-03
  • 版型: 単行本
  • 193 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
フェラーリのデザイナーが初めて語る、デザインの要諦、ものづ
くりの秘訣とは......?
著者の奥山清行氏は、フェラーリのデザインを担当するカロッツェリア(イタリ
アにおけるデザイン工房)であるピニンファリーナ社で、デザインの総責任者で
あるデザイン・ディレクターを務めた人物である。
著者はこれまで、「エンツォ・フェラーリ」や「マセラティ・クアトロポルテ」
などの超・高級車をはじめ、クルマ以外にも家具などのインテリアやロボッ
ト、都市計画でもデザインを行うなど、幅広いジャンルで活躍してきた。その著
者が2006年、ピニンファリーナ社を退職し、自分の事務所を立ち上げたのを
機に、自らの経歴と海外、特にイタリアの文化とものづくりに触れながら、日本
のデザインとものづくりについて語ったのが本書である。
世界中からその才能を求められる日本人デザイナーが、自身の考えるデザインの
在り方を通して、「最高の価値」を生み出す方法を語る。

内容(「BOOK」データベースより)
自動車、インテリア、都市計画…あらゆるジャンルで活躍する日本人デザイナー奥山清行が語る「最高の価値」の生み出し方。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
奥山 清行
工業デザイナー。1959年、山形市生まれ。県立山形東高校卒業後、武蔵野美術大学に進む。卒業後、米国のArt Center College of Designに学び、GM(米)、ポルシェ(独)にてチーフデザイナー、Art Center College of Designにて工業デザイン学部長を歴任。フェラーリなどの自動車デザインを担当するピニンファリーナ(伊)にてデザインディレクターの要職を経て、独立に至る。カーデザイナーとしてフェラーリやマセラティなどの自動車、ドゥカティなどのモーターサイクルをデザイン。同時に各種工業デザインの分野で、電車、航空機などの公共交通機関、家具、プロダクト、インテリアデザインはもとより、空間デザインや都市計画まで幅広く手掛ける。KEN OKUYAMA DESIGN代表。Art Center College of Design客員教授、中央美術学院(中国)教授、多摩美術大学客員教授、金沢美術工芸大学客員教授、グッドデザイン賞選考副委員長、山形カロッツェリア研究会代表。『フェラーリと鉄瓶―一本の線から生まれる「価値あるものづくり」』は初めての著書である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

創造性の可能性に感動5
著者は「エンツォ・フェラーリ」をデザインした奥山清行氏です。
最近話題になっている「クリエイティブ・クラス」という概念を
デザイナーという立場で色々な方向から具体的に解説されています。
奥山氏の経験がベースになっているのでとてもイメージがしやすいと思います。
デザイナーだけでなくプロジェクトをリードする方々に「クリエイティブ」というエッセンスを加味してゆく上での参考に成ります。
奥山氏の中間管理職としての失敗談はとても貴重な話だと思います。
そして日本人のクリエイターと日本の地方の産業がバブル崩壊後忘れて、
触れることをためらってきた
「クリエイティビリティーとコミュニケーション、インディペンデンス」
を掘り起こそうとする奥山氏の情熱には感動します。

日本産業のこれからの方向性を考える題材に良書。5
米・独・伊という異なる言語と環境で仕事をしてきた奥山氏が見つめ続けた日本。氏の日本人観、職人観は傾聴に値する。また、イタリア人の一見陽気に見える行動の背後には、どうしようもない「あきらめ」が隠れていると指摘する箇所は、ナルホドと唸らせてくれる。ここには、殆どの日本人はまだ気付いていない。

米・独・伊で仕事をしてきた奥山氏は、自らの日本人としてのアイデンティティーを模索し、「日本人とは、日本の文化とは」を自問してきたのだと思う。

なかなか勉強になる一冊である。

「お金を出しても買えないものを売る」のがイタリアのブランド4
 本書は、高級車フェラーリの中でも、創業55周年の大切な節目となる記念モデル「エンツォ・フェラーリ」を設計した工業デザイナーの奥山清行氏の初めての著作です。
 一度も日本のサラリーマンとして働いたことがない著者が、独立を機に、ちょっとだけ立ち止まって、イタリアと日本の仕事のしかたの違い、自動車業界の未来予測、日本のものづくりのあるべき姿などについて語っています。

 「人よりモノ」とか「チームより個人」のような、一般的によく聞く話と逆のことを主張していて、とても興味深く読める内容です。

 奥山氏によると、イタリア人は、大量生産が苦手で少量生産が得意です。昔から、職人が細部に至るまで神経を行き届かせながら、丁寧な物作りをする伝統があり、その姿勢が、多くの高級ブランドを生んでいます。
 たとえば、フェラーリには、需要よりも1台少なく生産するという創業者の哲学があり、奥山氏がデザインを担当した「エンツォ・フェラーリ」記念モデルの場合は、生産予定台数の10倍の予約申し込みがありました。
 フェラーリは、予約してくれたお客さんの中から、過去に2台以上買ってくれた実績があるか、地元の名士であるかなどを考慮して、ブランドにふさわしい人に販売を決定します。
 購入できた人は、「自分は選ばれた人間だ」という満足感を手にし、購入できなかった人は、記念モデルではない通常モデル(それでも、とんでもなく高額の高級車ですが)で我慢し、次のチャンスを待ちます。
 こうして「お金を出しても買えないものを売る」ということがイタリアのブランドとし定着します。

 大量生産はアメリカにやらせておけばいい。きっと心の底で大量生産の文化を軽蔑しているにちがいないのです。

 目の前の利益を追求する本ではありません。
 自分の仕事のしかたに当てはめて読んでみてはいかがでしょうか。