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本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書)

本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書)
By 平野 啓一郎

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  • 発売日: 2006-08-17
  • 版型: 新書
  • 224 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
本を速く読みたい!——それは忙しい現代人の切実な願いである。しかし、速読は本当に効果があるのか? 10冊の本を闇雲に読むよりも、1冊を丹念に読んだほうが、人生にとってはるかに有益ではないのか? 
著者は、情報が氾濫する時代だからこそ、「スロー・リーディング」を提唱する。作家はどのように本を読んでいるのか? 本をどのように読んでほしいのか? 夏目漱石『こころ』や三島由紀夫『金閣寺』から自作の『葬送』まで、古今の名作を題材に、本の活きた知識を体得する実践的な手法の数々を紹介。読者は、教科書で読んだはずの文章であるにもかかわらず、「目から鱗が落ちる」を何度も体験するだろう。スロー・リーディングは、速読と違って特別な訓練はまったく不要。読書は工夫次第で、何倍にも楽しくなる。仕事、受験勉強、就職の面接にも効果があるし、人間関係を良好にすることができる。なにより卓越した創造性を発揮する読み方である。

内容(「BOOK」データベースより)
本を速く読みたい!―それは忙しい現代人の切実な願いである。だが、速読は本当に効果があるのか?10冊の本を闇雲に読むよりも、1冊を丹念に読んだほうが、人生にとってはるかに有益である―著者は、情報が氾濫する時代だからこそ、スロー・リーディングを提唱する。夏目漱石『こころ』や三島由紀夫『金閣寺』から自作の『葬送』まで、古今の名作を題材に、本の活きた知識を体得する実践的な手法の数々を紹介。

内容(「MARC」データベースより)
情報が氾濫する時代だからこそ、スロー・リーディングを提唱。夏目漱石「こころ」や三島由紀夫「金閣寺」から自作の「葬送」まで、古今の名作を題材に、本の生きた知識を体得する実践的な手法の数々を紹介する。


カスタマーレビュー

単なる抽象的読書論でないところが魅力5
 平野啓一郎については、芥川賞をとりたての頃に『日蝕』を読んで挫折、ことさら難解な作品を書く作家というイメージを持ちました。
 これまで何冊か読書法の本を手に取りましたが、それらを読んで実践しているかというと、全く本を読んでも頭に入らないという状況は変わっていません。またこの手の本に無駄な投資をするのはイヤですし、テキストに使われているのも文学作品が主なので、あまり役にたちそうもなく、とりあえず買うのは見送りました。
 しかし、図書館でたまたまこの本を見つけ、タダなら読んでもいいか、と思って借りてみました。難解な作品を書く作家、というイメージとはまた違った面が見られました。明快に意味の伝わる文章は書ける人ですし、選ばれているテキスト(漱石・鴎外・カフカ等)も実際に読んでみると、それほど読むのに苦労はしません。テキストの選択は的確で、なおかつ平野の作品読解力にも驚きました。もっとも、平野のような作品読解力は一朝一夕には身につかないものではあります。
 平野の主張で特に注目したいのは「書き手の視点で読む」ということでした。私も最近読書してもほとんど内容を覚えていないので「自分がこの文章からテストを作るとしたらどうするか」という視点で読んでみようと思っていたところなので、より平野の主張に共感できました。
 傍線を引きつつ情報を視覚化するという点では、フーコーの文章に実際に線引きをしています。これは使えると思い、早速コピーしました。実際、斎藤孝の「三色ボールペン」よりよほどまともなのではないかと思います。

言いたいことは分かる3
基本方針は、スロー・リーディングであり徹底したアンチ速読。
とにかく、ゆっくり時間をかけさせすれば読書は楽しい、という立場をとっています。
このあたり、例えば『星の王子さま』なんかと同じようなポリシーを感じます。

確かに小説を読む場合、特に古典的名作を読む場合には、スロー・リーディングは非常に効果的な読書法だと思います。
ただ、速読に対してちょっと偏った見方をしているために、速読とスロー・リーディングの比較に関しては納得のいかない部分が多々ありました。
速読法に関する本も並行して読んでおけば、それぞれの長所・短所が見えてきてよいかと思います。

ちなみにタイトルにもあるように、本の半分以上が具体的な例文を使っての実践練習に充てられているので、この本1冊でスロー・リーディングをマスターすることが可能になっていてお得です。
いつもバタバタした環境(電車内とか)でばっかり本を読んでいて、ゆっくり味わってスロー・リーディングをする機会のなかなかない人にとっては、スロー・リーディングをちょっと試してみるのにちょうどよい本でしょう。

アンチ速読のすすめ4
本書は、中高生以上の若者を対象に書かれたものなのだろうか?「速読」との対比とういう話の流れ、あるいは編集上の都合もあるかもしれない。しかし、「試験・面接」にも役立つといった実利効用の部分、あるいは小説以外での「アンチ速読法」の有用性を強調するための、論理学入門のような部分は、もう少し省略してもよかったのではないか。

とまれ、さすがに「実践編」における小説の読み解きは秀逸で、この無教養のおじさんにとっては大変実り多い読書となった。