ジーザス・サン (エクス・リブリス)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #85436 / 本
- 発売日: 2009-03
- 版型: 単行本
- 176 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
『ダンダン』―俺はダンダンから薬をもらおうと、農場まで出かけた。しかしダンダンは、銃で知り合いを撃ってしまったという。ブレーキの効かない車で、死にかけた男を医者まで送り届けるドライブが始まった。『仕事』―俺はホテルでガールフレンドとヘロインを打ちまくっていた。喧嘩をした翌朝、バーで金儲けの話に乗ることにした。空き家に押し入り、銅線を集めて、スクラップとして売る仕事だった。『緊急』―俺は緊急治療室で働きはじめた。ぶらぶらするか、雑役夫と薬を盗むしかなかった。深夜、目にナイフが刺さった男が連れられてきた。手術の準備中、雑役夫がそのナイフを抜いてしまった。最果てでもがき、生きる、破滅的な人びと。幻覚のような語りが心を震わす、11の短篇。
出版社からのコメント
《アメリカ短篇小説の最高峰》
本書の原書が刊行されたのは1992年。それ以来、多くの読者に衝撃を与え、20世紀末のアメリカ短篇集の最高峰として、誰もが名を挙げる一冊でありつづけている。
デニス・ジョンソンは、旧西ドイツ、ミュンヘン生まれ。ジミ・ヘンドリックスのギターに影響を受けて文章を書きはじめたという。デビュー以来、核戦争後の近未来や、暴力とドラッグに染まった現代アメリカ社会の裏面を精力的に描きつづけている。最新長編『煙の樹』(<エクス・リブリス>シリーズにて刊行予定)で《全米図書賞》を受賞、《ニューヨーク・タイムズ年間最優秀図書》にも選ばれた。
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「ダンダン」俺はダンダンから薬をもらおうと、農場まで出かけた。しかしダンダンは、銃で知り合いを撃ってしまったという。死にかけた男を医者まで送り届けるドライブが始まった。
「仕事」俺はホテルでガールフレンドとヘロインを打ちまくっていた。喧嘩をした翌朝、バーで金儲けの話に乗ることにした。空き家に押し入り、銅線を集めて、スクラップとして売る仕事だった。
「緊急」俺は緊急治療室で働きはじめた。仕事は暇で、雑役夫と薬をくすねていた。深夜、目にナイフが刺さった男が連れられてきた。手術の準備中、雑役夫がそのナイフを抜いてしまった。
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最果てでもがき、生きる破滅的な人びと......悪夢なのか、醒めているのか? 幻覚のような語りが心を震わす、11の短篇。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ジョンソン,デニス
1949年、旧西ドイツ、ミュンヘン生まれ。デビュー以来、核戦争後の近未来や、暴力とドラッグに染まった現代アメリカ社会の裏面を精力的に描きつづけている。最新長篇Tree of Smoke(『煙の樹』)で「全米図書賞」を受賞、「ニューヨーク・タイムズ年間最優秀図書」にも選ばれる
柴田 元幸
1954年生。東京大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
ドラッグにやられ生と死の間でもがく男達のリアルな人生の物語を受け止めて下さい。
旧西独ミュンヘンに生まれ退廃的なアメリカの現代社会を描き続ける作家ジョンソンが1992年に発表し全米で大絶賛された伝説の傑作短編集です。本書に収められた11編の物語はドラッグにやられ凶暴化しまともでなくなり犯罪と危険に身を投じた挙句に、唯ひたすら生きているだけでありがたいというぎりぎりの運命に堕ちて行く人々の強烈な生き様が描かれています。確かに彼らが悲惨な境遇に陥った理由は意志が弱く誘惑に負けてしまったからで自業自得なのですが、一旦道を誤り落ち始めるともう駄目で地獄のような世界から抜け出すのは容易ではなく、綺麗事や道徳の説教など何の助けにもならないのだという事実が迫真の筆致で伝わって来ます。だから本書から教訓を読み取る必要はなく、中には起承転結の呈を為さず唐突に終わる話もありますが全く気にしないで、麻薬患者の幻覚に冒された奇妙な想念や衝撃的な運命の分かれ目の出来事に唯心を浸して自身の感性で受け止めるのが一番だと思います。『ヒッチハイク中の事故』ドラッグをやり朦朧とした状態で乗せてもらった車が事故に遭う。俺は運ばれた病院で凄まじい幻覚に襲われながら生きている喜びを味わう。『保釈中』二十か二十一歳で刑務所から釈放された男がヘロインの過量摂取で死んだ。その夜似た事をしてほんの少しの偶然で死ななかった俺はしばし栄光の瞬間に見舞われる。『緊急』緊急治療室で働き始めた俺は、深夜やって来た目にナイフが刺さった男に対し雑役夫が取った思い切った行動を目撃する。『ダーティ・ウェディング』若い頃に相談して中絶の道を選んだ俺の恋人ミシェルはその後俺を捨て他の男の家で凄絶な最後を遂げる。『ベヴァリー・ホーム』老人ホームで働きながら社会復帰の道を探る俺は、ツキのない奴らや変てこな連中を憐れみつつ悲しみと幸せに酔い痴れる。ドラッグにやられ生と死の間でもがく男達のリアルな人生の物語を受け止めて下さい。
デニス・ジョンソンの本格的な邦訳
本当に面白かった。現代アメリカを舞台にした短編集ですが、デニス・ジョンソンの独特な文体は、対象を突き放しているようで実はひとなつっこい。売人や前科者や中毒者ばかりを描きながらも、冷徹にドライになりきれないのは作者本人の性格なんだろうなぁ。過激なようでメロウな短編小説集。
内容をちょっと抜粋してみた;
ヴァインではそういうことがしょっちゅうあった。今日を昨日だと思ったり、昨日を明日だと思ったり。それは俺たちがみんな自分のことを悲劇の主人公だと思っていたからだし、いつも酔っぱらっていたからだ。無力な、運命に呪われた気分を俺たちは抱えていた。俺たちは手錠をはめられたまま死ぬのだ。生なかばで断ち切られ、しかもそれは俺たちが悪いんじゃない。そう俺たちは想像した。でも俺たちはいつも、何か馬鹿みたいな理由で無罪になるのだった。(『保釈中』)
翻訳者の柴田元幸さんの解説もよかったです。ちょっとだけご紹介。
いま読んでみると『ジーザス・サン』で何より目立つのは、そこらじゅうに地雷が仕掛けられているかのような、その文章にみなぎる電位の高さである。突如出てくる、書き違いではないかと思えるような一見場違いなフレーズ(たとえば「ヒッチハイク中の事故」や「仕事」の終わりの一文)は何度読んでもインパクトを失わない。そうしたほとんど幻覚のような衝撃力をもった言葉が出てくるのは、登場人物たちのみならず、作者デニス・ジョンソン自身がかつて薬物常用者だったこともある程度は関係しているにちがいない。だが言うまでもなく、薬物常用経験者なら誰でもジョンソンのように書けるわけではない。
ついに和訳登場!
92年に刊行されなかなか翻訳されてきませんでしたが、ついに和訳されました!原書で読んでみたときには、私の英語力では現地で絶賛されてているほどの感動はありませんでした。しかし、今の日本社会にとって若者にとってこの本は多くのことを啓示しています。





