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人間にとって法とは何か (PHP新書)

人間にとって法とは何か (PHP新書)
By 橋爪 大三郎

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  • 発売日: 2003-09-17
  • 版型: 新書
  • 208 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
憲法から刑法、民法、国際法、さらに宗教法まで、人間にとって法律とは何か。気鋭の社会学者が、近代における自由と公共性のあり方を問う。
イスラム法では利子が禁止!? 売春やドラッグの合法化を主張するアメリカのリバタリアニズム!?
 時代や文化圏によって異なる法には、どのような根拠や正当性があるのか。
 そもそも法とは何か。強制なのか、ルールなのか。まず第1部で、民主主義社会における近代法の本質を、「言語ゲーム」の観点から読み解く。
 次に第2部では、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教など、それぞれの宗教において法律はどのように定め、用いられてきたかを説き明かす。
 そして第3部では、「公」の概念をもとに日本社会における法秩序を問い直す。
 さらに第4部では、より発展的な問題として、自由はどこまで可能か、国際社会と国内の基準のどちらを上位に考えるのかなど、日本社会を再構築する上で課題となる議論を展開する。
 人類は法によっていかに幸福を実現できるのか。自由と公共性は両立できるか——。正しい法感覚を磨くための最良のテキスト!!

内容(「BOOK」データベースより)
イスラム法では利子が禁止!?アメリカのリバタリアニズムは売春やドラッグの合法化を主張している!?時代や文化圏によって異なる法には、どのような根拠や正当性があるのか。本書は、近代法の本質を「言語ゲーム」の観点から読み解き、キリスト教、イスラム教、仏教など宗教法の成り立ちを探る。さらに「公」の概念をもとに日本の法秩序を問い直す。人類は法によっていかに幸福を実現できるのか。自由と公共性は両立できるか―。正しい法感覚を磨くための最良のテキスト。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
橋爪 大三郎
1948年神奈川県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻教授。専門は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

日本人は法が嫌いなようで。5
橋爪氏が行った講演を文字に起こした本で、
非常に読みやすかったのですが、第2部には
どことなく小室直樹の宗教原論臭がただよっ
ていました。他の方のレビューに「タイトル
と内容が合っていない」「章同士の脈絡がな
い」というのがありましたが、社会学という
法学とはまた違った視点から法をとらえる斬
新な試みだなと思ったので私自身はそれほ
ど気になりませんでした。筆者が強調したかっ
たのは日本人にしても中国人にしても儒教の
影響を受けた文化圏の人間は法が自分たちが
受ける命令に過ぎないと考えがちで、近代法
の原点である「法があなたをどう守ってくれるか」
とはとらえない傾向にあることが、社会にさまざま
な障害を引き起こしてしまっているということで
「なるほど」と感じました。

「法律」というものを広めの視点から眺めた入門的説明書4
講演内容を書籍として起こしたものらしい.そのため,とっつきやすさはピカイチ.肩の力を抜いて視野を広げるためや考えるきっかけとしてはものすごくよい。同じ理由からだろうけど乱暴になっている部分もけっこうある.経済とからめないと説明できないはずの部分や公務員まわりは説明のための方便ぐらいのつもりで読んだ方がよい程度の内容だし,キリスト教が現在の社会に与えた影響の説明は教義の影響ばかり説明して戦争の影響をものすごく軽く扱っている.間違いではないけど話題が飛躍している部分もちらほら。

タイトルにもなっている法律まわりは法律関係者を始めとする他の人が書いたものと比べるとかなり広い視野から書かれている.イスラム教にしても日本国憲法にしても著者の説明の中ではあくまでも one of them 以上のものではない.法律や宗教における「ルール決定のメカニズム」や「正当性のよりどころ」の説明は「本当に一般向けの講演の内容か?」と思うほど力の入ったものになっていて、かなーり勉強になった.法律を信者から見た一神教のように扱う態度は微塵もみられないし,検察出身の郷原信郎氏の著作や橋下徹弁護士の発言と同様の問題提起も行なわれている.この問題提起部分とアメリカのロースクールの説明は,日本の法律関係者の一部にとっては我慢ならないものだろう.日本にみられる法治国家としての危うさを正面から指摘しているわけだし,「あんたらダメダメですねえ」と遠回しに書いているようにもとれるから.

広範ではあるが3
宗教や政治と連関する法、法意識(法律観)の特徴を、国・地域ごとに論じているが、「人間にとって法とは何か」をズバリ提示するものではない(国・地域ごとに異なるものだから、普遍的に論ずるのは困難だろうが、それにしては随分な書名である)。著者の広範な見識やリバタリアニズムに関心を寄せていることはわかっても、日本人にとっての法が何であり、どのような今日的課題を有しているかはわからない。日本以外の法律観に比べて、日本人の法律観がズレていることは指摘されても、解決策は提示されない。そういう意味で、実用性のある本ではない。それでも、講演由来のお手軽新書としては及第点だろう。