行為の経営学―経営学における意図せざる結果の探究
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #153534 / 本
- 発売日: 2000-03
- 版型: 単行本
- 275 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
本書は、社会科学におけるマクロとミクロ、また長期と短期の間に見られる異なる見解、事例研究の擁護、経営の実践家との間の互いに意義深い対話の土俵といった問題群を、“行為のシステム”という実在に関する仮定を置き、“意図せざる結果”を探究し、実践家との間で反省的な対話のプロセスを活発化していくという、ひとつの方法論的立場の設定によって解決したものである。
内容(「MARC」データベースより)
「法則定立的アプローチの進展」「経営学における不変法則確立の可能性」「行為システム記述の復権に向かって」など8章で構成し、個人の行為と組織構造や、行為のシステムと「意図せざる結果」の関連性等を考察する。
カスタマーレビュー
日本独自の経営学の樹立を目指して
社会現象においては法則は成り立たないことを証明し、欧米の経営学で行なわれている過度の実証主義に対して警笛を鳴らしている。輸入学問である経営学は日本においても現在、豊富なデータに基づく実証が推奨されているようだ。しかし、著者は法則が成り立たない今、実証主義に則って法則を樹立するのではなく、社会現象が起きたメカニズムを解明し、それを実践家に提示することで実践家同士、また実践家と研究者の間で反省的な対話が行なわれることを期待している。間接経営戦略の章などでの事例はまさにメカニズム解明の最たる例である。もちろん、間接経営戦略という概念を出していても、実証はしていない。<以上が主な本書の議論であると思われる。最後に感想として、経営学の本というだけあって平易に分かりやすく書かれている。このようなことは社会学でも言われていて、そちらの議論の方が難解だ。この本をステップにし、社会学系統の本を読むことができるようになるだろう。さらに、注意すべき点として実証主義批判をしているが、読んだ人が実証主義批判を期待以上に吸収する恐れがある。メカニズム解明を行なうには、実証主義によってメカニズム解明を行なうデータを集めてこなければならない。そういう意味でも、決して実証主義批判をしすぎてはならないし、著者の実証主義批判が将来反証された場合のショックを考えると、実証研究と理論研究(メカニズム解明)のバランスを取ることが大事だということである。
実証主義と解釈主義のハザマで・・・
本書は、経営学に関する方法論の、著者が抱いてきた問題を、方法論研究にはありがちな議論が抽象性を帯びてしまうという性質を組織環境というテーマを通すことで回避し、著者なりの方法論的スタンスを提示する、というものである。そのスタンスとして、著者独自の視点から、メカニズム解明を重視した事例研究を主張するものとなっている。
著者が抱く経営学に関する方法論的問題とは、論理実証主義的立場と解釈学的立場との研究には「対話不可能状態」が発生しており、さらに、実務との「対話不可能状態」も発生している、という点である。ここで、著者は、組織環境という題材を通じ、その中で登場してきた2つの記述様式「変数システム(実証主義的立場に近い)」と「行為システム(解釈学的立場に近い!)」を理念系として提示し、後者において「意図せざる結果」という概念を登場させる。そして、この2つのシステムの変遷を研究の歴史の中に発見し、最終的に行為システムの「意図せざる結果」を通して解釈する必要がある、その手段が事例研究である、という研究スタンスを提示するにいたるのである。これは、実証主義的研究の生み出した知見を十分に生かしながら、解釈学的な研究様式を取り込むことを意味しており、こうすることによって、実証主義的立場と解釈学的立場との「対話可能性」を取り戻し、さらに実務との対話可能性も開く、とするのである。
本書は、社会科学の、方法論における議論に接近するものであり、「何故」を追求する実務家・理論家にとって有益な示唆を与えてくれる内容となっていると思!われる。
真摯な筆致に好感
経営学とはどういう学問なのか、どういう知を発信すべきなのかを真摯に考えている著者の姿勢には素直に感銘を受ける。前半が方法論を巡る考究に終始していてやや退屈だが、6章以降はケースも出てきて面白く読める。特に、7章の間接経営戦略は秀逸であるが、内容の濃さに照らして頁数が少ない。次回著者には間接経営戦略だけで1冊の本を書いてもらいたい。





